第25話 王までの道・3〜☆悪★戯☆大★作☆戦★
あれから翌日、俺は現王とかちょっと気に障るほどうぜぇから、次期候補の王に仕える事にした。
次期候補王の名前は、レグルス・アファブレ
候補王でありながらなんと、現王の王子らしいね!
これから重要キャラになると思うから覚えとこ……あ、レグルス……あ、アファ……ブブレ……。
うん。もうレグっちで良いや! いや、レグと呼ぼう。多分、段々愛着湧いてくるでしょ!
「君が今回、軍指揮隊長に就いてくれた最上君かな?」
なってこったい\^o^/
イケメンなんて聞いてねぇぞ? ただ名前を呼んだだけで眩しすぎる笑顔なんざ撒き散らしおって……。
捻じ曲げ甲斐があるぜぇ!?
「レグ王子、この俺が最上だぁ……よーく頭に叩き込んでおけ?」
次期王に向かって初対面なのにこの上から目線。さぁ、どう反応するかな?
「んー……レグ王子? 誰の事かな?」
「あー、お前の名前長えからレグって呼ぶ事にしたわ」
「……アファブレ・レグルス……レグルスを略してレグか……うん! なんか友達同士の呼び方らしくて、親近感が湧く呼び方だね!」
……ほぉ? こいつは、自分の立場ってのを気にしてねぇ様だな。
「んじゃ、よろしくぅ!」
「よろしくねぇ〜」
俺が就く階級、軍指揮隊長とは本来、文字通り沢山いる軍隊長全てを纒め、言わば『軍を動かす』階級と言っても良い。
そして兼、次期王の近衛兵。
とりま滅茶苦茶でかい所にいる俺は、でかい戦争とか無ければ特にやる事が無いわけだ。だから、次期王の世話をすると言った所だな。
「じゃあ早速だけど、次期王と言っても、次期の王として決まった訳じゃないんだ」
「まぁ、あくまでも候補だからな」
「うん。だから僕の良い所を街中に広めて欲しいんだ」
「へぇ〜信頼も無い人にそれ託す? 悪い事を思いっきり流しても良いんだぜ?」
「うーん……僕に悪い所なんてあるかなぁ? あ、ドジとか?」
……良し決めた。とりあえず良い所は適当にやるとして、こいつを不幸のどん底にでも落とすか……。
今の発言で最も重要なキーワードは、自分でも自覚しているドジ。これだ。
『ドジのせいで』一見普通に思えるが、こういう1つに特化した物があると、それに関連した事が何度も起こると人は、その性質が悪いか良いかをはっきり分かってくる様になる。
んじゃとりあえず悪戯程度でもやってやるか……。
「なるほどー、じゃあやっておくわぁ」
3時間後・・・・・・・・・・・・
セッティング完了! ターゲットはレグ王子の書斎。どうやらレグ王は1日の終わりに必ず書斎へ行くらしい。
理由は、『これが僕の唯一の自由時間なんだ』だそうだ。本が好きなのかねぇ〜?
壁透視でも使って様子を見てるか……。
──────────────
「はぁ〜今日も疲れた〜。さて、昨日の続きでも読もうかなっ」
来た! まず第一の悪戯は、ドアを開けて、部屋の中へ入った瞬間、トラップ発動!
『いつもより若干高く作られた段差により、顔面からすっ転ぶ』
ガチャ……
「うわぁっ!? ぶへっ!! ……アイタタ……あははは……こけちゃった」
くっ! このポジティブ野郎が! だがこれは、まだ本人にとっては偶然でしかない……次はちょっと不幸な悪戯だぁ……。
「よし、鍵を閉めてっと……」
ここで第二のトラップ発動!
『鍵を閉めた瞬間、鍵が開かなくなる!』
これは、老朽化という問題では無い……俺が次の一回で鍵が壊れる様に仕組んだのさ。
「さて、寝る時間まで暇を潰すかぁ」
良し、罠が罠である事を気づいていない以上、これ以降の状況を細かく説明する必要は無いだろう。サクッと罠とレグ王子のリアクションを説明しよう。
「昨日の続き……」
『本を開いた瞬間、本が真っ二つに破れる』
「ってええぇ!? ぐぬぬぬ……仕方がないかぁ……違う本でも……」
『他の本を取り出そうとした瞬間、上段の本が全て落下!』
「うわあああ!? アイタタタ……可笑しいなぁ……いつも整理整頓してる筈なんだけど……もう椅子で寝て時間潰そう……」
『椅子に座ろうとした瞬間、椅子が壊れる!』
「っとっと……あああ! さっきからなんなんだ? 悪い事でもしたかなぁ? ……だめだ! 寝よ寝よ! 時間過ぎたら、メイドが起こしに来てくれる筈だ……」
2時間後、午前0時・・・・・・・
夜の12時か……いつもこんな時間に寝るのか……全く王子は大変だねぇ。ま、俺は基本オールしてるから、時間の感覚狂ってるんだけどっ。
と言ってる側から漸く時間に気づいたメイドが部屋に来やがった。
「レグルス様? もう就寝の時間です。お忙しいのは分かりますが、徹夜は明日の仕事に支障が出る恐れがあります……」
しかし無反応! あまりの不幸さにレグ王子はぐったりしながら寝てるからな!
「うーんレグルス様? もしかして寝ているんですか? 鍵も閉めて……申し訳ありません。入りますね」
なっ! あのメイド、人のプラベートが詰まった書斎の合鍵なんて持ってやがるのか! なんて女だ……だが……その扉は絶対に開かない!!
「あ、あれ? 鍵が開かない……もしかして壊れてる……? これは中からもレグルス様が開けられない恐れが……よしこうなったら!」
あれ? メイドどっかにいったぞ? 何をするつもりだ?
30分後、午前0時30分・・・・・
「レグルス様! お待たせしましたっ! 今っ開けますねっ!」
え……あれって……バール!? え? 君メイドでしょ!? 何処から持ってきたか分かんないけどそんな事して良いの!?
「よっこらせっと!」
バキッ!……バキバキッ!
「どんだけ硬いんだ……いい加減開けやゴラァ!!」
バンッ!!!
ひいいい! あのメイド怖ええ
「うわっ!! どどどどしたんだい?」
「あ、申し訳ありません。ドアが壊れていたもので、無理矢理こじ開けました(ニコッ)」
「あ、あははは……うん。こっちこそごめん、そろそろ自室に戻るよ」
くそッメイドがドアをこじ開けるのは予想外だ! こうなったら、そろそろ痛い目にあってもらうぞ! レグ王子ィ!
うおおお! 『超・ロケットキック(ド ロ ッ プ キ ッ ク)』
助走を付ける事で最大速度時速200kmを超えるスーパードロップキック!
「……!? レグルス様! 危ないッ!」
「へ? ……うわあああああ!!??」
ドゴオオン!!
あ、突き当たりの壁まで吹っ飛ばしちまった……やりすぎたかな? しかーし! 今はそんな事はどうでも良い! 今隣に立っているレグ王子側近のメイドから凄まじい殺意を感じる!
ここは……いや、久し振りに生身で攻撃を食らうのも一興。最近無双しかしてなかったからなっ! 痛みを再度体に思い出させなくては。
無敵モードを解除してっと……。
「何してんだこの屑野郎がぁ! 昇天紅蓮脚!」
「へっ?」
メイドの脚が素足になったと思ったら、燃え盛る紅蓮の炎を纏った足の踵が少女の強烈な回し蹴りによって俺のこめかみにクリーンヒットおおお!!
このメイド強えええ!!
こうして午前1時30分頃、レグ王子と俺は気を失った。
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