もう恋することなんてないと思ってた

なるみ奏

第1話

自分は、30歳サラリーマン

妻は、息子が2歳の時に病死して

しまった。

シングルファーザーになった

自分は、3歳になった。

息子と2人暮ししている。


仕事、家事、保育園の準備

慣れないことに毎日

慌ただしく過ごしている。


「アオごめんまた目玉焼き焦がした」

料理はいつになっても上達しない。

「大丈夫!美味しいよ!」

そんな自分に息子はいつも

優しかった。


「アオ!ヤバい遅刻する

帽子被ってお靴履いてー!」


「シンくん準備OKだよ!」

アオは妻が呼んでいたのを真似して

自分のことをシンくんと呼ぶ。


自転車をこいで20分のところに

保育園がある。

自転車で急いで走っていると

「風が気持ちいね、

いい朝だね」とアオがいった。

アオはたまに大人びたことを言う。


保育園につき、コアラ組の

教室に行くとナナ先生が、

「アオくん!おはよう!」

と元気に迎えてくれた。

「おはようございます。

今日もアオのこと

よろしくお願いします。」


アオはナナ先生にとても

懐いている。雰囲気が

妻に似ているからかもしれない。


「アオ今日はお迎え遅くなるかも

しれない。悪いな」と言うと

「大丈夫!シンくん仕事

頑張って!」とアオは言った。


今日も仕事は忙しく、

癒しといえば、

昼休憩で食べるラーメンくらいだ。


「いつもので!」と言うと

「了解!」とラーメン屋の

おっちゃんがラーメンを

持ってきた。毎日来るので

卵をサービスしてくれる。


最近、この店にはそぐわない

清楚系の20代の女性が

カウンターで1人で食べている。


横顔しか見えないが、

とてもきれいでついつい

目に入ってしまう…

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もう恋することなんてないと思ってた なるみ奏 @narumikaede

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