第二話 被災者たち

――煉獄の島 ノーラグベル・港町ルル


◇カイ

着いたー!!


◇ノア

これで飢えで全滅……

と言うことは無くなったな


◇クロナ

なに!?


◇リンジー

Oh……

動力マキナ

やっぱり壊れたみたいデース


◇カイ

でも、ここまで来られたんだ

よく島までもってくれたよ


だけど、よく見たら船自体も

かなりボロボロだな……


◇リンジー

コレじゃあ、

New動力マキナが手に入っても

次の航海はムズカシイデース……


◇クロナ

じゃあ、船を修理できる

船大工も探さないとだね


◇カイ

ああ

だけどその前に――


◇リンジー

食事デース!!


◇クロナ

お腹いっぱい食べるよ~!!


◇ノア

ノーラグベルは

豊かな森と山に棲む動物の

肉と山野菜の料理が名物らしい


◇カイ

肉!


◇クロナ

山野菜!!


◇カイ

よし!

メシ屋を探しに行くぞみんな!!


◇クロナ

おおー!!


◇リンジー

レッツゴーデース!!


◇アリア

…………


……ありがとう

マキナさん

頑張ってくれたんだね


◇ノア

……?


◇カイ

アリア!

何やってるんだー!


◇クロナ

早く行こー!


◇アリア

はーい!!


◇ノア

…………



********************



◇クロナ

それにしても

ものすごく暑い島だね……

はぁ……


◇リンジー

空腹な上にこの暑さは

体力を消耗するデース……


◇クロナ

大丈夫、アリア?


◇アリア

はい

私は平気です

でも……


火山島って、

どこもこんなに暑いんですか?


◇ノア

火山島ゆえに

一年中、気温が高いと

文献には書いてあったが


まさか、これほどとは……


◇カイ

お!

あそこにメシ屋の看板があるぞ!


◇クロナ

わっ!

でも、すごい行列だよ?


◇リンジー

それだけニンキの

デリシャースな料理が

出てくるお店なんデースね!


◇ノア

いや……

そういう雰囲気でも無いぞ


見ろ、帝国兵がいる


◇クロナ

え?


◇帝国兵

順番に並べ!

全員分、きちんと用意してある!


◇女性

兵士様……まだでしょうか……

娘が……


◇少女

ママ……

お腹がすいたよ……


◇帝国兵

もうすぐだ

つらいとは思うが

我慢してくれ


◇カイ

いったい、なにごとだ……?


◇老人

あんたら、旅の人かい

こんな時期に来るとは、

不運だったね……


◇クロナ

え、

どうして?


◇老人

噴火だよ


◇カイ

噴火!?


◇ノア

待ってくれ!


確かアグニボロス火山は

古代遺跡のマキナに制御されて

噴火することは無いと文献に――


◇老人

ああ……

10日前までは、な


◇カイ

10日前……


◇ノア

遺跡のマキナに

不具合でも出たか……


◇老人

そうなんだろうな

なんせいつからあるかわからん

古代遺跡のマキナだ


被災者が多く出てな

おかげで島全体で食料制限が

かかっておる


まだ三度の食事はできるがな

それも、いつまで持つか……


◇リンジー

No!

ワタシタチは腹ペコなんデース!


◇老人

まあ、この列に並んでおれば

そのうち食事にはありつけるさ


腹一杯になるかは

わからんがな


◇クロナ

はぁ……

本当に不運……

大変な時期に来ちゃったね


◇ノア

それでも、

あのまま餓え死にするよりは

マシだ


待とう


◇クロナ

そうだね


◇カイ

…………


◇ノア

兄さん?


◇カイ

あ、いやなんでもない


俺たちも並ぼう

まずは腹ごしらえだ


◇クロナ

はーい


◇リンジー

ハリアーップー……

プリーズ、ご飯デース……


◇カイ

(10日前……

空に穴があいてから

すぐ……か)


(まさか関係ないよ……な)



To Be Continued……

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