この物語には社会にどこでもいる男の存在を示す日記が語られている。精神科デイケアに行き、ウォーキングをして、古書あさりに夢中になる。そんなどこかモダンで古風な趣味のある男性の読書日記と、何気ない日常が語られている。だがこの物語には心理描写というものがあまりない。淡々と書かれた物語の中で、男は何気ない日常を送っているのだ。いつかここに書きたくなるような、感情的な出来事に遭遇して幸せを読み取れる日々を読めるようになることを願う。