7.長編小説
こちらは読み手ではなく、書き手として思ったことです。
まず、書き手は小説を書くのに勉強するなら商業小説を読むべきだ、という意見があります。私も賛成します。商業小説はやはり完成度が高いし、面白い。文章も美しい。
ですが、私は思うのです。「Web小説も読んたほうが良い。とりあえず1000作品くらい」と。
おそらく、商業小説の作品よりも、Web小説作品の方が、「今のあなた」と同等の筆力の人が多いのではないかと。Web小説はピンからキリまで。なんで書籍化してないんだ! という作品も多くあります。
それだけでなく、「もうちょっとこうしたほうが面白くなるかも」と思う時もあると思います。それが自作に投影されているのかということはさておき、「改善点を見つける」というのは商業小説だけではなかなかできないことではないでしょうか。
作家としてだけではなく、編集者としての視点で物語が見れるようになるというのは、決して無駄ではないと思います。
例えばですが、前貢「短編小説」で、気軽に読めるのが利点と言いましたが、長編小説では、気軽に読めない小説が少なからず存在しています。
もしかしたら、自分の作品もそうかもしれない。私の長編小説『深海シティ4cb8e7』も、そう思って何度プロローグ(第一話)を書き直したことか……。
今のプロローグ(第一話)が読みやすいかどうか、それは読者の判断に任せるしかないですが、一番最初のプロローグ(第一話)よりは読みやすくなっていると自負しています。それは、Web小説を読んでいなければ気づかなかった点だと思います。
【プロローグ(第一話)】
・長々と歴史を語らない
・固有名詞を何個も出さない
・登場人物を何人も出さない
→これ、一つでもやると情報過多になり「気軽に読めない小説」になります。
・謎のポエムや、おそらくキーとなる「セリフ」の応酬。
→これはかなり高等な技術がないと「?」て終わり、よくわからないまま物語が始まります。アニメのオープニングでは映えますが、小説では素人がやるにはなかなかハードルが高いのかもしれません。
自作『深海シティ4cb8e7』を例にあげますが、こちらSF小説なので設定が結構複雑です。それをいかにして伝えるか、本当に苦労しましたが。今後もブラッシュアップしていきたい点ではあります。
まだまだ修行中ですが、いったん短編小説で伝えるような基本的な設定だけを起こし、詳細は後々、少しずつ開示していくという手法を取りました。
その結果、プロローグ(第一話)”南極の氷床に建てられたその国は「人魚に成るために建てられた国」”をキーに、日本は海底都市になった(=近未来の話)、海に沈んだこの世界でいるために、人々は人魚になろうとした。そんな感じのことを一話に収めることにしました。
・強みは何なのか
→セリフの掛け合い? 情景描写? 心情描写?
また自作『深海シティ4cb8e7』を例にあげるとすると、私の場合は「海の描写」を強みにしています。強みというか、特に力を入れているところ。
私は、海中世界の美しさを小説で伝えたかったのです。なので、プロローグの一番最初にがっつり海の描写を入れました。その海の描写が気に入らなければ、きっと私の小説を好きになることができないと思ったからです。
――プロローグだけでもこれだけ気づいたことがありました。
他にも、
・久しぶりに出す人物、情報があった場合は必ず説明を添える。
→読者はそこまで覚えていない。連載なら尚更
・物語のキリが良いところで情報整理をする
→迷子になるのを防げる
※『深海シティ4cb8e7』のreportに当たる部分です。どこまでの情報を開示したのか明確になるので個人的には気に入っていますが、あまり他所では見かけないので微妙なのかも……。
「文章」「表現」「固有名詞」「情報開示量」「物語の運び」「物語の結び」……枚挙に暇がありません。エッセイや創作論も多数ありますが、実際に物語を読むのが一番効果的だと思います。きっと何か、ためになるものがあると思います。
とりあえず1000作品、読んでみてください。
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