・食欲が無くなる

・水分を口に含んでから飲むまでに時間がかかる

・やたらうたた寝をする

・人の話を無視する

最近の父の状態がこんな感じなので、訪問看護に相談してみた。

「認知症の状態が進んでいると思われます」

遂に本格的にボケだしたということだ。これはもう、かなりのなるほどである。それ以外に言葉が出てこない。

唯一の疑問をぶつけてみた。

「デイではよく他の利用者と喋ってるらしいんですよ。そこが理解できません」

「ではデイにも聞いておきますね」

デイの中の様子は見ることができないが、いつも「はつらつとおしゃべりされてました」とか連絡帳に書かれている。

家の中ではしゃべるどころか、話を無視する。ただ単に家族を下に見ているだけかと思いきや、そうか、ボケていたか。

そうなると手に負えなくなるので、早めに老人ホームを探しておく必要がある。今ショートステイをお願いしているところで引き取ってくれればなんの問題もないのだが、ボケてる状態で入所させてくれるのだろうか。

かといって特別養護は高いうえ、嫌なイメージしか無い。具体的にどんな嫌なイメージがあるのかは言わないが、かなり嫌なイメージしか無い。かなり嫌なイメージの大半が報道によるもの、残りは体験則だ。

ここから先は非常にデリケートな問題で、もしかしたら言ってはいけないことなのかもしれない。けど、自分の心情だけは記録しておくつもりである。

本格的にボケだしたら、何が危ないって自分が危ない。ただでさえ手を上げかねない状況が続いているのに更にひどくなるのだとしたら、半年後には番号で呼ばれている未来が容易に想像できる。新聞の３面の下の方に全２段１０行くらいでおれの行動の経緯と末路が乗っかる気がする。いや、気がするのではなく、多分そうなる。

犯罪者としての全国デビューは絶対に避けなければならない。その為にどうするかと言えば、父をどこかに預けるかおれが出ていけば済む。ただ現状母を一人にすることはできないので、父を預けるという一本道が目の前に開けた。

最近疲れすぎているせいか、めまいがたまに起こる。父を預けることができたら、母にも少しだけショートステイに行ってもらうことにしよう。そしたら近場へ旅行に行くんだ。それが今のおれの夢！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい