33日目 仕事に行き始める。喪服で。
病棟の食事は7時半……
病棟から出勤をすることになった。
先生が本当にわかってくださっていて、
今のトーカさんが望んでいることを
いいかたちでさせていただいている。
ラウンジで、パンをちぎっていると=かさんがいた。
これは特別職。特別めしだ。
特に厳選された、通勤組にだけ許された時間外食事。
今日から通勤なのだけど、病棟から通うのははじめてなので、迷って遅刻しても困るので、すぐ食べて、さっとでた。
遅刻して困る?
おいおい、トーカさんは首を切られるんだぜ?
なに眠たいこと言ってんだよ。
首を切る会社に、申し訳ないもなにも、ないだろう。
なんやかやあったけど、自分のグループのスーパーバイザーと顔を合わせてしまって。たいへんだったねと。トーカさんいやぁとしか、いえなくて。
本当の、と言ったら失礼だけどメインのSVがいるんだけど、その人の前ならきっと泣いていただろう。いい上司で。とーかさんが2月25日、入院中でも頑張れます!って言ったのは、その人に恩返しがしたかったからだった。
でも、それから今までの間に切られることになってしまって。言葉がなかった。
帰棟したの7時。T駅ですっかり迷ってしまって。バスがなくて。乗り場が。
じじいはポツンとうざい位置に座っていた。
「君、朝ごはんだしてもらってたよね」
「はぁ」
「僕もだしてもらえるんだろう。役所に行かなきゃいけないんだなんとかをとりに」
いやいや。あれはとくべつなものだから。出社する人用のだから。
そんな、私用で出してたらキリないだろ。
でも出すのかもしれない。上級国民だとしたら。
夜7時に帰って9時に寝る。日記書いて。なかなかたいへん!!!!
それでも私は通勤し続けるだろう。いま5時半。
とーかさんは着替える。
喪服に。
私を切るんでしょう?
叛逆の喪服。
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