第16話 エタった時こそ、チャンスあり。

 エタった時こそ、チャンスあり。

 エタる時、それは創作活動を拒絶している状態であることは、前の記事でも触れました。


 エタる現象をもう一方の、別の側面から眺めると、これは創作家にとってのチャンスでもあることがよくわかる。


 文章、文体に行き詰まり、新たな文体に巡り会う転換点に差し掛かっていたり、ストーリーの大幅な修正、プロットの破綻、その根本的な部分での解決を求められている場合も含め、これはある意味、小説家の女神で或る、天の声を聞いたに過ぎない。


 つまりこのまま猪突猛進すれば失敗しますよという、天からのお告げを耳にしたわけで、早く修正しなさいというアドバイスを受けたに等しい。


 ある人は、その時点で表現方法、描写に限界を感じていたかもしれませんし、またある人は、毎回、ワンパターンな設定にうんざりしていて、それを繰り返すこと、マンネリ感に罪悪感を抱いていたかもしれない。


 そういう無数の臨界点に差し掛かり、このままではいけないよ、今回は別の局面で乗り切ろう、作風を変えてみましょうというのが、おそらく心の何処か、深層心理として働いていて、まさにその時期が到来したと言える。


 作家は本当は心のどこかで小説の矛盾、このまま行ったら失敗するということに気付いていて、赤信号、みんなで渡れば恐くない的な思想で、今まで突っ走ってきたにすぎない。しかしそれにもいつしか限界を迎える。


 だからもしも心の声をどこかで聞いたなら、小説の矛盾を察し、そこで筆を休めるなり、心の声に忠実に耳を傾けるべきだ。


 指先が文章の入力を拒否する現象というのは、危ぶまれることではあるモノの、実はチャンスを手に入れたのと同じ現象でもある。一皮むける、まさに千載一遇のチャンスなのだ。


 ピンチはチャンスの裏の顔でもあります。

 まさにコインの裏表のような関係なのです。


 それを乗り越え、克服すればチャンスが訪れますし、発想の転換をはかれば、更なる発展に繋がります。


 エタった時というのは、実はチャンスが訪れる前触れなのです。

 神のお告げを聞いたようなものです。


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