とある峠の山中にて

 本当に行くのかよ?

 ああ、きっと見つけてくるさ。

 気を付けろよ。俺たちは名前が知られてる。いつ捕まるともわかんないんだからさ。

 分かってるって。

 あにィ、荷物の準備、終わったよ。

 おう、ありがとう。じゃあ行ってくる。

 気をつけてなー!

 お前たちも、達者でなー!


 あにィさ、行くあてとかあるの?俺は長旅平気だけどさ、金が底をついたら、どうしようもないんだぜ?

 そうだよなぁ。

 まさかあてもなく探すつもりだったの!?

 大丈夫。俺にはこれがある。

 ああ、毒の鳥ね。でもさあにィ、それ、たまに毒の雨降ってくるから迷惑だって怒られたんじゃなかったっけ。

 う。そ、そうだったっけ。

 そうだよ!もう、年上なんだからもっとしっかりしてくれよな。

 ああ、もちろん。しっかりしてるつもりなんだぞ?これでも。

 結果が出てないから。

 ・・・ハインリヒ、お前しっかりしてるな。

 ダメダメなあにィのサポートしなきゃだしな。

 ダメダメって・・・。文句あんならお前が兄やれよ。

 嫌だ。

 ちぇ、ケチだなぁ。

 うるさいよ。ほら、まずあの村から探そうぜ。村からなら規模も小さくて楽だろ。 

 おお、名案だな。よし、いくぞ!

 はいはい。こういうときは調子いいんだよな。

 なんか言ったか?

 なにも。さっさと行こうぜ。 

 おう。

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