第5話 生きている亡霊 4日目

 今日も俺様とグリドリーは伐採仕事に精を出していた。

 伐採しながらなるべく果物の木々は両断する事はせず、あとで植え替えでもしようかとおもっていた。


 ちなみに果物は数十個収穫しまくった結果。

 沢山の量になった。

 残念ながら100個くらいのバリンがあったとしても、グリドリーが1週間をかけて全て食べてしまうだろう。


 何かしらの食物を採集してくる仲間が必要だと思っていた。

 しかしエアロフーバという島には人間ではない生き物がいるとされている。

 これは猫師匠が教えてくれている。


 人間がいるかは分からないとされており、どっちかと言うといないほうが可能性が高いらしい。


 と言う事はよく小説とかで出てきたエルフとかドワーフとか、はたまたゴブリンとかオークとかでもいるのだろうかと、少年と青年の狭間にいる俺様は考えていた。


 制服はぼろぼろになっている。


 ワイシャツにいたっては土で汚れ切っている。


 衣服だって製作していく必要があるだろう。


 俺様は頭を押さえて苦しんだ。


 色々とやる事が山積みになっている。


 気づくとこういう事がとても楽しく感じてきたのだ。


 これが生きているという証拠なのだろうかと、思い始めていた。


 グリドリーとの伐採を終えると太陽の位置から昼時だと察する事が出来る。


 とても眩しい太陽はこちらを覗き見る神様だとしたら、親指を突き上げて、にやりとほくそえんでみよう。


 グリドリーと猫師匠が黙って黙々とバリンを食べている。

 このバナナの形をしたリンゴのようなものの果物は、現実世界の日本でも食べたことのない味だった。

 自分の分を食べ終わると。


「少し散歩してくる」


「気を付けるにゃ、この島には色々と危ない生き物がいるにゃ」

「了解した」


 かくして俺様は島の探検をこの島に来てから初めてする事となったのだ。


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墓場

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 そこは茶色い地面がむき出しになっていた。

 いたる所に石の石碑が沢山あった。

 日本語ではない文字で沢山描かれてあった。


 しまいには骨などが地面から突き出ている。


 そのどれもがやはり人間の骨だった。


 俺様には骨を識別出来るだけの力はない。

 それでも人間の頭くらいは分かるのだ。

 歯の位置だって分かる。


 どこからどう見ても人間だった。


 この薄暗くて、不気味な場所はどうやらエアロフーバが国だったころの墓地だったようだ。

 その墓地は沢山のお墓が並べられるほど広かった。


 ひたすらその墓地を巡る事にした俺様は、なぜか恐怖を感じなかった。


 ここから幽霊とかそういった負の概念みたいなものがすべて洗い流されているような不思議な気持ちになった。


 最後に到達したのは、1つのまっすぐな墓場で、その墓場はとても立派で、とても美しかった。


 その墓場の手前で座っている女性がいた。普通だったら生きている人と出会えて嬉しいとか、同じような人間がいて嬉しいとか、話をしてみたいとかを思うだろうけど。


 その娘の右と左では明らかに形が違っている。

 まるで人体模型のように、


 片方は魂のように半透明でありながら、片方は肉体になっている。


 まさしく生きる幽霊型人体模型だと思った。


 その女性はこちらを見た。


 片方の肉体のほうの瞳はとてもまっすぐだ。

 とても可愛らしいぷっくりとした美少女だった。


 ただし片方の魂の部分は、半透明でありながら、とてつもなく冷徹であり、恐怖を全て吸い取ってしまうものに感じた。


 この墓場に恐怖という概念が存在しないのは、この子が全て吸い取っているからなのだろう。

 

 俺様はそう認識することとした。


 彼女はゆっくりと立ち上がった。


 肉体と半透明の体をうまく支えながら、ごつんごつんと歩く。

 彼女の衣服、生身のほうは狩人のようなもの、そして片方は狩人の半透明の衣服だった。


 魂にも衣服は存在するものだと、この時初めて知った。


 彼女は目の前に到達する。

 片方の綺麗な白い歯を見せて、片方の半透明な歯を見せて、にかりとほほ笑んで見せる。


「うちはテスと言います、この島は初めてですか?」

 

 最初目の前の美少女が話しかけているという事に気づく事はなかった。

 なんだろう不思議な天使に話しかけられているのではないだろうかと思った。

 脳裏によぎったのは、ここが天国なのではないだろうかと。


 沢山の事を考えた。


 だけど目の前にいるのは紛れもなく、半分が死んでいて、半分が生きている美少女なのだ。


 おそらく現実世界の日本で高校生になったらもてもての女子に入るだろう。


「はい、初めてです。この島が無人島になっていると聞いたので、国を作ろうと思いまして」


「う、うそ、本当なの、うううう、やったあああああああ。ようやく生きている人たちと遊べる。毎日亡霊と遊ぶのすっごく辛かったの」


「そ、そうですか」


「うちはこういう身なりじゃない? それにこの島にはうち以外の人間はあまり見た事ないし、エルフと遊ぼうとしたら成仏させられそうになるし、ドワーフだと悲鳴を上げるし、オークとかゴブリンだと逃げるし、多種多様なその他の生き物でもみんな逃げた。おそらく人間だったら逃げないと思って、あなたのような人が来るのを待っていた」


「は、はは、人間でも逃げると思うなぁ」

「そうなの? そっかー理由知りたい? 女の子の秘密知りたい?」

「は、はい、それはもう、なぜ半分と半分が生身と幽霊なのか」

「のんのん、教えてあげるわよ、あれは数百年前だった」


 彼女の昔話はとても長くなるので、

 色々とカットした。


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