第5話 路地裏の少女

第5話


 修一はその暗闇の方へ歩いていくのであった。


 すると、そこにいたのはとても傷ついた少女の姿であった。その少女は、年齢は10代、髪は赤髪のボブヘアー。傷ついた姿はとても痛々しい様子だったが、それを超えるくらいの美しさだった.....


 修一は戸惑いながらもその少女に声をかけてみた。


 「大丈夫?」


 正直、生きているのかもわからないくらい荒れ具合だったのでとても心配だった。


 「んーー、んー。」


 修一が声をかけるとその少女はとても唸っていた。だが意識はあるみたいだ。


 「大丈夫か?」


 修一はもう一度声をかけてみた。


「んーー、ん、誰かいるの??」


 少女は苦しそうに話していた。


「ああ、ここにいるよ、どうしてこんなところで倒れてるんだ?」


「い、いや、私は..........」


そこから少女の返答はなかった。

気を失ってしまったのだ。


 修一は少女の存在が気になってしまい、その少女を抱えて助けることにした。だがこの街に病院のような場所があるのか心配だった、まずこの街に来たばかりでどこに何があるのか、全く把握していないし、この街に入って2人目のコンタクトがこんな少女だと思いもよらない。唯一の助けは、『ヤコ』しかいないと考えたのだ。 

 

 修一は、少女を抱えて、ヤコの店に戻っていった。実際ヤコとお別れしてからこんなにも早く会いに行くとは思ってもいなかったのだ。


「はぁ、はぁ、こんな遠かったっけな....」


 とても疲れている様子


「お、あと少しだ!!」


ヤコの店にたどり着いた。


「ガチャ ガラガラ、ヤコさん、すみませんー」


修一はヤコの店に入っていった。


「おおお、なんだ、随分と早いなーどうしたんだ...... ん? なんだその少女はどこから拾ってきたんだ???」


「いや、少し先行った所の路地裏で倒れているのを見かけて、心配になって助けたんです。

ですが、この街に来たばかりで、病院なども知りませんから、唯一の助けがヤコさんだけなんですよ。」


「あーー、そういうことか。わかった。裏で見てやる。」


「ありがとうございます!!助かります!」


修一とヤコは店の中に入り、ヤコの寝室のような場所に少女を寝かせた。


「ごめんなさい、ご迷惑をおかけして。」


「いやいや、いいとも、お前みたいなやつはこの世界では珍しい。こんな少女が普通路地裏で倒れていたら、助けもしないし、もっとひどいと奴隷商に売り飛ばされるまであるぞ。」


「奴隷商??? そんなものがこの世界にあるんですか?」


「ああ、前の犯罪の記憶はなくても商売の知識とかは残ってるからな、だから悪いこと考える奴がたくさんいるんだよ。」


「そうなんですね。この子、どこからきたんですかね。」


「わからないな、でもこんな子見たことないな。俺が知ってるのは盗賊の女集団くらいしかこの世界で女はあまり見たことがない。あとは奴隷として働かせられてる女だけだな。」


「この子も元奴隷として働かせられていて、逃げてきたっていう、線もありますかね?」


「んー、だとしたら相当厄介なことになるぞ。」


「なんでですか!!?」


「もしこの子が逃げ出したとしたら、主人はいまも探し回ってるはずだ、奴隷を支えてるやつって言ったら相当、極悪非道なやつが多いからな。」


「本当ですか。。。。」


修一はその時、最初から(相当厄介なことにまきこまれた) と感じた。


「まあ、でもわからないからな。この子が起きてから聞いてみるしかないぞ。」


「そうですね。」


「とりあえず、お前どこも行く当てないだろ?」


「はい.......」


「なら、少しの間ここで過ごしてくといい!

ちょうど一つ部屋空いてるから! なんもないけど、大丈夫か?」


「いやいや。何もなくても、本当にありがたいです。この世界にきて、どこにもいくあてありませんし。甘えさせていただきます。」


「おお!わかった!!」


修一は『ヤコ』に言われ、少しの間部屋を貸してもらえることになった。この世界にきてどこにも行くあてがなく、とても救われた様子だった。


「この子、目覚ましますかね?」


「まあ、このくらいの傷だったらすぐ治るだろ。 気絶してるだけみたいだしな。」


「そうですね。様子をみましょうか。」


 修一とヤコは少女が目を覚ますまでここで匿うことになった......





⭐️お待たせいたしました! 最近忙しくて書けなくて、毎日投稿目指していたのですがやはり難しかったです!

これからも応援よろしくお願いします!😊😊

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