12月5日 バルーンとドローン

 12月5日、雨ときどき曇り。


 数時間に一度母の口をこじ開け、痰を取る作業に没頭。

 起きないので食事ができない。つまり薬も飲めないということだ。いつてんかんの発作が起きるか不安になりながら長い夜を過ごす。

 当然水分補給もできないので、痰が出づらくなっている。ある程度の水分がないと痰は取りづらい。

 まだ不安はある。バルーン(尿を貯める袋)の尿の色が赤い。医者に聞いたところ、薬の影響だという。水分摂取量が少ないので尿が少ない。そうすると尿路感染症にも怯えることになる。


 そんなわけで不安な夜を送っていたが、今朝4時ごろ目を覚ました母は、割とはっきりとした声で空腹を訴えた。

 取り急ぎヨーグルトを食べさせる前に血糖値を測る。110。母にしては低いが異常ではない。どうやら最大の難関を越えたようだ。


 てんかん防止の薬の効果が強すぎたのである。医者は一週間も飲み続ければ体が慣れてくると言っていたが、こちらの身が持つのかどうか。

 過眠症の副作用があるそうだが、医学的知識がないこちらから言わせてもらえれば、あれは睡眠ではなく昏睡である。



 いやいや疲れたな。

 疲れた頭で今コメディを書いている途中。なんでこんなタイミングで書き始めたか自分でもわからない。笑いたかったのだろうか。


 ところが現実がこんなもんで体力もそんなもんだから、疑心暗鬼に取り憑かれるわけだ。これ面白いのか、説明過多ではないか、呼吸音が変じゃないか、いやこれ面白くないのでは、と書いては消し、書いては消しの連続作業。ああもったいない。


 一つ痛感したのだが、小説を書くのって脳の筋力を鍛えないと難しい。めんどくさいから筋力としたが、思考力や判断力、記憶力や想像力に加え自分の書いたものを信じる心などもそこには含まれる。たぶんこれは年齢関係なく成長したり衰えたりするものだと思う。使えば成長し続けるし、使わなければ衰える。


 今は衰えているなと痛感したのが、ドローンという単語が出てこなかった時だ。「何かの会場を空中からのマシンで撮影する」というシチュエーションにおいて出てきた単語はバルーンだった。空中を飛び回る尿袋。しかもカメラ付き。狂気、猟奇、疲労過渡期。


 折れないように書き上げてから随時アップしていこう。途中でアップしたら、今は何があるかわからないのでまた折れる不安が残る。いろいろがんばろう。父も帰ってきてしまったことだし、まだまだやることはあるのだ。

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