第12話 その国は活気と瘴気で溢れていた

…ここが機械都市メドリアか

機械都市と言うくらいだ

こんなごちゃごちゃでも良いのだが

何だこの瘴気のような…

少し息苦しい程度で他は特にないが

違和感が…

水無月「なんだこの…瘴気?は」

焔「?そんなもんあるっすか?」

アリシエ「不思議なこと言ってないで

行きますよ水無月」

これは…どういうことだ?

この瘴気らしきものは成分的に

魔力を目に見えるくらい濃くしている

魔法が使える焔やアリシエが見えないのはおかしい

不可視魔法などもあるのだろうか

結界という線も…

焔「ボーっとしてないでいくっすよー」

水無月「…あぁ」

瘴気と活気のある街とはなんともな…

有り体にいえば不気味だな

気にしすぎもよくないな

私はすぐさまアリシエ達の後を追った


王が待つ宮殿まで行くのに何度も声をかけられ

その度に断ると言った事が

続いてやっと宮殿へとたどり着いた私たちは

門番と思われる人達に止められた

門番?「待て!貴様ら何用だ!」

焔「コードネーム焔

作戦を終え報告に参りましたっす」

門番?「ふむ…ではそちらが…」

焔「そうっす

つうことっすから通ってもいいっすか?」

門番?「あぁ止めてしまってすまない

だが王は少しご乱心のためくれぐれも

気をつけるように」

焔「いつもの事っすよー」

どうやら説得は出来たようだ

しかし…門番にしてはこの男強すぎやしないだろうか

この国にはそれほどまでに軍事力が高いのだろうか

アリシエ「ほら行きますよ」

またしても考え事に耽ってしまったようだ

また後で聞きに来ればいいか…

歩きながら周りを観察するがとにかくでかい

所々瘴気が溢れ出ているが

街中に比べると空気も綺麗な気もする

流石は王が住むだけはあるようだな

焔「王の間はこの先っす

私は入れないっすから出口付近で待ってるっすね」

水無月「あぁ、助かったよ焔」

アリシエ「また後でね」

硬っ苦しい扉の前で焔とは別れる

ここから先が王の間

どんな人だろうか

どんな奴だろうか

もし王としての威厳や尊厳がないのなら…

焔とは会えないかもな

あの奴隷の子達は連れていくけど

まぁまだ決まった訳では無い

いい王かもしれないしな

考えるのをやめ、その重たいはずの扉を

軽々と開けた

そこに広がっていたのは

無…

表すなら宇宙だな

水無月「なんだこれは…

王の間は襲撃されたのか?」

アリシエ「いや…そんなことはないと思うわよ?」

水無月「いやしかし…」

?「ぷはぁ!また失敗した!

いやぁ!はっはっはぁー

やらかしましたしたねぇ…

やべぇよ!怒られるよ!殴られるよ!

ん?おやおやおやや?

君たちは誰だい?

はっ!もしかして噂の勇者君かい?

だとしたら少し!いやとても興味があるんんだけど

なぁ熱い夜を2人で過ごさないかい」

水無月「……最後の提案はどちらの意味でも

却下させていただこう

それと私は上原水無月という

確かに勇者になるために来たが

まだまだ駆け出しのようなものだから

期待はしないでくれ」

アリシエ「貴方は自分を卑下しすぎです…

もう少し自分に自信を持ってくださいよ」

水無月「自分が強いことはわかってるけど

まだこの世界では駆け出しだと思うんだ

なんにも知らないからね」

アリシエ「ですが…」

?「ストップ!それ以上見せられたら

お姉さんちょーっとお部屋に籠って

ゲームをし続けちゃうからその辺でやめてねぇ」

水無月「?まぁわかった

それと名前を聞きたいんだが…

いやその前にこの変な魔法を解いてくれ

違和感が凄い」

?「んーりょうかーい」

その返事と同じくして周りにあった

不思議な世界も徐々に薄まっていき

王の間であろう姿へ戻った

?「はーい、かーんりょう

っとなんだっけ?名前だっけか?聞いて驚けー

私の名前は!レミドフル・メドリア!

一応この国の王様だ!

わっはっはー跪けー」

水無月「……」

言葉が出なかった

唖然とした

ありえないだろと叫びたかった

王様ってもっとちゃんとしてると思ってたよ…

しかし王は王

礼儀を持って接するべきか

水無月「これは…先程は失礼しました

それではあらためt…」

レミ「あぁ!硬っ苦しいの禁止ー

さっきと同じでいいよー」

…ほんとになんで王様なんだろ

水無月「じゃあ遠慮なく

と言っても挨拶をしに来ただけだから

すぐ帰るんだがな」

アリシエ「そうですね、

あっ私としたことが…自己紹介がまだでしたね

女神アリシエと申します

以後お見知り置きを」

レミ「おっけーおっけー

女神ねー…んー?

女神?…アリシエ?…つかぬ事をお聞きしますが

貴方様は…え!?本物!?」

アリシエ「本物と聞かれても…私は私ですし…」

レミ「私たちの国では

アリシエ教というのがありまして…

…ご存知ないですか?」

アリシエ「私は…ないですね…」

レミ「……ではすぐに取りやめにします…」

アリシエ「いえ別に構わないのですが

教えを聞いたと言う方がいらっしゃるのなら

嘘っぱちでしょうがね」

あっちょっと怒ってる

これは…そっとしておこう…

そんなことよりも

ひとつ聞かねばならないことがある

水無月「なぁ王よひとつ質問をいいか」

レミ「レミって呼んでくれるならいいよ」

水無月「そうかそんなんでいいなら

レミ

質問をする、いいか?」

レミ「予想以上の破壊力が…真顔で言われるのも

また良きかな……

あっ!質問ってなんだい?」

水無月「奴隷制度についてだが

私はレミが進んでしそうにはないと思ってな」

レミ「あぁ…まぁ確かにね

うちのクソジジイ共が頑固野郎でさ

撤廃出来ないの…それに

人材派遣や人件費なんかも考えると

そう簡単に「はいやめー」っとは行かないんだよね

可哀想だけど仕方ないんだよ

分かってくれ」

水無月「…まぁそちらの事情だ

私が首を突っ込めるとは思っていない…」

思ってはいないが

私の手には力が篭っていた

その手は真っ赤で

床には少しの血溜まりが出来てた

レミ「…優しすぎるのは命取りになるよ水無月

お姉さんね君みたいに優しすぎて

しかも怖すぎる子は

初めて見たの

興味もあるしなんなら夫に迎えたい…キャッ

でもね優しさは人を苦しめて

徐々に殺してくよ

しかも最悪の形でね

多分君は生きるか殺すしか知らないんだね

いや、それしか根源まで理解することが出来ない

人の感情というのは

もっと複雑だよ水無月

迷ってどうしようもなくなったら

お姉さんの所へおいで

熱いキスと抱擁でその傷を治したげるから」

…驚いた…さっきまでとは雰囲気が全く違う

言うなれば姉のような感じだな

妙に落ち着くし

その言葉はすぐに頭に入る

不思議な感覚だな

水無月「…熱いキスと抱擁はいらないが

困ったことがあればまた来るよレミ」

レミ「いつでもウェルカムだよ!

あっそれとアリシエ様

水無月のことしっかり見てやってくださいね

これまで以上に、ね」

アリシエ「ふふっ分かってるわよ」


王との謁見…というか

ただの話し合いはこれでおしまい

出口付近で待ってる焔と合流してから

今後のことはまた考えよう

少し疲れた…


グラッと視点が揺れる

体の自由が効かなくなる

声を出そうとするが届かない


な…んだ?

そう考えた後に

プツンと意識が途絶えた…


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


はい!

作者です!

王との謁見を真面目に書こうとしてたら

よく分からないお姉ちゃんができた!

何を言ってるかって?

知らねぇーよそんなこと!

あっ人物紹介しまーす

レミドフル・メドリア

性別 女

年齢 23

種族 人間

その温厚な性格は姉と呼ばせるような雰囲気を

醸し出す

メドリア家の長女として生まれ

小さい頃からの英才教育の賜物で

魔法の扱いはこの国1番

なのだが、新魔法の開発をする際は

失敗の連続で今回のように

全く違う作用が起きるようになっている

ちなみに新魔法が完成すれば

奴隷制度が無くなると自負しているそうだ

普段は飄々とした雰囲気もあるが

真面目に物事を始めると王として十分な威圧を放つ

看破の目と呼ばれる能力を持っており

その人の過去

そして感情の波を感じ取ることが出来る

水無月に対してだけは

恋する乙女のようでもあると報告がある

それは底知れぬ水無月の優しさと

過去が見れないという希少性を持っているから

やもしれない


ハッキリ言って

こういうキャラ大好きですね

お姉さん系めっっっちゃ好き

まぁいいや

そんなこんなで

第12話!

読んでくれた方がいるなら!

幸いです…

どうか届け!この思い!

読んでくれ!

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