第5話~山訓練

「セルリアン...?」

「何かのカガヤキを再現したのかな...?まだ指定された場所ではないけど、どちらにしろ放っておくと面倒だから...ここで倒しておこうか」

ナナシと胡蝶はセルリアンに向かって走っていった。

それを遠望からコンとコヨーテが見ていた

「そこそこ大きいな…行けると思うか?コヨーテ」

コンは双眼鏡から目を離しコヨーテに聞く

「さぁ?私も彼らの実戦を見てきてないからね…」

コヨーテは昨日会ったナナシの事をよく見ていた。

コンはその隣で少し長い物を組み立てていた。

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「くぅ…!硬い!!」キンッ!

ナナシのナイフがセルリアンに弾かれてしまった。

「なら!これで…!」

胡蝶はセルリアンの体目掛けて銃を横向きで発砲する。弾はセルリアンの胴体にヒットし、めり込んだが石には届かなかった

「何でへしがセルリアンの中にあるん…ってうわゎゎ!」

ナナシすれすれにセルリアンの鎌のような攻撃が通る、ナナシは後ろに下がろうとしたが石につまずき尻餅をついてしまった

「ナナシ…!これでも…くらえっ!!」

胡蝶がハンドガンの引き金を引くが弾は発射されなかった。

「え…なん…」

胡蝶はセルリアンの体当たりをもろにくらい吹っ飛ばされた

「ぐっっあ!」

胡蝶は数メートル転がってしまった…

セルリアンがナナシを取り込もうと近づいていく…

「ワイルド!コヨーテエコー!!」

突然に聞こえる大声と共にセルリアンの石付近の一部を破壊した、それと共に発砲音が聞こえセルリアンの石に弾丸が突き刺さる。

パッカーン!

ナナシは立ち上がり自分の前に立った人物を見て驚いた

「…コヨーテ!?(さっき技名でめっちゃ言ってたけど!)」

「ナナシ!大丈夫か?」

コヨーテはナナシに問診する。

胡蝶の方にはコンが来た

「…コンさん…何で弾が出ないんですか…」

コンはナナシから銃を受け取りスライドを一度動かす、するとピーンという音と共に薬莢が排出された

jam弾詰まりだ」 

コンは銃を胡蝶に返す

「へ?」

胡蝶は頭に?を浮かべてままコンを見上げる

「弾詰まり、お前が選んだ銃はSIG SAUER P320を原型としたストライカー式の隊オリジナルのカスタム銃だ、口径を少しいじくったりした程度だがな、まあそれは良いとして」

ボウシは取りあえず胡蝶に手を差し伸べ立たせた

「あ、ありがとうございます」

コンは頷き話を続けた

「いいか、お前の銃オートマチックはどんなに手入れをしようと、点検をしようと1000発に一発くらいは弾詰まりが起きる」

胡蝶はを相槌を打って聞く

「これは防ぎようの無いことだ、それと、銃を横向きで撃つなジャムの要因となる、以上!以後気を付けるように!でも、初めての実戦であそこまでキビキビ動けたのは良かったぞ、」

「エヘヘ…ありがとうございます」

胡蝶は少し笑いながら敬礼をした

コンは頷いてまた、山を登り始めた

胡蝶もその後を追った

(やっぱ銃…変えようかな)

と考えながら 

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~一合目~

メガネが数人の白衣を来た職員と共に火口に器具を垂らしていた、そこにコン達が到着する。

「どうだ?終わったか?メガネ」

コンがメガネに問う

「いや…全くもって終わってない、なんか中和とフィルターの掃除に時間がかかりそう…」

メガネは眼鏡をクイッとあげタブレットを皆に見せた

「これは…ドローンの映像?」

ナナシが真っ先に当てる

「その通り!んで、ここを見て、」

メガネがタップをするとそこが拡大される、そこには防護服を着た集団が火口に降りていくのが映っていた

「ウチの研究員なんだけど、なんかサンプルの調査とかなんだとかいって中々終わらしてくれないんだよ…」

「はぁ…全く面倒臭い…」

コンは頭を抱えて取りあえず着陸されたヘリに皆を向かわせることにした。

~道中~

コン達が少し下山してると、事態隠蔽部隊の訓練生が登山してきた。

その訓練生の中で何かに気付き大きくて手を振るフレンズがいた。

「ねーさん!ねーさーん!」

そのフレンズはコヨーテに駆け寄って来た

「あっ!コヨーテ!」

とコヨーテがそのコヨーテのフレンズに呼びかけた。(ややこしいな)

「えーとコヨーテって姉妹だったんだ…」

ナナシが驚きながら聞く

「オレとねーさんは生まれはアメリカ、育ちはねーさんの方がここジャパリパーク、オレはアメリカだよ!」

と笑いながら元気よく、回答をする

(容姿は姉コヨーテは旧デザ妹は新デザです)

「ちょっと…元気が過ぎるが…まあ、私の唯一の家族だ、」

コヨーテがコヨーテ妹をなでながら言う

「おっ!コンじゃん!ヤッホー!」

後ろから事態隠蔽部隊、隊長カミーラの声が聞こえる、恐らくコヨーテ妹を探しに来たのだろう。

「はぁ、カミーラか…」

コンは一応挨拶をしといた

「ウチの隊のコヨーテが迷惑かけた?」

カミーラがコヨーテ妹を見ながら聞く

「いや、そんなことは無い、もっと言うと姉妹が久しぶりに会えたからウチのコヨーテも嬉しそうだし、万事問題なしだな」

コヨーテ姉はビクッとして少し妹から視線を逸らした

「んじゃあそろそろ私達も山頂に行くわ、じゃあねコン!」

カミーラが山頂に向かって走り出すと

「あっ!待ってよ!カミーラ!!」

とコヨーテ妹も走って追いかけていった。

「…さて、俺達は演習の醍醐味をやるとするか…」

そう言うとコンは出来るだけ平らな土地を探し、その土地に円を足で描いた。

「…?」

「一体何を…」

とナナシと胡蝶は頭に?を浮かべる

コンとコヨーテはニヤリと笑いながら宣言した。

「今から行うのは…」

「対人演習!!」

『な、何だって~!!』

ナナシと胡蝶は声を揃えて言う

ルールは至ってシンプル、円の中で対戦相手を無力化すれば良いらしい、一応銃はエアガンナイフはゴムナイフでやるが市販されているエアガンやゴムナイフよりも威力が高かったり、刃が硬かったりする。

「まぁ…常識的に考えてフレンズと人は基本的に釣り合わないからナナシとコヨーテ、胡蝶と俺だな、これでいいか?」

「ちょちょっと待って下さい!!」

胡蝶が急に大声を出した

「ん?どうした?」

「僕とコンさんで釣り合うわけありませんよ!!」

胡蝶は全力でコンと戦うのを避けている

「…わかったハンデだ、お前は麻酔銃を使え、弾速は実弾と同じぐらいだ、俺はゴムナイフで充分だこれでいいか?」

胡蝶は渋々OKをした。

胡蝶とコンは円内に立ち、コヨーテがカウントを始める

「それじゃあ!5…4…」

コンがゴムナイフを回しては止める

「3…2…」

胡蝶が麻酔銃に手を掛ける

「1…0!!」

胡蝶が麻酔銃をホルスターから取り構える コンは胡蝶にかなり近づいて来ていた

(単調な直線移動…これなら!)

胡蝶は一発で決めるつもりらしい

そして次の瞬間、胡蝶は引き金を引く、しかし、コンはそれを横ステップで避け、胡蝶に更に接近する、その距離僅か2m

(クソッ!二発目を…!)

胡蝶はもう一度引き金を引こうとしたがコンが銃を一瞬で奪ってしまった

「なっ…!!」

「まだまだだな…拳でも良いからかかってこい!!」

コンは大声で言う

「これでも食らえ!!」

と言いながら胡蝶はコンにパンチで飛び掛かる、しかし、空中で腕をつかまれ地面に叩きつけられた

「ぐっ…!」

「胡蝶!諦めるな!」

その言葉が効いたのか胡蝶はコンに一発パンチをかました。

「ぐっ!やるな!胡蝶!」

「まだまだ行きますよ!」

胡蝶は今度は回し蹴りを出した、しかしこれがミスだった、コンに足を流され背中を見せてしまったのだ

(まずい!ぐっ…首を…!)

コンはその隙を逃さず胡蝶の首に腕を回し、ゴムナイフを首に突き立てた

「試合終了!勝者コン!」

胡蝶は開放されコンの前に立つ

「良いパンチだガッツを見せたな…」

「コンさんこそ…銃をあんな一瞬で取るなんて予想外でしたよ…」

それからお互いにお互いの拳闘を褒め称えた。

「じゃあ、やろうかナナシ」

「うん…」

ナナシとコヨーテは戦闘体制を取る

「良いか?野生開放は禁止だあまり相手を傷つけるのは良くないからな…」

コンはそう言いながらカウントを始めた

「5…4…3…2…1…0…スタート!!」

ナナシがまずは爪で先制攻撃をするがそれは一瞬で防がれた、更にコヨーテは開始位置から一歩も動いていない

(今確かに弾かれたでも一体なにで弾かれたんだ…)

ナナシもう一度爪で攻撃を仕掛ける、しかしまた、弾かれてしまった。 

「ナナシ…フレンズ本来の武器だけじゃ勝てないぞ?」

コヨーテはニヤリ笑いながらあの防御の種明かしをした。

「私が使っていたのはサバイバルナイフ…コンのナイフとは少し違うナイフだ、本来は戦闘用に作られた物じゃ無いけど…耐久性に優れているからフレンズの硬い角の攻撃も刃こぼれせずに止めることが出来るんだ!」

コヨーテはそう言いながらナイフで攻撃を仕掛けてきた、ナナシはそれをとっさに抜いたナイフで受ける。

「因みに…君のナイフはダガーナイフ、投げ物とかに良く使われる奴だねっ!」

そう言いながらコヨーテは激しい斬撃をナナシに浴びせる、ナナシはそれをブロックしながら少しずつ後ろに下がる

「ふぅ…そろそろですね…」

ナナシはおもむろにニヤッとしながら呟いた

「そろそろって…!!」

次の瞬間ナナシはエアガンを構え、コヨーテに向かって弾をばらまいた

「クッ!!」

コヨーテは数発ナイフで弾き、後ろに飛んで下がった、ナナシはそのチャンスを逃さずナイフを突き刺す姿勢でコヨーテに飛び掛かる、コヨーテはそれをナイフでブロックしたがお互いに場外に出てしまった。

「試合終了!場外により、引き分け!」

ナナシとコヨーテはナイフをしまい立ち上がった。

「ナナシ…中々に素晴らしい攻撃だったぞ!」

「コヨーテこそ…何なんだよあの爪を弾いたナイフ…全く見えなかった…」

コヨーテとナナシは戦闘の反省点をあげていた。

すると山頂方面から声が聞こえてきた

「コンー!終わったよ!!帰って良いって!!」

メガネがそう言いながら手を振っていたのだ

「よし、今日は早めに基地に帰って全員風呂だな…」

「ぜ…全員!?」

コンが言った言葉に胡蝶が反応する

「んぁ?どうした、胡蝶?…あ、全員は勿論男女別だから安心しろ」

「えっ…それは残、ゲフンゲフン安心しました!!」

胡蝶が笑顔で言う、まあ思春期だもんねしょうが無いね。

その後全員でヘリに乗り、基地へ帰投した。

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~セルリアンハンターズ、大浴場~

胡蝶が湯船につかるとそこにはコンがいた

「よぉ…胡蝶、調子はどうだ?」

「えぇ…まあ、そこそこです」

コンは少しのぼせたのか少し立ち上がり、 湯の中の台に腰掛けた。

「あ、あの…コンさん…」

胡蝶が何かに気付きコンに声を掛ける

「ん?何だ?…あぁこれか…」

コンは察したように体の幾つかの傷跡を指差す。

「えっと…そうなんですけど…あの…少し失礼かも知れませんが…それはいつ出来た物なんですか?」

胡蝶はえらく丁寧に聞く

「…これは俺が訓練生自体の時に一度大型セルリアンに出くわしてその時にボロボロになって出来たもんだ、コヨーテもその時居て、顔に傷がついたんだが、フレンズだからか傷跡は幸い残らなかった…」

そう言いコンは天井を見上げた

「もしかして…」

胡蝶は自分の方向いたコンを見てニヤッとする

「コヨーテさんの事好きですか?」

コンは表情を変えずにこう言った

「好きではない…ただ…ただ守りたい存在だな…アイツと俺はお互いがお互い、足りない所を補っている、片方だけが居なくなるなんて事があったら俺は恐らく立ち直れなくなるだろう…」

コンはそう言うともう一度湯船に肩まで浸かった。

「そうなんですか…」

胡蝶は口頭ではそう言ったが、内心は自分の考えでいっぱいだった

(僕とナナシはどうだろう…恐らくナナシは僕を守ってくれている…僕はナナシに何をしてあげていられるんだ?わからない…でもなんだろう…)

胡蝶はウーンと腕を組みながらうなっていた

「…胡蝶、聞け」

コンがおもむろに口を開く

「お前はナナシに何をしてあげるか、しか考えていない、それは大きな間違いだ、俺はお前達の事を少々調べて、色々見た総合的な判断だがお前はナナシの心の支えになっているのかも知れん…」

コンはそう言うと湯船から上がった

「その事を考慮してナナシがお前にとってどんな存在か考えてみろ、良いな?」

ナナシはコクリと頷いてコンを追いかけた。

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~寮、集会室~

『頂きます!!』

隊の全員(5人)が手を合わせメガネの手料理に手を着けようよする。

「じゃあ皆!今日は食堂が開いてなかったから僕の手料理で腹を満たしてくれ!」

メガネが用意した物はチンジャオロースーとサラダとご飯…ぱっと見誰でも作れそうだがチンジャオロースーに隠し味を入れている為に無茶苦茶美味しい。

「う…美味い!」

「ほんとだ!美味しい!」

「美味しいぞ!メガネ!」

「本当に美味しい!」

「へへへ…ありがとう、おかわりも良かったら作るよ!」

メガネが張り切ってる中コンは胡蝶に新しい銃を渡した。

「風呂出てすぐに決めて奴だ、コイツはお前の相棒になってくれるだろう」

コンが渡した物は…クリス ヴェクター、SMGサブマシンガンだ。

「おお!これが!」

ゴリゴリにカスタムが入ったクリスブェクターを胡蝶は持ち上げたりしながら隅々まで見る。

「それと!ナナシにはこれをあげよう!」

コヨーテはナナシに短刀を渡した。

「短刀?何でこれを…?」

コヨーテはニコッとしながら言った

「お守りみたいな物だ、使わなくても良い、ナイフや爪で間合いが悪かった時に使えば良いさ!ハハッ!」

数十分後全員が料理を食べ終わり自室に帰ろうとしていた

「一様明日の予定を言うぞ、明日は訓練と、要請があれば駆除に向かう、良いな?それじゃあよく寝ろ!」

コンはそう言うと真っ先に部屋に帰った

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後書き

いやー…書いた書いた…え?遅すぎるって?

すいませんm(__)m中々構成が思いつかなくて…え?理由になってない?細けぇ事は良いんだよ(深夜テンションです許して下さい)

えー…今回割と変更点があり、胡蝶の武器をSMGにしてみました、リボルバーでも良かったんですが、コンと被るんで…

一応ナナシの短刀とかの訳のわからない物は後々重要になる!のかも…

それじゃあ次回は胡蝶之夢さんが担当です!

それでは7話でお会いしましょう!!




























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