第6話 夢からアイデアを拾い上げる。
夢からアイデアを拾い上げる。
昔、未解決の犯罪事件にスポットを当てた、テレビ番組があり、視聴者から情報提供して貰い、貴重な情報を元に、事件の解決に花を添えていた。
その中でも、私は、サイキック・ドリーマーにとても興味を持った。
サイキック・ドリーマーとは、未解決事件をFBI捜査官に託すのですが、着目する点は、夢の中に浮かんだ犯人像、夢の中で思い描いた犯罪の手口を手帳一杯にメモし、事件の解決につなげることだ。
だからサイキック・ドリーマーの寝室のベッドスタンド脇には、ペンとメモ帳がそれぞれ1つずつ置かれていて、夢を忘れる前に起きてメモし、それを事件に活かす。
犯罪の捜査官、プロのFBI捜査官は、夢の中で浮かんだ犯人像、犯罪の手口を夢の中だけで終わらせることなく、何かヒントが頭に浮かんだらすぐに電気をつけて飛び起き、夢の中で得た情報をメモに残す。
これは小説を書く上でもかなり有効な手法といえて、人間、実は夢の中が一番、創造性が豊かなのではないかと自分は思っている。
人間が思いつく限りの空想上の世界、犯罪の可能性、選択肢を追求できるのは、実は頭の中に描かれた魑魅魍魎な世界でしかない。
有名な歌い手、シンガーソングライターの谷村新司さんも言っていましたが、夢の中で、神が降臨するというか、頭の中にアイデアが降ってくる瞬間がある。
ビリージョエルが、名曲オネスティーを作詞した時も、夢から覚め、なんの前触れもなく突然、神が頭の中に宿り、なにか不思議な力が働いたと言っていた。
どちらも名曲を書くのにそれほど労力を必要とせず、実に完成するのに10分程度の創作時間だったと言っていましたが、名曲というものは、実は、なんの労力も必要とせず、苦労せず、ふっと湧いてくる、そんなものなのかもしれません。
これはね、小説の世界と同じで、コンマ何秒でキーボードを打つ手に、言の葉が宿るのと、ひどく似ていますよね。
谷村新司さんが言っていましたが、夢の中に浮かんだ名曲は、その時、パッと起きてメモしないと、時間が経つと忘れてしまうと言っていたのも印象的でした。
私も同じように感じたことがあって、創作のことばかり考えていた一時期、アマゾンkindeが日本に上陸した初期の頃ですが、小説のアイデアが夢の中に幾つも浮かんで、それをメモしたことを思い出した。
これは一瞬の出来事で、時間がたつとアイデアが消滅してしまうので、その時、アイデアが頭に降りてきた瞬間、睡眠中でも、その時に起きてメモしないと不思議と頭から消えてなくなります。
夢からアイデアを受ける。
これは結構、有効な手立てですね。
でも、創作のことばかり考えているような人でないと、アイデアは降臨しませんし、やはり研ぎ澄まされた何かがモノを言うのでしょう。中途半端に創作に携わる人には、アイデアは決して降ってこないと思います。
創作の女神に愛されるかどうかは、それは作家の取り組み方、次第かなとも思います。中途半端な創作家は、やはり日の目を見ないというか、そこまでかなとも思います。
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