初恋ってどんな味?

ももね いちご

完結編

私の初恋は、幼稚園の時だった。

初恋の相手、Bくんは、とてもおっとりとした優しい子だった。

小学校は、2校に別れるため、Bくんとは違う小学校に通うことになった。

それから、6年の月日が流れ。

中学になりBくんと再会をしたが、Bくんは、私の事なんて忘れていた。とても辛かったけど、変わらず優しくて、笑顔が素敵なBくんにまた恋をした。

同じクラスにはなれなかった。辛くて辛くて苦しくて、3年生で、同じクラスになれなかったら諦めようと思っていたら奇跡が起きてBくんと同じクラスになることが出来て、夏休み前には席も近くなった。全てが絶好調かと思っていたけれど、Bくんは夏休み直前、重度のストレスで不登校になってしまった。

私は、Bくんにプリントを届けに行きたい。Bくんと近づきたい、そんな下心を持ちながら毎日毎日プリントを届けに行くようになり、Bくんも別室登校ながら、学校へ来れるようになった。

Bくんのいる別室に、プリントを持っていく時間は、当時いじめられていた私にとって、至福の時間で、毎日Bくんと色んな話をした。

Bくんと仲良くなり、同じ学校に行きたかったけれど、Bくんは、違う学校を志望した。

後に、何で志望したのか聞いたら、私の行く学校じゃ、また辛い目にあうかもしれないけど、ここなら同じ悩みを持った仲間と切磋琢磨できるからと言っていた。

Bくんと、離れたくない一心で、私は告白をすることにした。

結果は、ふられてしまった。学校が離れたらイチゴを、守ってやれないし、イチゴにはたくさん恋をして欲しい。これから、幸せになって欲しい。だから、俺はイチゴとは付き合えない。と言われた。

辛くて辛くてたまらなくて受け入れられなかった。

けれど、受け入れるしかなかった。

今、私には大切な人がいる。Bくんには、まだ居ないみたいだけど、もし大切な人が出来たら応援してあげたいと思っている。

ちなみに、今でもBくんとは連絡を取りあっていて、男女間を越えた親友になっている。

これが、一番幸せな道だったのかもしれないと、大人になった今なら思える。

私の初恋の味。

それは、甘酸っぱい。スモモのような味なのかもしれない。

Bくんと過した別室での楽しかった友達になるための桃のような時間。ふられてしまって、苦しかった時の酸っぱいレモンのような時間。

本当に、楽しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

初恋ってどんな味? ももね いちご @momone0322

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ