第4話 狭い世界 1
「あ〜teruki!カッコいいなぁ〜。」
朝から女性誌の後ろの方のページを見ながらキャピキャピする山本先輩。先輩は輝樹の強火ファンだ。イベント、書籍、ドラマのチェックは欠かさず、芸能人としての彼の知識量では太刀打ちできない。
「この人が元カレとか一生結婚できなさそう。」
もちろん私と彼の関係は知っていた。初めは隠していたが、先輩がどんどんファンになっていき罪悪感に苛まれカミングアウト、その瞬間両手を握られ涙目で飛び跳ねられたのは忘れられない。
先輩は忠実なファンらしく、本名、家、どんな人なのか、私には決して聞かない。そんなズルはしたくないらしい。いまだに私達があっていることも知っていて、友達として日々心配されていた。
「また合コンしないとね。」
あまりネガティヴに輝樹の話をする事はないが、恋沙汰から離れ元カレの呪縛の中にいる私に目も当てられないらしい。
「とりあえず、今日は友達おすすめのバーね。」
先輩はそう言って私の肩を叩く。始業時間だ。
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