セカンドオピニオン

 どういう風に書けばいいのか分からないが、現在母が入院している病院から、転院する可能性が出てきた。

 今の病院からは「セカンドオピニオン」という言葉が出てきた。転院だとするとまたややこしいことになる。家に入ってくれている訪問看護などが使えなくなるはずだ。


 先週、母の余命が半年であると兄に伝えたところ、「開頭手術はできないのか?」と聞いてきた。もちろん病院には何度も聞いている。そしてその答えは「成功したとしても、ほぼ寝たきりで話すこともできない。それは本人が希望しているのかどうか」だった。


 その内容を話し終えるや、兄は「確かT病院の先生が……」と記憶をたどりながら話し始めた。


 T病院で放射線治療を行った6月、担当医と話をしていて


「もし放射線治療の効果が薄かったら開頭手術も視野に入れましょう。その際は責任を持って私が執刀します」


 と言われたらしい。

 確かに、「どんなに小さくても一つはあったほうがいい」というタイトルの日記にもそのことが書いてある。責任をもって云々というのはただの綺麗事だと思って完全に忘れていたが。


 兄はすぐに母が入院している病院へ行き、こういった理由でT病院に母の現状の資料を見てもらうわけにはいかないかと依頼した。それが先週の木曜日。


 そして今しがた、病院から電話があった。資料が出来たのだ。どういう理由によるものかは知らないが、受け取ったらそのままT病院へ行かなければならないらしい。もともとこちらは焦っているので望むところだ。家に父がいる関係で、動くのも兄になる。


 明日、最後の勝負ができるかどうか決まる。もし手術ができそうだと言うなら迷わずしてもらう。残された時間は少ない。

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