第2話夢見る少年は・・・

 2020年一月・・・ゲームは一日一時間。


子供たちの学業成績低下の原因は、PCゲームの可能性があると示唆され、日本で初めてのPCゲームの規制が行われた。



場所は飛んで四国・・・香川県。


その規制に伴い、ゲーム人口はみるみると減少していき、香川だけがPCゲームの時代から隔離されていった。



 それから時は立ち、2100年・・・日本にはとあるブームが来ていた。



 名はeスポーツ。eスポーツとは『エレクトロニック・スポーツ』の略で、主に電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を示す言葉であり、コンピューターゲーム『PCゲーム』、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを指した単語である。



世界規模での競技人口は約一億人といわれており、競技人口以外の観戦、視聴者数は約3億8000万人といわれている。



 海外などでは国が『eスポーツ』を『スポーツ』として認めており、その競技性とエンターテインメント性が日本のゲーマーに火をつけ、今に至るというわけだ。



日本での競技人口は約1000万人にまで膨れ上がり、eスポーツ人口の増加は加速を増すばかりである。




 一方、香川ではPCゲームの規制が悪化していた。

そんな進む規制の中、香川にeスポーツを愛する少年が一人・・・




「こぉらぁ!英太ぁっ!!もう一時間以上たってんだろぉ!?」


「わかってるよっ!!・・・はぁ・・・・」


「明日またやればいいだろーが・・・さっさと学校の準備しろよー明日から新学期だろ?」


「・・・」


 


 俺がFPSにはまったのは小学生の頃だった。

テレビで見た日本チームの初の世界戦の生中継。

試合終盤の迫りくる時間に連れて会場内に響く銃声音、湧き上がる歓声、選手と実況の叫び声、当時の俺はその手に汗握る感覚が最高の時間だった。



だけど、俺が生まれた県では限られた時間でしかゲームが許されなかった。



それでも、ずっとあのテレビで見た景色が忘れられなかった。

周りから批判されても、圧倒的時間で実力に差がついているとわかっていても、あきらめることが出来なかった。




もう最初から決まっていたんだ。




あの無理だと言われた瞬間からやろうと思ってたんだ。




俺の目指す道は『プロゲーマー』ただ一つだった。 


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