第11話
私は毎日アーサー様とダンジョンで魔獣を狩り、日雇いの民の食糧としました。
同時にアポローン神様の羊飼いの守護神性を生かして、荒地を草原に変えました。
シャノン王国から貧民がいなくなったとまでは申しませんが、その日の食事に事欠くような者は一人もいなくなりました。
日に日にシャノン王国は豊かになっていました
ですが、それを面白くないと思うモノ達がいたのです。
サヴィル王国のチャーリー国王は、シャノン王国に敵意を持っていたのです。
アーサー王太子殿下を警戒していたのです。
それが、私の協力で呪いを解かれ、着々と国を豊かにし、近隣諸国にまで名君の素質ありと評価されていたのです。
「グッはぁ!」
アーサー王太子殿下が血を吐かれました。
アポローン神様の呪いです!
未だにアポローン神様の聖女である私には直ぐに分かりました。
絶対に許せません!
断じて許せません!
必ず報復します!
アポローン神様の怒りを買おうと、関係ありません!
(怒りなんて買わないよ。
アポローンとは話がついているよ。
契約しているサヴィル王家は滅ぼしていいけど、聖女イザベラは傷つけない事。
それさえ守ればアポローンは黙認するよ)
ヴィーザル神から話しかけてくださいました。
その時初めて、ヴィーザル神様の力の強大さに気がつきました。
アポローン神様以上の強さを感じてしまいます。
法と正義の司法神というのは大間違いでした。
これだから神は油断できないのです。
人間ごときに神の本質を感じとる事など不可能なのです。
「アーサー殿下。
殿下に呪いをかけたのはチャーリー国王でした。
今回も同じように呪いをかけようとしましたが、私が防ぎました。
ヴィーザル神様とアポローン神様の許可は取っております。
報復なさいますか?」
「やる。
武人として王族として、売られた喧嘩は買う。
チャーリー国王の首をヴィーザル神様に捧げる」
「身体はアポローン神様の供物にしてください。
邪魔しようとしたモノ全てを人身御供とすると約束してください」
「約束しよう」
これで契約はなりました。
人身御供が好きなアポローン神様からの条件を満たすことができました。
アポローン神様の大好きな火炙りは、ヴィーザル神様の神性では認められないので、戦いで正々堂々斬り殺す事で、ヴィーザル神様とアポローン神様の話し合いはまとまったそうです。
アーサー王太子殿下と配下の近衛騎士団の戦いぶりは、疾風迅雷という言葉通りの早く激しいモノでした。
サヴィル王国は抵抗する間もなく、鎧袖一触で国境を突破され、王国軍や貴族軍が組織的な抵抗をする間もなく、王都王城をを落とされ、チャーリー国王は一刀のもとに首を刎ねられました。
アポローン神様の願い通り、サヴィル王家は根絶やしにされました。
これからは、ヴィーザル神様とアポローン神様が武力を愛でられる、アーサー王太子殿下が国王となられ、連合王国を束ねられるでしょう。
私は王妃として支えていかなければなりません。
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