要介護度の見直し

 現在、母は要介護認定3。

 具体的にどういう状況かというと、厚生労働省の定めた概要には


「立ち上がりや歩行が自分では困難で、日常生活全般に全介助が必要。また認知症の症状があり、日常生活に影響がある状態」


 とある。

 父もこの要介護3だが、脳梗塞による左半身附随があるために一級障害者となっている。


 昨日ケアマネージャと話していた所、母の要介護度の見直しを勧められた。時間が経つにつれどんどん体が不自由になってきているので、それは当然のことだと思う。

 要介護4の概要は


「立ち上がりや歩行が自力ではほとんどできない。食事などの日常生活が、介護がないと行えない状態。コミュニケーションの部分でも、理解力の低下があり、意思疎通がやや難しい状態」。


 まさしく母の状態に該当する。

 なお、寝たきりの場合は要介護5となる。


 ケアマネージャにも医者にも言われたが、通常、要介護者が家にいる時は二人でケアするものらしい。実際の介護のイメージとしては中年夫婦と高齢の親だろうか。


「二人の要介護者を二人で看る」という無謀な展開を望んだのは誰でもない、自分自身だ。泣きながら家に帰りたいと訴える母の願いを聞き入れないわけにはいかなかった。もしそこで強引にリハビリ病院に入院させていたら、猛烈な自己嫌悪に襲われ一生後悔し続けるだろう。


 もちろん何も考えていなかったわけではない。

 兄弟二人で看るといっても兄は日中仕事で出払っている。また、父は火・水・木とデイサービスを利用しているのでそれぞれの分母は減る。

 母は外出することはできないが、要介護4ともなれば父よりも介護保険で使える金額が増える。訪問介護なら週6は来てもらえる可能性があるし、週に一度の移動型浴槽も手配できるそうだ。一時間くらいいてもらえるのなら、その時間を睡眠に充てることが可能。ただ、どう考えても酒は飲めなくなるだろうなあ。


 8月19日の朝にこれを書いているが、今日の14時からCTの撮影があり、21日にはMRIが控えている。それぞれの結果が今後の生活に直結するので緊張している。CTでガンの転移がないかを調べ、MRIで脳の腫れが引いているかを確認するのだ。ガンの転移がなく、脳の腫れと腫瘍の進行が止まっていれば言うことはない。すぐにでも放射線治療を受けてもらう。


 医者からの話は来週ある。どんなシビアな話になろうと、どうにか平静を保っていられるように。何より病気の進行が止まっているように。絶望するのはもううんざりだ。

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