告知
電話で呼ばれ、母の入院している病院へ向かう。
ここ数日感じていた悪い予感が的中していた。
医者は言った。
「大腸に腫瘍があります」
「腫瘍」
「はい、ガンです」
天を仰ぐ以外にできることがない。一生分のため息をついた気もする。色々説明を受けたが、頭に入らなかった。
なにか質問はありますか、と医者に問われ、かすれた声で曖昧な質問をする。
「それは成功するのですか」
「開腹しないことにはなんとも言えませんが、転移はしていないので取り除く方向で行きます」
急激な喉の乾きを感じると同時に、めまいがした。
最大の問題は、母の入院が長引いていることを訝しみ始めた父にどう伝えるかだ。未だ「盲腸の跡が」とか「検査で」とか嘘を付き、なだめている。
デイサービスから帰ってきた父を迎え入れている途中、心配そうな顔で聞いてきた。
「お母さん、元気だったか?」
「ああ、元気だったよ」
自分の声が上ずっていることがわかる。見られぬように、何年ぶりかで涙を流した。その涙が父に対する罪悪感から湧いたものなのか、両親に孝行できなかったことからくる後悔の現れなのかはわからない。
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この日記ですが、しばしお休みをいただきます。
もともと不定期更新のつもりだったのですが、何かに集中できるような状況ではなくなってしまった為です。
この困難の行く末がどうなるかは分かりませんが、全力で頑張ります。
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