冤罪
「どうもぉ〜〜〜天使の裁判所でぇ〜〜〜す」
「この裁判所はさくっと登場さくっと解決! 性犯罪の現行犯を裁きますよぉ〜〜〜」
「あなたはねえ、女の子を集めて『俺の子供を産め!』とかいうて・・・・あれ?」
そこは高級ホテルの一室、オッサンが1人でベッドで座っていた
「何やねんなおまえら。びっくりてれびか?あれ、ホンマは打ち合わせがあるんやろ?」
全身白タイツの男達はキョロキョロと周囲を見回したけど、広い部屋に男1人だけである
「ねえ、女の子達はどうしたの?」
「え?みんな帰ったで。さっきまで何や呑んでたけど、今さっき掃除が終わって帰ったところや」
「ええ〜〜〜あんた、女の子を押さえつけて『俺の子供を産め!』とか言ってたんじゃないのぉ〜〜〜」
「なんやそれネタか?でもおもろないわ。つか、何でそんなことせんとあかんねん!」
「いやいやいや〜〜〜、アンタはそれで未来で雑誌にその話を売った女のせいで雑誌や外国の雑誌にまで追っかけられるんだよ」
「なんじゃそら、それ、素人に手ぇだしたらそないにもなるわな、未来の俺はそんな事やっとったんかいな、そら、気ぃつけんとあかんな」
「いや今のアンタが未来でそないになるんや」
「なんかようわからんなあ、で、アンタら、一体何やねん」
「私達は天使の裁判所といって、性犯罪を現行犯で処罰してるんだよ」
「はぁ〜〜〜ん、残念やったなあ、どこのテレビ局やしらんけど」
「でさあ、アンタを売った女だけど。どうするぅ? 有罪?無罪?」
「ん〜〜〜〜〜有罪か無罪かいうたら、有罪やな」
といきなりカラーボールが回りだし紙吹雪が舞う
「ゆ〜〜〜〜ざ〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷー!」
「ゆ〜〜〜〜ざ〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷー!」
全身白タイツの男達がベッドの回りを踊り狂ってる
「ゆ〜〜〜〜ざ〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷー!」
「ゆ〜〜〜〜ざ〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷー!」
男も全身白タイツの男達と一緒に踊り回っていた。
「おめでとう! 有罪です! では、罪の重さは!!?」
ホワイトボードには【罰金刑】【懲役刑】【死刑】
「あ〜〜、じゃあ、『カツ丼』で」
「カツ丼〜〜〜〜〜〜」
「カツ丼〜〜〜〜〜〜」
「カツ丼〜〜〜〜〜〜」
「カツ丼〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜って、ちゃうわ!」
相方のようなツッコミが入る
「わかった、わかった・・・・まあ、死刑にしておくわ」
「はい〜〜〜死刑入りました〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷ!」
「し〜け〜い〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷ!」
「し〜け〜い〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷ!」
「し〜け〜い〜〜〜〜どんどんどんぷーぷーぷ!」
気がつくと、男たちは消えて、部屋の中は彼一人だった。
あ〜やっぱり口の軽い素人相手に遊ぶとあぶないなあ、これからは気ぃつけんとなあと彼は思った、そして、ちょっと酒を飲むと、そのまま寝入った。
17年後
金に困った40近い元グラビアアイドルが、17年前に性暴力被害にあったと雑誌に売った事で彼は危ない事になったが、その時、女性がタクシーで夕方に帰っていて、性犯罪の事実がない、女が金目当てて雑誌に売ったという真相がばれ、それ以降、女を見た人間は居なかった。
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