介護保険要介護認定要支援認定結果通知書開封結果

 タイトルは家のポストに入っていた書類の名称であるが、正しくは

「介護保険 要介護認定・要支援認定結果通知書」である。


 よりわかりづらくする為に「介護保険」の後ろの全角アキをトルツメ、更に「要介護認定」と「要支援認定」の間のナカグロをトルツメ。結果、ものの見事に読む気がしないタイトルに成り果てた。なぜわざわざそんなことをしたかというと、ヒマだったからである。


 申請したのが6月30日の火曜日。届いたのが8月8日、母の日もしくは葉っぱの日、あるいは発破の日。

 封筒には2つ同じものが入っていた。黄色の「介護保険負担割合証」がそれだが、一つには「令和2年7月31日まではこちらをお使いください」とあり、もう一つには「8月1日以降は〜」とある。7月末までのものをビリビリに破いてゴミ箱にぶち込んだ。


 つまり、これは7月中には出来ていたということなのかな。届くのが遅かっただけなのかな。文句はないが気をもませてくれる。


 通知書には「要介護3」と書いてあった。父と同じ程度の介護サービスを受けられるということだ。確か使用額27万円くらいまでに収めれば1割の負担で済んだ、はず。具体的には週3程度のデイサービス、月に3日くらいのショートステイ、ベッドや車椅子といった介護用具であれば限度額内に収まる。


 それはいい。それは分かった。

 だが退院できなければ、使おうにも使えない。


 父が脳梗塞をやった3年ほど前、まだおれは大田区の下丸子に住んでいたのだが、今後のことを考えて実家に戻らざるを得なくなった。その際、最初に「行って来い」と言われたのが市役所で行われる障害者保険の説明会だった。何もわからないまま愚直に説明を聞いていたが、つまりそこまでのお膳立ては誰かがやってくれていたのだ。おそらく前任のケアマネージャーさんだろう。


 1級障害者と認定された結果、父の病院代は全てタダになった。これは大きい。もう一度言う。病院代がタダなのである。

 なので調子に乗って歯医者さんに往診してもらったり、皮膚科に運び込んだりしているが、いずれもタダ。まるで国会議員になったかのようだ。国会議員が病院代タダなのかは知らんので別の言葉で例えると、国際線のファーストクラスで赤ワインとエスカルゴとなんか高いものが飲み食べ放題みたいなものだろう。国際線もファーストクラスもエスカルゴも経験がないので知らんが。


 なので、母にはまず障害者保険が降りると助かる。今年になって2月2日〜3月8日、5月30日〜6月5日、6月21日〜7月2日、そして7月23日から今に至るまで入院しているので、なかなかどうして……どころではない大金が出ていく。それ以外にも糖尿病の病院や歯医者などに送り届けしていたので母の病院代は把握しているが、実にお高い。

 病気が治るのならばお金は惜しくないが、もしタダになるのならそれはそれと勢いよく手の平を返す。障害者保険やるから三遍回ってワンと鳴けと言われたら普通にやります。


 とりあえず申請の方法を調べた所、三遍回ってワンと鳴けとは書いておらず、やれ主治医の診断書が必要だ役所の書類を持ってこいだと、実にややこしいことが書いてある。ややこしいがやらなくてはならないだろう。がんばるぞ。


 しかしながら病院代がタダでも、毎日のパジャマ代とかで一日千円ほどかかる。2月の入院の時は週に2回洗濯物を引き取っていたのだが、2020年夏、パンデミック真っ最中。面会も難しいし、なるべく病院には行かないほうがいいとの判断でレンタル衣料にしたのだ。この請求書を見てまた目をひん剥くことになるのだろうなあ。

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