第24話 王までの道・2〜王家の血族〜
翌日・・・
さて、気をとりなおして、「信頼」を得なくては!
何をしようか考えていると、ごついおっさんが話しかけてくる。
「何ぼおっと突っ立てんだぁ!? 暇なら俺と戦え!」
「誰だぁ? てめぇ」
「誰でもいいじゃねぇか! さ、やるか? やらねぇのか?」
「望む所だゴラァ!」
「良い返事だ! んじゃ剣を構えろぉ!」
なんだかしらねぇが、喧嘩売られたら買うしかねぇだろ!
しっかしこのおっさんの筋肉すげぇなぁ……まるで筋肉の塊かよ……
と、剣を構えて向かい合わせに睨み合うと、またしても周りから声が……
「おい見ろよアレ……なんで、軍隊長がこんなところにいるんだ?」
「まーた始まるのか。初対面でボコボコにするやつだよ」
「あー、あの隊長、見た目はすげぇ良さそうなおっさんだけど、中身はかなりやべえからな……」
なるほどねぇ……自分を知らねえ新兵を無理矢理ボコボコにして、教える野郎って事か……
「行くぜうらぁ!!」
だが、今回は俺に喧嘩を売ったのが運の尽きだ! 立場ってもんを見せてやるよ!
おっさんの攻撃を木刀で受け止めると、そこからおっさんの剣を身体ごと持ち上げ、思いっきり投げ飛ばす。
「ぐわああああ!! って……おいおい俺の身体が浮かぶってマジかよ……」
「追撃じゃゴラァ!| 十六連撃(スタ○バ○スト・ストリ○ム)!」
ズバッズバッズバババババ!!
「ぐわああ! 痛い! もうやめッ」
もっとだ……もっと…|自主規制(ピー)
「うわあああああ!!」
おっさんは直後、青白く光ると、硝子の様に砕け散る……
Congratulations!!
Exp 0
Mogami Lv 0
ふう……何だこれ……
すると、兵舎に歓声が上がる
うおおおお!!!
「すげぇ! 何だあいつ化け物かよ!」
ん〜化け物呼ばわりだろうが、歓声と言うものは実にいい。やっぱり信頼なんてやーめた!
目指すのは、上だよ上! 人の上に立って、下の奴らを這いつくばらせるんだ! それに……絶対に逆らえないという関係を作れば、そこに『絶対的な
だがそういう関係を作る事で必ず一つの障害が生まれる。それは、裏切り……。
しかーし! 裏切りなんざ俺の前では無意味! 全て俺がそんなもの抹消してやるんだからよ……。
さて、まずは、周りにいる雑魚共から精神を叩き直さなくては……。
一週間後・・・・・・・・・・・・
ここ一週間で、まだ一等兵である俺は二等兵、訓練兵、新兵を全員、支配下に置いた……その数合計約一万五千人!
俺より上の階級にいる隊長でさえもこの数の兵士は到底かなわない……。
という訳で、今日中に一等兵でありながら大隊長の資格貰っちまったぜ……。
さて、ここまで来たら後は、階級とかどうでも良いから、国を支配する事だな!
更に一週間後・・・・・・・・・・
「くそッあいつは一体なんなんだ……? 1ヶ月も経たずに軍指揮隊長まで登りやがって……でもここまで恨まれ嫌われてんのになんで誰も貶めようとか考えねぇんだ?」
「おいよせ! 余計な事考えると"消される"ぞ!」
「はっ消されるなんて子供かよお前」
「あのなぁ……あの指揮隊長、今まで幾らの兵士消したのかしらねぇのか?」
んー、きこえる……聞こえる! 俺を嫌い、恨み、憎しみ、怒る声が! そう、俺はここ1ヶ月足らずで副団長、騎士団長除く、全ての軍を指揮する軍指揮隊長まで登りつめたのだ!
それは、2時間前の出来事である……。
──────────────
んー、何とか一週間以内には上級兵まで昇格はしたけれど……これじゃあ、王様まであと何日かかる?
俺は短気だからな。1ヶ月なんてやってたら、結局現王を殺す路線に入っちまう……何とかもっと早く一気に登らないと……。
なんなら、現王に頼んでみるか……。
現王の間・・・・・・・・・・・・
「貴様は確か……今話題の最上稟獰上級兵だったな……?」
「あー、そういう前置きはどうでも良いんで今、王様が座ってるその座を交換してくれませんかね?」
「……済まぬ。それについては前置きが無ければ全く話が見えん……」
「面倒くせぇな……俺にその王の座を渡せって言ってんのがわかんねぇのか!」
「いや、貴様の言っている意味は分かる……。そう易々と渡す訳が無かろう? 馬鹿か?」
あー、やめろやめろ……俺を煽るな……。耐えろ、耐えろ俺!
「これは警告だ。今すぐ渡さなければてめぇを此処で吹っ飛ばす……一体誰がこんな面倒な階級用意したんだ? 多過ぎるんだよ……」
「残念ながら、ここで儂を殺しても、貴様の思うつぼにはならんぞ? 王と言うものは、必ず代々血が繋がっているのだ……」
血……? 良いだろう。今それを証明してやろう。
「血だと……? それは王家の血族ってやつか? 良いだろう……今証明してやるよ。俺が王の血を引いているという事を……」
チートはこんな事も出来る!!!
『
いや、実際には血繋がってねぇけど……その血がありゃ血族同然だろぉ!?
そして、自分の腕から注射器で血を抜き取り、王に言う。
「へっ、この血を調べてみな! 俺は王族関係者であり、血族だ」
「なんと言う事だ……」
───────────────
そうして2時間後、現在に至る。
え? なんで王じゃないかって?
いや、なんか、血族とか関係なく王の最も近い、兄や弟、姉とかいう家族じゃないと王になれないらしくてね、結局血族の特権によって、軍指揮隊長になる事になっちまった。
んでそんなに王になりたいなら、現王か、次期候補の王に真摯に仕えろってよ……。
ったく……まぁ、いつも何かと吹っ飛ばしたり、ぶっ壊してるからな。たまには誰かの下に仕えて、最強になるのも暇潰しになるか!
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