第5話 出会い、別れの場面を演出する。
出会い、別れの場面を付け加える。
もしも創作の世界においてネタ切れしたなと思うなら、なにか新しい出会い、新たな別れを演出するといい。
別れ、出会いというのは、感情の究極の表現が詰まった宝石箱のようなもので、男女の描写を描くにはもってこいの作業、創作関連のデパートとなりうる。
夫婦間の小説なら死別をテーマに扱ったものをサブ・テーマに据えたり、出会いと別れには人生のテーマが数多く鏤められていることが多いので、そこをクローズアップするのも余興として成り立つ。
小説を、10も20も書き続けると、どうにもこうにもやはりネタ切れしてくることがありますが、偉大なる作家、文豪は、特別な男女間を描くことに重きを置いていなくて、今まで書いた内容と矛盾しますが平凡な日常、平凡な男女間の一コマから日常の細部を切り取り、そこを情緒たっぷりに描くことで、小説を完結させる。
人の死や暴力描写、性的な展開でしか、もしも小説を描くことができないとしたら、それは作家として未熟者で、カタワだと言わざるを得ないし、毎回、毎回、ドラマティックな展開も悪くはないですが、それではいつかネタ切れしてしまうし、物語の破綻を迎えてしまう。
それとは別の話になりますが、テレビドラマや映画の世界では、出演者のキャスティングがドラマに馴染めなかったり、俳優のスキャンダラスな事件の余波で、突然、出演者がキャストから外されることがよくある。
ある時、突然、恋敵がテレビドラマから降板したり、映画の出演から外されてしまうのは、それは番組の裏側で何らかの駆け引きがあり、スポンサーの力が働いたからであろう。
女優の不倫がパパラッチされたり、視聴者から総スカンを食った結果、出演を取りやめになることは、テレビや映画の世界ではよくあることだ。
映画やテレビドラマには、主人公もさることながら、それを支える名わき役が複数、存在することからわかるとおり、主人公に花を添える脇役が、実は主人公の引き立て役を担うことが多い。
それは定食に添えられたタクワンや、漬物のように、人によってはそちらのほうに比重が重くなることがあるように、時に主役を凌駕する。
少し小説の進行がマンネリ化してきたなと思ったら、登場人物を1人増やす、減らすなどして、出会い、別れの演出に力を注いでみるのも悪くない。
大切なのは、これでなければ駄目だと、頭にキャップすることではなくて、可能性の選択肢を無数に四方八方に拡げることだ。目にウロコでは、豚に真珠をプレゼントするようなものだ。
アイデアは1つとは限らない。
最悪の事態を想定しながら、そこから無数の選択肢を拾い上げたい。
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