第188話 一行怪談188

 放課後の校庭でバンザイを十三回すると、地獄の門が開いて、そのまま真っ逆さまに落ちちゃうんだって。


 入学式に新入生の数が一人多いのは、いつものことだよ。


 夕方の五時五十五分に体育館の天井を見上げると、天井に張り付いた大きな顔の人に話しかけられて、その人の質問に正直に答えないとそのまま食べられちゃうらしい。


 朝一番に四階のトイレを使った生徒は、その日は一日中、口からトイレの水が流れる音しか出ないんだって。


 給食室のおばさんの中には、子どもの肉を給食に使う人食いおばさんが混ざっていて、みんなが血眼になって探しているんだよ。


 校長室では毎晩、部屋に飾られた校長先生の写真が言い争っていて、今日はいじめっ子のユウ君をどうこらしめるかで盛り上がっているよ。


 学校の屋上で会えるミナコちゃんに嫌われた子は、毎晩夢の中でミナコちゃんに殺されて、ひどい時には現実でも死んでしまうそうなんだ。


 校舎の階段で鬼ごっこをすると、生徒が一人、必ず消えてしまうんだってさ。


 学校行事に参加した生徒たちの記憶には、頭が大きく膨れたタイチ君という男の子が紛れているよ。


 今までの話を卒業式までに忘れてしまったら、忘れなくなるまで学校生活を繰り返さないといけなくなるらしい。

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