第2話 超能力……?

家に帰ってきてからやっと気付いた……


俺は……超能力が使える……!


今日学校で聞こえた声は、きっと心の声。


俺はテレパシーが使えるようになったのだ!


俺が喜びに打ち震えていると、誰かがドアをノックして話しかけてきた。


「お兄ちゃーん、ご飯できたよー」その声は妹のものだった。


いい機会だ。テレパシー能力を試してみよう。


「おい妹!ちょっと来て!」俺はそういい、下に降りようとする妹を引き止めた。


「なに?」といい、ひょいっと扉から顔を出している。


俺はちょいちょいと手招きして妹を部屋に招き入れる。


「なに?」2回目のなに? がきた。妹はなんだか不機嫌そうだ。


お腹が減っているんだろう。早くすましてあげよう。


「ちょっと待ってて」俺はそういい本棚の上段にあるトランプを手に取った。


「マジック見せてやるから!一回だけ付き合って!」


俺はそういいトランプを手に挟む形で手を合わせる。


妹はコクコクと頷いているが、その瞳の中には不満があった。


俺はトランプの束を適当にシャッフルし、床に投げ広げる。


妹はなんだか斬新なマジックに少しだけ目を輝かせていた。


「適当に一枚選んで、そのカードを当てる。」


俺がそういうと、妹は悩みに悩んで自分に一番近いカードを選んだ。


それめんどくさいからって理由じゃないよね? 


「それね?じゃ俺に見えないようにそのカードを確認して?」と俺がいうと、


俺の言葉通り妹はカードを確認してから、okという意味なんだろうか、コクリと頷く。


「じゃあそのカードを頭に強く思い浮かべて」


俺がそういうと妹はなんだかぽけーっとしている。


本当に強く思い浮かべてる?


「それ本当に思い浮かべてる?」


どう見ても思い浮かべてるように見えないので俺がそう聞くと。


「やってるよ!」っと少しキレ気味に言われてしまった。怖いよ。


俺が本当にテレパシーを使えるとしたら、


妹の考えてることなんてお見通しだ。


ーーん? なにも浮かんでこない。


「えっと……は、ハートの三! 」


俺は妹の考えを読み取れなかったので、適当な数字を言ってしまった。


「違う。スペードの五」妹はそういい、トランプをそそくさとしまってしまった。


「ごはん冷めちゃうよ」そう言う妹の顔はなんだか少し微笑んでいるように見えた。


「あ、あぁ……」


俺は妹に襟を引っ張られ食卓に運ばれた。

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