へっへっへ、テレビに出たいんだろう?アイドルのなりたいんだろう?
「うわっ!社長、止めてください」
そういう趣味があるオッサンとは聞いていたけど、俺なんかがそのターゲットになるとは思わなかった。
新宿で踊ってる時にスカウトされ、事務所と契約、同い年の男の子何人かとグループを組まされて、テレビの、スターの後ろでダンスをする生活が続いていた。
そのうちに事務所の先輩のように歌番組に出たりテレビに出たりできるようになると思っていたのに。
「何いってんだい、この事務所に入るという事は、こういう事が在るってわかってたんだろう?テレビに出して上げると言ってるんだよ!今更ナニをいってるんだい!」
「でも、そんな事をしなくても僕はテレビに出れるようになります!、事務所を変わっても!」
と、社長は怒り出して
「ああ、そうかい、そんな態度なのかい、僕がねえ、テレビ局に言うと、君なんかどこのテレビでも出禁にできるんだよ。テレビに出たいんだろう」
僕は体の力を抜いた、社長のゴツゴツした指が体を這い回る
と、その時
「どうもぉ〜〜〜天使の裁判所だよぉ〜〜〜〜」
気がつくと社長が白塗り白タイツの男たちに押さえつけられていた。
「くっ!放せ!お前らなにもんだ! さてはライバル事務所の差し金かっ! 」
「これは現行犯の性犯罪をさくっと解決する裁判所でぇ〜〜っす!」
「なんだ、びっくりテレビか! バカタレ! 社長呼んでこい!」
「アンタが社長やがな。いやそんな事より、オッサン、アンタ、社長とテレビ局に顔のきく権力を使ってこの子に圧力をかけたよねえ。それって、脅迫、性犯罪だよ〜〜〜」
「さあ! 君、どうする、罪は君が選ぶことができるよ! まずは、有罪か・無罪か」
「有罪か、無罪か、それは重大な問題だ」
「最近ようやくテレビドラマのちょい役で出れるようになったからって、そんなカッコつけてるんじゃなくて、有罪か無罪か、どっちにする?」
「おい、おまえ! そんな馬鹿げた事を真面目に聞いてんじゃない、お前らも、テレビ局の社長に言って二度と表に出れないようにしてやるからな」
「そんな事をいってるけどさあ、アンタを有罪にして世の中から消してしまったら、今、アンタが脅してるの、な〜〜〜んの意味も無くなってしまうんだぜ」
「社長を消したら・・・脅迫・・・なくなる・・・・・」
「何を言ってる! お前がテレビに出れるのは俺のおかげなのを忘れたのか!」
社長の怒号
「う・・・・・・・有罪でおねがいします」
「はいきた〜〜〜〜ゆ〜〜〜〜〜ざ〜〜〜〜い〜〜〜〜」
白い男たちが踊りまくる
「ゆ〜〜〜〜〜ざ〜〜〜〜い〜〜〜〜ぷーぷーぷーーーーーーー」
「ゆ〜〜〜〜〜ざ〜〜〜〜い〜〜〜〜ぷーぷーぷーーーーーーー」
「ゆ〜〜〜〜〜ざ〜〜〜〜い〜〜〜〜ぷーぷーぷーーーーーーー」
「ゆ〜〜〜〜〜ざ〜〜〜〜い〜〜〜〜ぷーぷーぷーーーーーーー」
「さあ、どんな罪を選ぶ、懲役刑から死刑まで、えらび放題だよ〜〜〜〜〜〜〜」
男がメニューを開く、その中にはいろんな罪が書かれていた、その下の方に【死刑】の文字が」
「・・・・・・・死刑でお願いします」
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
男たちは猛烈な勢いで周囲を踊りまくる
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
「し〜〜〜〜〜け〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜」
とその時、真っ暗の天井から輪っかになったロープがおりてくる
「うわっ!やめろっ!お前たち!何をするつもりだ!、おいお前、辞めるように言えよっ!」
そうこうしているうちに縛り上げられた社長はそのロープに吊るされていく
「うゎっ!止めろっ!」
社長が宙吊りになる
「やめろぉぉぉぉぉぉ・・・・・・」
気がつくと部屋の中は誰も居なかった。ここは何の部屋だ?俺は何をしてたんだっけ?
と、ドアが開いてグループのリーダーが
「あーこんな所にいたー」
「リーダー・・・・」
「あん?なにやってんの?社長が呼んでるよ」
「え?社長が・・・・」
「そーだよー、おばさん怒りっぽいから、早くおいでよ」
後ろから来た女性がリーダーの頭をノートで軽く叩く
「こらっ! 誰がおばさんよ!・・・ってか、どうしたの?」
俺ははそれを呆然とした。
「え?社長って、男の人では?」
「あ〜〜はいはい、頼りない二代目社長で悪かったですね、あなたも女より男の方が頼りがいがあっていいって言うの?」
「しゃちょ〜頼りにしてますよ〜〜」
リーダーがおどけたように言って、社長に手をヒラヒラさせる
「ウチは女系家族だからね〜母や私に兄弟がいたらそっちが社長やるかもしれんかったけどさあ、まあこんな女社長だけど、付き合ってよ」
「あ、はい・・・」
「あ、それよりもさあ、君達にテレビドラマの仕事が来たんだよ!時代劇!どう?やるよね!」
「はい! やらせて貰います!」
「はーい決まり! じゃあね。後でテレビ局で打ち合わせするから、急いで!遅刻なしね!」
「いよっ!千両役者ー」
リーダーが茶化す
「やめてよ。もう」
「あははっは〜〜〜僕も出るからさ!頑張ろうぜ!」
「おう!」
玄関に向かう俺達。
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