第2話 転生からのあるある・訓練 1

 あー、面倒くせぇ……そういやさっき帰りてぇ言ってたけど、俺現実世界じゃ死んでるんだよな?いや、腹刺されただけで普通死ぬか?


「って言う訳なんだ!」


「あ、ごめん。全く聞いてなかったわ……もう一回説明して?」


「えぇ!? もう目的地着いちゃうよ!? まぁ、良いや。これから行く所で色々教えて貰えると思うから」


「わかった」


 って此処って……王国……?


「そこの者立ち止まりなさい。この先は王の間だ。関係者以外、用の無い者は入る事は許されない」


「あ、桐谷一郎の息子。桐谷誠人です。代わりにお迎えしました」


「あぁ、あのお爺さんの使いね。はいはい通って良いよ」


 ん? あのお爺ちゃん、結構顔広いんだな……。


「眩しい……」


「うん此処は、王の間だからね。最初入った時も同じ反応したよ」


 王様って何でこんなにキラキラしたもん好きなんだろ……絶対分かり合えないわぁ……。


「王様! 転生者を連れて参りました!」


「うむ。宜しい。さて、そこの者。話は聞いておるな?」


「何にも聞いてないっす。てか聞く気も無いっす」


「うむ。ならば改めて教えよう……」


 うん……適当に聞いておこう。


「此処は、いやこの世界は今! 魔王の力で滅ぼされかけておる! 歴代1000万年も続く時代があり、魔王が復活する度に、勇者がそこにはおった。

 勇者は、魔王が復活する度に封印し、この世界を守って来た。しかし! 今回の勇者は魔王の封印に失敗し、魔王の力は一気に増大。我らに打つ手は無くなってしまった。

 そこで我々が唯一、一つだけ世界を救う方法を見つけた。それは別世界の死者をこちらへ転生させ、勇者とさせる事! そう、お主の事だ……」


 うん。知ってた。


「はぁ……」


「どうせ自分には力が無いと思っておろう? 安心せよ。転生の際、お主には何らかの能力がつけられたであろう?ステータスは見たかな?」


 うん。色々とヤバイ能力あったよ……。


「まぁ……」


「どんな能力だった?」


「あーマジでヤバイっす」


「ヤバイ? とは?」


「ちょっと説明しきれないんで、だれか此処に1人能力知れる能力とか持ってる人居ないの?」


「そうか分かった。アオス! 頼めるか?」


「了解しました……」


 どんな反応するだろうなぁ……。多分歴代の勇者でこんな勇者いないっしょ。だって完全無敵だもんね。


「っ!?!?!? お、おおぉ……王様ッ!! この者、訳が分かりません!」


 その反応待ってた。そりゃ訳わかんないよね。属性効かないとか特定の攻撃効かないとかなら分かるけど、時間やら空間やら全部無視出来るからね……。


「ど、どう言う事だ?」


「今、王様に提示します……。」


「はぁあぁ!?? お主! なんじゃこれは! ……聞いても分からないって顔しとるな」


 うん。


「いやしかし、恐らくステータスにあるだけで使いこなせないという可能性は高いだろう」


「じゃあ教えてくれよ」


「分かっておる。お主の右の扉入って通路を抜ければ、訓練場があるから、実技教官のアンドレを当たるが良い」


「はいはい」


 さて、待ってもなかった訓練と行くかぁ……サクッと終わるっしょこんな力あれば……。


「私がアンドレだ。国王から話は聞いているな?」


「何となく」


「能力を知る事が出来るアオスから君には未知なる能力が隠されていると言っていた」


「へぇ〜」


ピロリン♪


「ん?ステータス」


「どうした?何かあったか?」


「いや、今ステータスでなんか新しいの入ったから……」


──────────

スキル:

・火(爆発)、水(氷)、風(衝撃)、雷(電撃)、地(地震、地変)、光(聖)、闇(呪)全て無効。


☆NEW:火、水、風、雷、地、光、闇に関連する技を使用可能に。


・精神(洗脳、魅了、混乱etc…)、状態(毒、腐食、感染、麻痺etc…)全て無効。


・次元(4次元、空間無視、時間操作、重力操作、能力操作、物理無視、粒子、分子の破壊etc…)これらの攻撃を無効。又は使用可能。


・お前の能力未知数だからこれ以上分かんね


───────────


 あー、なんかまたヤバイの増えちゃったよ……


「全ての魔法が使えるようになったってさ」


「はぁ!? 今このタイミングで?」


「うん」


 まぁ、そりゃそんな反応するよな。だって何もしてないのに、さぁ訓練始めるぞって時に能力追加って……。


「それならば話は速い。これから一つ一つ格属性魔法の使い方を教えてやろう」


「あぁ頼む」


「先ずは基本中の基本。無属性・無詠唱魔法だ。単に、衝撃波を纏った気弾を手から発射する技だ。

 魔法を扱える者は皆これを最初に学ぶ。魔力の容量によって威力と連射速度が変わるからな」


「ふ〜ん」


「それでは手を前にだし、気弾を発射するイメージを頭の中に思い浮かべる。そして、気合いで出せ」


 気合いって適当だな……。多分これ以上の表現仕方がないんだろうな。気合い……気合い……んんん!


 なんか技名叫ぶと格好いいからやってみようかな。


魔機関砲マジックマシンガン!」


ズドドドドンッ!!!


 うわぁやり過ぎた……。


「……。ははは……気弾を機関銃の如く撃つとは……いや、まぁ、この国に一応いるぞ?」


「なんだつまんねぇな」


「じゃあ次は、炎魔法だな。最も簡単な技でファイアブラストという魔法がある。対象に小さな爆発を与える魔法だ。イメージでやって見ると良い」


 小さな爆発……小さな爆発……こうか?


 キュイイイインッッ!!!


 あ、やべ。止まれ止まれっ……ふぅ……。


「んー。途中で止めたのは正しい判断だ。あれを放って居たら、この国丸ごと吹き飛んでいたからな」


「今のは?」


「魔王の力を弱らせる為に、古代のスタール族が、100人集まって放った究極合体魔法グランド・サンという技だ。

 それを今一人で放とうとしていたな……もう君の能力には参ったね」


 グランド・サン……名前からしてヤバそうだ……。


「次は、氷魔法だ。もう簡単とは言わない。氷の結晶を作って見ると良い」


 氷結晶……氷結晶……ん? あれ?


 ピキピキピキ……パリーン……


「おや? さっきとは全く違うね……へ? あー……なるほどね」


「何が?……あ……」


 雪だ。雪が降ってる。全く寒く無いのに、異常気象にも程があるでしょ。


「はいはい次行こうか。次は風魔法だね。上手い人は風の向きを変える事が出来る」


 風……風……! それ〜!


 コオォオ……


「ん?なんか聞こえるぞ……」


 ヒュオオォ……!


「なんの音だろうな……」


 ビュオオォォ!!!


「竜巻だ! てか滅茶苦茶でけぇ!」


 確かこれってハリケーンって言うんだっけ。てかこれヤバくね?


 ブウウウウウンンン(サイレン)


『超大型ハリケーン接近中! 直ちに避難して下さい!』


「えぇっと君の名前は……」


「稟獰だ」


「早く止めろ!」


「えーっとこれには……」


 空間無視・時間操作!


ヒュオオオォォォォ………


「止まったね」


「冷や汗が……よしよしさっさと終わらせよう。次は、雷魔法だね。適当にビリビリっとやるんだ!」


 早く終わらせたいが為に話雑になってるー……


 まぁ、良いや。適当にビリビリっ!


ゴロゴロ……ゴロ……バチッ!ズドオオオオン!!!!


「うわああああ!! 早く終わってくれええええ」

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