第34話 新たな世界でも男は自由気ままに過ごす。

 さーて、まずは行くは北! あの変なデケェ城壁の街へ行くぜ!


 移動面倒だから久しぶりに瞬間移動!


 はい大門前に到着っと……んー? 何故人間が目の前に突然現れてたのにこの門番の兵士は驚きもしねぇんだ?


「通行証はありますか?」


 機械かよ! 先ずは挨拶ってもんはねぇのか!


「あー、初めて来たんですけど……」


「あぁ、それなら入国手続きしますね。この紙に必要な情報を記入後、また持って来て下さい」


「ヘイヘイ? オーケーオーケー?」


───────────────


名前:最上稟獰

年齢:19

出身地:日本

種族:人間

目的:世界をぶっ壊す


ルール:

1.闘技場、騎士訓練場以外で国内での殺害は禁ずる。

2.窃盗は禁止だが盗まれたら自己責任

3.護身用としての武器の所持は許すが、街中で武器を振るう事は禁ずる

4.国内又は、街中で生命の危機があった場合のみ、1〜3のルールは無視しても良いとする。しかし、騎士団がそれをやり過ぎと判断した場合は罰する。


これらのルールを守りますか?

:目的と反しているため守りません。

────────────────


 良し書けた! さてコレをさっきの門番に……


「ふむふむ。ルールはあえて守らないと……了解です! 精々牢獄やスラム行きにならない様にご注意下さい! ようこそ! グラントス王国へ!」


 ええええええ……どう見ても殺る気マンマンの奴をあっさり通しやがった……。なんなら! 俺をこの国に通してしまった事を後悔させてやらぁ!


 えーっとまずは……情報収集かなー。人が多く集まると言えば……やっぱりギルドとかあんのかな。


「すいませーん。此処にギルドとか人が多く集まる場所って無いっすかねー」


「ギルド……? なんの事か分からないが、人が多く集まるなら、酒場でも行ったらどうだ?」


「酒場ね! オッケー!」


 さてと……早速世界荒らすつもりで行くか……。酒場の両開きドアを………。


紅蓮脚バーンインパクトッ!」


 燃える様な足で勢いよくドーン! 一撃でドアを木っ端微塵にぶっ飛ばす! それと同時におれの顔面に空き瓶が飛んでくるけど……頭突きで破壊!


 ドアの破片はビンを投げたお客に。投げられた瓶は俺の頭で粉粉に。最悪のタイミングだぁ……。


「嘘だろ……」


 何が嘘なんだ? 現実逃避は止めろ? ま、俺は全ての現実を無に返すけどな。


「止めやがった……あぁっーと! すまねぇ! すまねぇ! 酔ってたんだ! 許してくれぇ!」


「大丈夫。大丈夫! こんくらいどうだって事ねぇから!」


 しかーし、そんな早く事が収まる事はなかったぁ……異世界酒場あるある。酒場に入るとガラの悪い男に睨まれる。


「おいてめぇ……ガキがなに酒場に来てんだ? さっさと失せろ。酒が不味くなるだろうが……」


「はぁ? てめぇ事なんて知ったこっちゃねぇよ! クソ野郎が」


「おいてめぇ! 今なんて言いやがった! もう良い……大人の怖さってのを体に教え込まなくちゃならねぇ様だなぁ……? オラァァ!」


 いやー、タイマンって久しぶり! うーん強くなり過ぎたから手加減難しいなぁ……軽く〜ボディに一撃そい!!


 スゴオォンッ!………ドバァ!!


 あ……いっけねー腹貫通しちまったぜ!


「ぐぼぉあっ!? あ"……がっ……ぐふ……」


「大丈夫かあんたああああ! 俺に喧嘩売ったばかりにいいい!! うわああああ!!」


 なんて言うとでも思ったか? これで一つ目のルールは破られた………ってあれ? 生きてる?


「ゲホッエホッ! ……ククク……やるじゃねぇか小僧……ガハッ!……」


「おい! はやく病院呼べぇ!」


 おやおや大惨事だぁ……一体何が起きたっていうんたぁー。と思ったら変な奴きたー……。


「病院を呼ぶ必要は無い。そこを退け」


「はぁ!? てめぇだれだコラァ! アニキに触るんじゃねぇ!」


「俺はドクトル。医者だ。分かったらそこを退け」


「おいマジかよ!? は、はやく助けてくれ!」


「そう焦るな。腹に穴空いたぐらいで大袈裟だ。人間はコアさえ生きてりゃ充分だ」


 ええええええ……『腹に穴空いたぐらいで大袈裟』ってこの世界どうなってんだよ……。


 そしたら、医者がブワーって手から光が出て簡単に穴を塞いじまった……。通りすがりに穴ぶち開ける俺もヤベーけど、この世界もヤベー。


「よし治った。全く……休日に面倒くせぇ仕事させやがって……」


「あ、ありがてえええ。てめぇは神様だぁ……」


 いや、うん。大袈裟過ぎだろコイツ。よし、じゃあコイツに話聞くか。医者なら話分かるだろ。


「なぁオイ。ちょっと聞きてえ事があんだがよ」


「さぁ、お前も行った行った。って何だよ……」


「この世界の事。街の事詳しいか?」


「はんっ……お前俺が情報屋だって事を分かって聞いたのか?」


「え?」


「は?」


「いや知らないっす……え、何? 表の仕事と裏の仕事持ってますアピールですか? 格好悪いですよー?」


「お前それ初対面に言うか……ったく……俺は医者兼情報屋。ドクトルだ……。で? 何が知りたい?」


 全てだ。俺の知らない事を全て教えろ……。


「てめぇの知ってる事全部吐け。じゃねぇとぶっ殺す」


「はんっ……金が無えって言いたいのか?」


「あぁ、そうだ。金はねぇ。だからその代わりにてめぇをぶっ殺して脳味噌から情報を得ようと思う。日本語分からん?」


「いや、日本なんて知らんが、今とんでもない事を言ったな……脳味噌から情報を得るだと? んな事させるか……! 俺の脳味噌はまだ情報を蓄える事が出来る。まだあげられるものではない」


「交渉決裂だなぁ! いくぜ!」


 初手に相手の頭を掴んで〜『脳複製ブレインクローン


 \( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーッ! 頭に頭にぃ……! 情報が雪崩れ込んで来るッ!


 と思ったら急激に俺の腹にクリーンヒットする腹パン!


「離せっ!」


「分かったって! 今すぐ離してやるから! オラァッ!!」


魂分離消滅破ソウルセパレーション!』


 相手の魂を本体と分離させ、本体を消滅させる渾身の拳による一撃ぃ!!!


 ヒュン! ズドガアアアアン!!!


 おおーっと! ドクトルは俺の拳に合わせて衝撃を相殺させるうううう!


 しかーし! そのおかげで俺の『拳』の魂が抜けるッ!


「ぎゃあああ! 俺の拳が砕けたぁあ! 自己再生……ふぅ……」


「なんでこった……嘘だろ……クソっ……俺の負けだ。良いだろう。俺の知る事を教えてやる」


「いや、もう間に合ってます。最初お前の頭掴んだろ? あの時全ての情報を得たわ。大丈夫! お前が実はは無資格のやぶ医者だったとか!! 情報はすべてネットから拾った物だとか言わねえからぁぁぁ!!!」


「いや、すまん。勝手に話を作られても困るんだが……」


「…………ッチ……! 冗談伝わんねぇ野郎だなぁ……んじゃ、俺は人が最も集まるって言う、闘技場行ってくるわ!」


 んーと……闘技場、闘技場……あーこの脳味噌そもそも闘技場っていう情報あるけど、めっちゃ古い記憶なのかな? すげぇ闘技場への道の記憶が曖昧なんだけど……。


 あー、瞬間移動しても良いけど……たまには空から行ってみようかな……こう……隕石って言うの? 闘技場をもろとも破壊する勢いで……せいっ! てさ……。


 それには……月にでも行ってみようかな! 宇宙ってどんな所なんだろう!


 『宇宙旅行超ジャンプ!!』


 ヒューーーーッッッ……


 大気圏突入!


 ゴオオオオオ!!


 宇宙到達!


 スーーッ(無音)


 すげえええ! いくら声出しても自分の耳に声が響かねえ!


 月到達!!


 ………良し! 月落とすか!! 闘技場目掛けてえええ?


 えーっと……月と地球の距離は約38万キロだから……いやてか此処地球じゃねぇな。とりあえず……秒速100万キロで蹴り飛ばせば、跡形も無く吹き飛ぶかな……!


月華晦冥げっかかくめいめつ!!』


 ていやー……(棒)


 バチッ! (物理法則がぶっ壊れる音)


 ヒューーーーーンッッッ!!!!


 月が今気付いたけど超でかい星目掛けて落下あああー!


────────────────


「おいあれなんだ?」


「はぁっ!? 月!? 嘘だろ!? こっちに飛んで来るぞおおおおお!!!」


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