第6話 街案内

 

第6話


 修一とヤコも休むことになり、この世界にきての1日目がおわった。


 修一が目覚めた時、少女はまだ目を覚ましてはいなかった。まだ時間がかかりそうなため、ヤコに街中を案内してもらえるように頼んだ。


 外に出ると、昨日よりもたくさんの人がいた。だが、獣のような姿をしている人間もいる。やはりこの世界は異世界であり、人と色々な種族の物が共存して暮らしている世界なのだ。

 自分が住んでいた人間界とは違う世界なのだと、実感した。


  ヤコは、この町では顔が知れている存在らしく、いろいろな人に声をかけられる。


「おおお!だれだ〜そいつは、新人か?見たことねぇ顔だな〜」

 

 街にいるものに声をかけられた。


「ああ、新人だ、少しの間面倒見ることになったんだ!」


「お前も物好きだな〜」


「あははは...」


ヤコは苦笑いしていた。


 「この世界は、悪い人ばかりではないんですね。」


 「ああ、普通に更生して暮らしてる奴もたくさんいるぞ、だがこの街の裏はかなり汚れてるがな。」


「そうなんですね。」


 この街は、悪い人ばかりではない、記憶がなくても元いた世界のように、ヤコさんのように生活している人もたくさんいた、だかヤコさんが言う街の裏とは何か悪い裏の組織などが動いているに違いない。


「おい!!!そいつを捕まえてくれ!!!!」


 前から走ってきたのは中年の男。何かを持っておいかけられている。その様子だとおいかけている人が何かを取られて、その男を追いかけている様子だ。


 おおい!そこの二人。そいつを捕まえてくれ!!!」


「どうしますか、ヤコさん。」


「おお!とりあえずおいかけてやるか!」


「おおい。まて!!!」


 その男は路地裏の方に走っていった。


 少しするとその男はいきなり走るのをやめ足を止めた。


 何か様子がおかしいと思った。


「おおお!諦めたか、さあ、何取ったか知らないが返してもらおうか。」


 後ろから追いかけている男もやってきた。だが何か様子がおかしかった。


 修一は小声でヤコに話した。


「ヤコさん、何か様子が変ですよ。」


「なんでだ?」


 追われている中年の男と追いかけていたやつが笑っていたのだ。


「ヤコさん、逃げましょう。挟まれてます。」


 そこは細い路地だった。前には追われていた男。後ろには追いかけていた男がいて。挟まれている状況だった。

 二人は加害者と被害者のふりをしていて修一とヤコをはめようとしていたのだ。


 路地に入った時にはもう周りに人の姿はなかった。なので、助けを呼んでも誰も来ないし、人目にもつかないのだ。


 修一はこの時、罠にはまった。とおもったのだ。


「 へへへっ、おまえら馬鹿なお人好しだな〜、おれらはそういう奴から金やら高価なものをうばってるんだ!!! 」


その時の表情はとても汚く、本物の犯罪者の目をしていた。


「 おまえは酒屋のヤコじゃねえか、そっちの兄ちゃんはしらねーけど。おまえ金持ってんだろ?あるもの全部置いてけよ。」


 その人たちはヤコのことを知っている様子だった。


 ヤコはその二人に言われても黙り込んでいた。ヤコは知らないようだ。しかしヤコの様子もおかしかった。


「なーに黙り込んじゃってんの?ビビってんの?」


 二人はヤコを挑発し続けていた。そしてヤコを煽るかのように挑発している。


「ヤコさん逃げましょう。前のやつ突破すれば逃げられますよ!」


「ちょっとまっとけ。」


「え....」


 ヤコは怒り狂って顔をあげた。とても怖い顔をしていた。殺気と言葉で言い表せられない怖さだった。

 

 「な、なんだよ?おまえ!やんのか!」


  その二人は少しおびえながらヤコに話しかけた。


「あ???」


 その瞬間ヤコは相手の方に走っていった。


「なんだ、こいつ、うぁ、、、」


 ドゴッ 


 敵のうち一人を殴り始めボコボコにした。敵のもう一人もヤコの方に殴りかかりにいったが、返り討ちにされそいつもたおされた。


 ヤコさんは元々なにものなんだ?強すぎる。前の世界で喧嘩とかしてた人なのかな?まあ外見はそんな感じだけど。こぇぇ。敵にしなくてよかったー。修一は心の中で思っていた。



 盗賊二人は気を失っていくのであった...



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