第4話 暗い街

第4話


 修一は、この世界にきて、ここで起こっている問題と状況が少し分かった気がした。


 「そうですね。記憶がないからこそ、犯罪者というレッテルにしがみつくしかないんですね。だからこの街はこんなに荒れているのですね。」


「そうだ。まだおれはマシな方だよ。

 『前、犯罪者だった』って、だけで、頭がおかしくなってる連中が沢山いるんだ。それはそいつに残ってない記憶が原因だ、記憶さえあればここに来たのは新しい機会があり意味があるって思うが、記憶がなかったら、それすら意味をなくしてしまう、そんな世界だ。」


 この世界で起こっている出来事は、簡単な話じゃない。何かの犯罪を犯してここにきたとしても、その犯罪を犯した理由があるはずだ。その理由すら忘れている人たちは、ここに来て生きる術を見失っているんだ。


「そうですよね......」


 修一は、なんて言葉を返していいのかわからなくなるくらい、深刻な状況に陥った。


「だが、お前みたいなタイプはとっても異例だ。みんな何をしてここに来たのか聞き回っていたが、ほとんど記憶が残ってないから過去のことなどどうでもよく、それぞれの直感で生きている。まさか、お前みたいに記憶が残ってるやつが居るとは思わなかった。」


「はい。私は、どうやら残っているようです。」


 修一はこのとき、マエンの存在と何をしにここに来たのか〜

などの説明はできなかった....


 「まあ、お前は記憶があるし道を踏み外さないでくれよ。」


 「わかりました。 また何かあったら、ここによって話にこようと思ってます、最後にお名前をお伺いしても?」



 「おれの名前はヤコだ!またこいよ!



「ヤコさん!ありがとうごさいました!!」


  ガチャ ガチャ 


 修一は店をでた。最初に出会った人がとてもいい人で安心している。


 「いや、よかった。最初は怖い人だと思ったけど、とってもいい人だったな。記憶がはやくもどったらいいのに....... 」


 マエンがこの世界におれを送ったのは、状況を変えさせるためにこの世界におくったのか、と考えた。


 最初に送られた世界が犯罪者たちの集まりだがその、ほとんどに前の世界の記憶がなく、この世界にも神のような人物が存在していることがわかった修一は、色々と考えた。


 まずこの問題の鍵を握っているのは、この世界の一番上のものであり、まずそいつにあわなければいけない、と考えた。


 修一は街中をあるいていた。荒れ果てた街の姿は歩いても何も変わらない。


「どこまでこの景色が続くんだろう。」


 何も気にせず歩いていると暗闇の方が気になった。

 暗い路地裏の方で人の気配を感じたのだ....

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