俺のアイデアを盗んだ連中だ。俺は正義なんだ

阿鼻叫喚の叫び声

渦巻く炎がビルを包み込む

灯油を撒いて火をつけると、火の臭いが彼を包む前にビルから逃げ出した。

「はぁ、はぁ、やってやったぜ! 俺は正義だ!」

彼は1ブロック走ったビルの陰で一休み

と次の瞬間

「はぁーい、天使の裁判所でぇーっす!」

「これは現行犯をさっくり片付ける裁判所だよーーーー」

白タイツのアニメキャラ達が天空から降りてきて、彼を押さえつける

「やっぱり、放火するのは悪いことだとおもうのぉ〜〜〜」

白いツインテールの白いメイド服が踊りながら云う

「だぜっ!、お前のやった事は、悪いことなんだぜっ!」

大きな剣を背負った白いタイツがポーズをつけながら云う

「どうかにゃー、ここで、白黒つけようじゃないかにゃー。といっても白ばっかりだけど、にゃはははははは」

押さえつけられた彼は周囲を見回して言った

「なんだよ、白ばっかりで、もしかして地下のピラミッドの下で十字架に貼り付けになってる口かぁ」

「それ古すぎ」

体にピッタリした白い服を着込んだショートカットの少女がぼそりと云う

「ごめんねぇー受験であんまりアニメ見てなくってさ、慌てて動画サイトで見てるんだよ。」


「なんだそりゃwwww」

「でさあ、君の放火で沢山の人が死んでさあ、これ、確実に死刑だよねえ。」

「何言ってんだよ、連中は俺のアイデアを盗んだんだ!火事で死んだのは天罰だ!」

「あ〜でも、そのアイデアって君が思い込んでるだけでしょう。それ、自分で小説書いてどっかの発表してたの?」

「俺が送ったアイデアをあいつらが盗作したんだよ。俺が証人だ!」

「でも、君の書いたものって誰も読んだ記憶が無いってよ。」

「俺は頭の中でアイデアは完成していたんだよ!、それをあいつらは読んで盗んだんだ!」

「頭の中を読むって?そんな事できるはずはないよねえ」

「あいつらは確かに盗んだんだ!俺は被害者だ!正義なんだ!」

泣きながら彼は叫んだ

「ああ〜君みたいなのは、生きているとまた他の人に危害を及ぼすだろうからねぇ〜」

彼は気がつくと柱にくくりつけられていた。彼の足元には燃えやすい木の枝がうず高くつまれていた

「ど!どうするつもりだ!」

「いや〜君をこのまま放り出すと、また誰かに危害を加えるから、ここでちょっとそれができない程度に」

「火あぶりの刑〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜〜」

「火あぶりの刑〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜〜」

「火あぶりの刑〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜ぷ〜〜〜〜」


足元の木に火がつけられる、木から煙が出て、そして火が木全体に広がる

「熱い!熱いって!何で俺が!」

「大丈夫、今回は死刑じゃないから、死ぬ直前で開放してあげるね」

「ふざけんな!熱い!熱い!たすけて〜〜〜〜〜〜〜」

「君が放火したビルはみんなたすけて〜〜〜って言ってたんだよ〜自分がやったことの意味がわかったかい」

「あああ〜〜〜熱い〜〜〜助けて〜〜〜〜」


気がつくと彼は病院で、包帯でぐるぐる巻きにされてた。

腕や脚の骨や関節がやられ、回復しても満足に歩く事はできない、それ以前に回復するのだろうか?

俺は正義だ、その思いだけが、彼の心の中を行き来していた。


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