第7話 嵐にも負けず-颶風の宝玉-

 うん。この氷の結晶、スノードームにしたら最適かもな……。


 さて、次は……ここから南東。東の果てに、豪嵐ごうらんの神殿有り……だな。


 俺ってさ、火も氷も風も無効じゃん? おれ気付いたんだけど、これって全く生きてる感覚ないんだよね。

 暑いって言っても暖かい程度だし、寒いって言っても涼しい程度。

 そしてこれから行く颶風ぐふうの神殿は、周囲にとんでもねぇ竜巻とか色々あるんだろなぁ……。


 瞬間移動!


 んー毎回瞬間移動もつまんねぇな……。今度また違う移動方法試してみるか。


 うっはぁ〜……風つっ……よくねぇ……風無効だから全く風感じられねぇ……。


 フババババ!! ヒュオオオ!!


 因みに俺が感じるこの風は、団扇を扇いだ時の風である。


 さてさて……? こりゃまた立派な神殿よぉ……正しく風の神殿! って感じのRPGにありそうなデザインだ……。


「あーやっぱり中も風吹いてるんだねぇ……ん? 多分天井50mはあるな。一番上にの祭壇みたいなところにある宝玉が、颶風の宝玉だな」


 ……。風に乗れる能力が無いと無理じゃね? 歴代の勇者どうやってとったんだ? アレ。まぁ、いいや。


めっちゃすげぇ風アセンディング・ストーム!」


 うん。いい名前思いつかなかった……。


「風って気持ちいいいいい!」


「ふぅ……ひとっ飛びだぜ。さてとこれが颶風の宝玉か……? めっちゃでかくね? 人間2mって考えたら3人分あるぜ? 歴代の勇者って力もあったんだなぁ……」


 さて、これをどうするべきか……。ぶっ壊すか! 空間保管してもいいけど、やっぱり爽快感でしょ!


 てぇい!…….ピシッ……


『ッ!? 今ワシの宝玉に傷をつけたならず者は何処の馬の骨じゃあ!』


「…….だれが馬の骨だ糞ジジィがああぁぁッ!!」


『ほぇ?』


 ここで俺は毎回相手を破壊か、違う物に変えるような魔法を発動している。なら今日はちょっと頭を捻り、相手を消してみようか……。


「破壊魔法超過圧力エクセス・グラビティ!」


 シュウゥゥ……イイイィン!


 この破壊魔法は、対象にブラックホールと同様程の圧力を与え、文字通りすり潰す。即ち消すと同じ。


『ゔぅっ!? あ"ッ!! ぎゃあああッ!!!』


 あらら、なんて残酷なんでしょう。今までの中で一番グロいわ……俺グロいの苦手なんだけど……。特に老人だから、皺くちゃの肉が伸びたり縮んだり……あ、無理もう吐きそう……。


『ひぎッ! 分かった! 許してくれぇッ!!』


「喋るなクソジジィ……もっと気持ち悪い……」


『ああああああぁぁ!!!』


 ピーーー。


 うん。今の吐いた音ね。それは盛大に吐いたわ。もうこれやんのやめよ……。


 もうこれで3つ完了。恐らくこれまでの試練で的な感じを見ると、まず1日では終わらないっしょ。でも俺は1日何処か半日すら経ってねぇ。多分4個目雷の所やったら漸く夕方かな?


 さてさて次々っと……。

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