第13話 川完成or熊住居完成 5日目(夕)
そこに映し出された光景。
それはもはやモンスターと表現していいのかもしれない。
暴れる水の塊が、俺様に向かって戦いをふっかけようとしている。
命を賭けて川よ、お前ら川は俺様に納められる。
俺様の周りでまるで土が呼吸をしているように、土魔法が発動していた。
マジカはすべてを消費する事となり。
頭の血流が暴走しだし、苦しみの中俺様は戦い続けていた。
空気を求める俺様の肺は、いつしか空気を吐き出す肺になっていた。
生きているのだ。
そして、でこぼこだったため池は、綺麗に四角い形になっていく、どんどんとまるで心臓が爆発しそうになりながら、
ゆっくりと俺様は地上で這い上がる。
巨大熊たちはこちらを見て遠吠えのようなものを上げている。
肩にいる魔法猫はすやすやと眠っている。
四角い形に変形させた土魔法。
その役目は、深く掘った土には、粘土が含まれている。
それも昔祖父が教えてくれたものだ。
この異世界も同じ原理である証拠なんてない。
だけど祖父を信じてみた。
するとそこに確かにあった。
そこには粘土があったのだ。
土魔法で粘土を創造しまくり。
粘土を固まらせる事により、石材と同じ役割となる。
その結果、川は土を侵食する事はない、粘土を侵食する事はあるかもしれないが、
土よりかはいくらかましだったと思う。
全てが終わると、
俺様はそこにぶっ倒れる。
グリドリーとグマドリーが俺様のほっぺたを軽く叩いた。
よくやったよとグリドリーとグマドリーの夫婦が褒めてくれた気がした。
この伐採地区からは居住区地区は近かったりする。
居住区地区といっても建物はほとんどないのだが。
まずは川製作が完了した事を納得して、そもそも川製作は本来の仕事にはなかったのだが、まぁそういうのもわるくない、周りにはウィングタイガー40体と巨大熊20体とグリドリーとグマドリーがいるだけで、みんなで歩き出して本拠地に戻ることとなり、そもそもRPGとかでこの大群が歩いていたらもはや恐怖そのものだなと心の中で笑ってみせた。
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住居製作
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巨大熊とウィングタイガーと獣人熊のタグマさんと森林獅子のシシさんたちとの顔合わせはあまり心配していなかった。
同じアギトという主の元で頑張っていくという目標は変わらず、彼等はすぐに打ち解けた。1人を除いて。
テスさんが採集を終えて戻ってきた。
背中の大きな籠には沢山の果物と野菜と薬草とキノコが入っている。
巨大熊たちとは打ち解けているみたいだ。
ウィングタイガーとシシだけは恐怖のあまり後ろに下がったりした。
威嚇の鳴き声を発したり。
テスは涙目をしながら、訴えかけてくるのだ。
「アギト~あいつらうちのこと嫌いみたいだよ~」
「あれだ。果物で手名付けてみろ」
「はいさ~」
それから1時間が経過すると、テスはにこにこしながらやってくる。
「なんとかウィングタイガー1体だけと仲良くなったよ~」
「そ、そうか」
どうやらウィングタイガー全てと仲良くなるのは程遠いい話のようだ。
最後の壁となるシシさんが待っている事に彼女は気づいていなかった。
俺様は現在石材を調べている。
その数は巨大な石が10個あった。
材料的には全ての居住区を造っても余りがくるくらいだろう、それだけ巨大な石なのだ。
現実世界で説明すると全部で体育館1個分くらいある。
なぜそのような事になったのかというと。
シシさんが持ち上げた石がとてつもなく大きかった事だ。
居住区となる場所にてどのくらいの居住区が作れるか建設スキルを発動させてみる。
どうやら製作する時は材料置き場にさえ置いておけば、まるでゲームみたく積み上げる事によって自動製作されるみたいだ。
巨大熊20体分の洞窟は1個だけでよさそうだし、崩落しないように石で補強しつつ、あとは土魔法でなんとかしてみようと考えている。
まずは巨大熊の根城から製作する事にした。
まずは建設スキルでイメージしつつも、
目を開ける。
するとそこには立体系の設計図が出現している。
石ころが必要ですというマークがついている。
まるでゲームみたいなものだと思いつつも。
石ころを嵌めていく、
すると石の洞窟が完成する。
それもめちゃくちゃでかいし、
素材置き場にある巨大な石はこの建設スキルの時は分離も解体も出来るみたいで、大きさは自由だった。
あとは周りに土を補強してあげて、周りから見たら自然な洞窟に見えるようにする必要もある。
あとはタグマさんに自由に穴掘って広げてくださいと伝える事を忘れないようにしつつも。
俺様は土魔法を発動させる。地面の土がうねりを上げて、まるで念力者のように土を動かす。少しずつマジカが減っていくのを感じつつも。
そこには巨大な洞窟が出来上がっていた。
かくして獣人熊のタグマさんと巨大熊20体とグリドリーとグマドリーの洞窟が完成した。
魔法猫はにゃーと呟きながら、むにゃむにゃと肩の上で眠っている。
「お前は本当に気楽だよな」
「そういうものだにゃ、猫って」
「そうかもな」
そのあと獣人熊のタグマさんとグリドリーとグマドリーと20体の巨大熊を呼んだ。
すると彼らは涙を浮かべて感動のあまり騒ぎたてる。
まるで熊祭りでも始まるのかというくらいだった。
彼等は洞窟の中に入ると、うきうきしながらでてくる。
「結構な広さにしましたし、人数が増えたりすれば、もっと穴を掘れるように土魔法で下部は柔らかくしておきました」
「何から何までありがたい話じゃ、この御恩は絶対に返します。このわしにできる事はなんなりと」
「全然気にしないでください」
「ではそうしよう」
「やっぱり少し気にしてください」
「気にしよう、それでウィングタイガーたちの根城はどうするつもりなんだ?」
「そこなんです。熊は洞窟ってイメージはありましたけど、タイガーのイメージが」
「伝承によるとウィングタイガーは木々の上で暮らしているとされている」
「なるほど、木々の上ですか」
俺様はじっくりと考えながら。
沢山ある伐採した大木たちを見ている。
大木と大木を上手く合わせて、
まるでアトラクションみたいな住宅が出来れば。
歩きながら考え、住居地区に到達すると、
建設スキルを発動させる。
そこに写っていたウィングタイガーの根城、そして森林獅子の根城となるべく。
大木住宅製作を始めた。
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