第3話 訓練 2
これは訓練と呼ぶべきなのか分からないが、俺は少なくとも実験にしか見えない。
残るは、光と闇とあと色々。
「はぁ……次は光だな。私はそろそろ本気を出させて貰う。君の力を侮っていたようだ。私の全力を見るがいい!
地面に大十字の光の紋章が現れ、次の瞬間に紋章の範囲だけ浄化の光が溢れる。
「おぉ〜……格好いい割に攻撃判定狭そう……」
「なら君もやって見るといい」
ん〜……光、光……。
「
ヒュウウウ!ズドオオオオン!!
とにかくでっかい十字架を空中から落とす。
そして地面が衝撃波ともに思いっきり抉れる。
「なんか落ちて来たあああ!!?? こんな魔法見た事が無い……見るからにとんでもないが……神クラスの魔法とでも言うのか……?」
いやぁ……手応え全然ねぇえ……簡単にとんでもねぇ魔法発動出来ちまう……。
「おっほん! さぁ、次だぁ……?次は恐ろしい闇魔法だ。暗黒、呪い、洗脳と言った事が可能だ。先ずは私の見本を見たまえ……。
ズズズズズ……!
わぁ……真っ黒な太陽だなぁ……。
「超重力魔法だ……一応闇の部類なんだが……全く感じないのか?」
「あ? 何が?」
「押しつぶされるような感覚は……?」
「あーすまん。重力操作無効だから」
「………へぇー」
だんだん教官壊れて来たな……そりゃそうだよな。自分がいくら本気だしても、超えられ無いんだから。
「なら次は俺だな……」
「う、うむ……」
闇……闇……。
「
スゴゴゴゴゴ……ウオオオオオ……
なんか真っ黒い不完全な姿のヤバそうな物が地面から這い出てくる。
「あれは……サタンッ!? いや、不完全なサタンだ!! 地獄から呼び出したってのか!?」
『我を呼びせし主は、何処の誰だ……』
闇魔法すげぇえ……てかこの世界の魔法概念どうなってんの?
「いや、お帰り頂いて大丈夫です」
『貴様! 我を呼び出しながら、何もせぬか! 愚か者めぇ!』
「
『ぬわあああああ!!!』
ふぅ……これで属性系は全てかな……ってあれ、教官……?
「……今日は終わりだ……戻って良いぞ……」
うっわぁ……なんかもう戦意喪失してるぅ……。じゃあ帰るか……。
「戻ったか勇者稟獰よ……」
「いつ俺勇者になった?」
「今じゃ」
自分勝手な国王様だなぁ……。まぁ、どうせ魔王倒さないと返してくれない口でしょ。
「はいはい分かったよ……魔王倒さないと返してくれないんだろ?」
「む? 何を勘違いしておる? 最初からお前を返す方法など知らんぞ? だって、お前はあちらの世界で死んでいる筈なんだから」
うわぁ……俺ったらツイてねー……やる気無くすわぁ……最初からやる気なんてねぇけど、もう魔王とかどうでも良くね?
「まぁ。お主のやるべき事は、魔王を倒すことじゃ。頼むぞ?」
「断る」
「は……? 今なんと?」
「断るって言ったの」
「ほほぅ? ならば、お主はこの国の侵入者として、拘束させてもらおう。勇者ではないんだからな」
あらそう? 最強の俺を前にそんな事しちゃう? なら遠慮なく……。
「国王様! 彼に喧嘩を売ってはなりません! 国が滅びます!」
「アンドレではないか。滅ぶとはどう言う事じゃ?」
もう遅いよ……じゃあねぇ〜
「
キュイイイイイン!!
「駄目だ! もう間に合わないッ!」
「この魔法は……!」
ズドドドドオオォォン!!!
いやっほう! マジで爽快!
こうして、最上稟獰が転生した国は完全消滅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます