第7話 重なる姿
「ふぅーん。熊神の子どもがねぇ…」
「で、どうするのだ?鈴流を追いかけるか?」
夜楽が照彰と接触したその日の晩。住み処である屋敷に戻ると、夜楽がいない間に起こった出来事を聞かされた。その内容は、
「すいません、私がすぐに気づけていれば良かったのですが…」
「謝ることはない、どうせ素直に言うことを聞く奴じゃないんだから。まったく……どうして後先考えずに行動するんだか」
麗雅が申し訳なさそうに頭を下げる。夜楽は呆れてため息を吐くと、頭をガシガシと掻きながら「行くぞ」と言って歩き出す。
それにハッとした麗雅と風璃は一度顔を見合わせると、こくりと頷いた。すると麗雅の体が一度炎に包まれ見えなくなり、炎が消えたと思えば麗雅の姿はなく、代わりに真紅の蝶がヒラヒラと舞っていた。
「風璃。華緑山に飛べ」
「分かった」
蝶の姿をした麗雅が夜楽の肩にとまると、次は風璃が空でバサバサと羽で竜巻を生み出した。
竜巻は大きな音を立て、強い風に飛ばされそうな勢いだが、夜楽達はその竜巻の中へと足を踏み込む。
竜巻の中に完全に入ると、竜巻は空へと浮かび上がり、真っ直ぐに華緑山がある方向へと移動を始めた。
「ふぅーん…黒い忍者みたいな奴か……なるほどな、大体分かった。だとすればこれは…」
華緑山へ向かいながら、照彰に事情を聞いた鈴流は一人で何かをブツブツと言っている。
言っていることを全く理解できない照彰と春太はそれを不思議そうに眺めるだけ。
「なぁ、さっきから何一人で喋ってるんだ?」
「…お前には分からないだろうが、その…きのことかいう熊神の子どもは、“誰かに依頼されて”連れ去られかけたんだ」
「誰かに…依頼されて…!?」
鈴流の言葉に照彰と春太は言葉を失った。
「お前の言う忍者みたいな姿をした奴は“
「夢幻屋…?」
夢幻屋、という名の存在に照彰は首を傾げる。それは一体どういう集団なのか、照彰は一切分からないのだから。
「夢幻屋って…確かお金さえ渡せば、どんな仕事でも引き受ける闇の集団だって噂で…」
「はあぁ?」
「ああ。あいつらは妖霊退治や暗殺、要求する金さえあれば平然とやってのける連中だ。おまけに謎に包まれてて追えねぇ」
「そんなのがいんのかよ…」
夢幻屋について聞かされた照彰は一気に不安になった。話を聞く限り、戦闘もできるのだろうと照彰は考えた。そんな相手が関わっているのだから、不安にもなる。
しかし、照彰はここであることが気になる。
「…その、夢幻屋?は、誰かに要求した金を渡されて、きのこを連れていこうとした…誰が?あと理由も」
「誰かは知らんが、どうせ金儲けだろ。それか…熊神が村を襲わない為の“盾”とかな」
「え!?それって…」
照彰の疑問に鈴流は眉間に皺を寄せながら理由を述べた。するとそれに反応したのは春太だった。春太は青い顔で肩を震わせ、最悪の予想が頭に浮かんでしまったのだ。
「もしかして…村の誰かが、きのこを…」
「そう考えるのが普通だな」
「そんな…」
春太はきのこをぎゅっと抱き締めた。自分の村の誰かが、友達であるきのこを利用しようとしていることに、怒りと悲しみの感情が込み上げる。
自分の村の誰かが友達であるきのこを利用しようとしているなどと考えたくもない。
「村の人じゃないよ…!だって…きのこたち熊神は、僕の村では守り神様なんだもんっ…絶対に…違うよ…」
「春太…」
涙を溢す春太の背を、照彰が優しく撫でる。腕の中のきのこも、春太を心配しており悲しそうに鳴いている。胸に頭をこすりつけ、懸命に慰めている。
「春太、お前の村の人達じゃない。だから安心して泣き止めよ。大丈夫だから」
照彰が春太の両肩を掴んで励ます。正直に言って、村の人間でないと断言できる証拠はないが、春太を安心させるにはそう言うしかなかった。
「…そう、だよね……絶対に…違うよね」
「…ああ」
「ありがとう照彰さん、きのこ…」
春太は涙を拭い、笑顔を浮かべて見せた。照彰はそんな春太の頭をそっと撫で、きのこはペロペロと春太の手を舐めた。
「何故そう簡単に信じれる」
鈴流が睨むような目を照彰達に向ける。
「ほぼ村の人間が夢幻屋に依頼したのは確実だ。それなのに、何故そうだと認めない。村の人間ではないという証拠はどこにもないんだ」
諦めろ、と鈴流は言った。しかし照彰は、フッと小さく笑うと鈴流に視線を移す。
「確かにどこにも証拠はねぇけど…村の人だって証拠もないだろ?」
「はあ!?」
「ほぼ確実でも、違うかもしれないだろ。希望があるならそれに期待したってバチは当たらないだろ?」
照彰の前向きな意見に、鈴流は顔をしかめた。
淡い期待を抱いて何になるのか。後に後悔するのは自分だというのに。
後で後悔するくらいなら期待しない方が良いのだ。そんなことも分からないのか、と鈴流は思う。
「後悔するぞ」
「その時はその時だ。それに、信じずに後悔するよりマシだと思うぜ」
「……変な奴」
森で会った時も思ったが、照彰の考えることは鈴流には理解できなかった。
例え村の人間でなかったとしても、守り神と崇めていたのに矢や銃で攻撃した。所詮人間とはそんなものなのだと思っていた。
人間が嫌いな鈴流は、人間である照彰の言うことを理解する日は来ないだろうと思ったし、それで良い。人間のことなど、分からなくても困らないのだから。
「っ!?」
「鈴流?どうした?」
「シッ、静かにしろ」
突然鈴流が辺りを警戒し出した。声を潜め、物音を立てないように照彰と春太に指示する。
「何かいる…」
「はっ!?」
「バカっ、声が大きい!」
「わ、わりぃ…」
鈴流は一つの気配を感じ取った。人間のもので、霊力は感じられない。だがただの人間でないことは確かな気配だ。いつからいたのか分からないが、おそらく照彰達を追ってきたのだろう。
気づかなかった自分が腹立たしいと思いながら、これからどうするか考える。
チラリと様子を伺うと、照彰は狼狽えるだけで役に立ちそうもない。春太はただの人間の子どもで論外だ。きのこも熊神だがまだ幼いく、力は使えないだろう。
「チッ。お前、現人のくせになんもできねぇのかよ」
「俺はここに来たばっかりだ」
「何キリッとした顔してんだ」
「いだっ!頭殴ることねぇだろうが!!」
この場に役に立つ者がいないことにため息を吐き、鈴流は頭を抱える。鈴流が様子を見に行っても構わないが、その間に照彰達が危ないかもしれない。
気配の正体は夢幻屋だろう。
鈴流は夢幻屋には会ったことがある。それも一度ではない。何度も彼らが妖霊を殺しているのを見たことがある。その度に何度仕返ししてやろうかと考えたか分からない。だか悔しいことに奴らはかなり手強く、鈴流は敵わないと理解していた。だから、いつも夜楽や麗雅、風璃に止められると素直に従うしかなかった。
「こいつらを守りながらだと余計に不利だ…相手が一人なのがせめてもの救いだな…」
「おい、どうすんだよ」
「うるさい、少し黙ってろ」
正直言って鈴流が照彰や春太を守る義務はない。人間なのだから当然だ。同じ妖霊であるきのこを親のもとに帰してやることが今の鈴流のやるべきことだ。
ここで照彰や春太を囮にして、きのこを連れて逃げれば良い。
だが、何故かそう行動にうつすことができない。相手が簡単に騙されるわけないという考えだけではない。鈴流自身も分からないが、そうするときのこが怒るからだと自分にそう言い聞かせる。
「お前達、俺が合図をしたら走って真っ直ぐ華緑山に向かえ。俺が足止め役をする」
「は?お前…なに言って…」
「走れっ!!」
鈴流は右腕に氷の剣を出現させると同時に、大きく叫んだ。狼狽えながらも背中を鈴流がぐいぐいと押すため、照彰は春太の手を握り、言われた方向へ走る。
「なんだよっ!」
「良いから走れ!」
「っ!?」
ビュンッと風の音が後ろから聞こえ、その後にガキィンと金属がぶつかるような音が続いた。
立ち止まって後ろを振り返ると、どこから現れたのか刀を持った青年の攻撃を、鈴流が氷の剣で受け止めていた。
「誰だ…あいつ」
青年は腰まであるうねった黒髪を頭の高い位置で結い、この神流では見ない軍人が着るような黒い軍服を身に付けていた。年は照彰と同い年くらいに見え、顔つきは整っており、照彰は一瞬男か女か分からなかった。
「お前…見たことない顔だが、夢幻屋の人間だな」
「……」
鈴流が受け止めた刀を押し返し、青年は後ろへ跳んだ。
次の攻撃に備え、鈴流が構えの体勢をとる。
「一応聞くが、お前は誰に頼まれてこいつを狙ってる」
「……」
鈴流が問いかけるが、青年は翡翠の瞳でじっとこちらを見るだけで、何の反応もしない。
「…やっぱ答えねぇか」
答えるわけがないと分かっていた鈴流は、それ以上は無駄だと質問することはしない。
ピリピリとした雰囲気の中、照彰は春太の手を離さないよう強く握り締める。
どちらが先に動くか、互いに様子を見ている状態で、不意に相手の青年の左手が動いた。
即座に警戒を強めた鈴流だが、青年は攻撃することはなく、ただ眠気に逆らえないとでも言うかのように「ふわぁ」と大きな欠伸をした。
「欠伸かよっ!」
左手で口を覆う青年に、思わずそう叫んでしまう。
鈴流は馬鹿にされた気分なのか、青年を鋭い視線で睨む。
「随分と余裕だな…」
「……まぁ、簡単な仕事ではあるかな」
そこで初めて青年が言葉を発した。何の感情も読み取れない無の表情だが、声はまるで遊びに飽きた子供のような印象を与える。
「おい!さっさと行け!!」
鈴流は照彰達がここから離れる時間を作るため、青年に攻撃を仕掛ける。青年は表情一つ変えずに、それを難なく受け止める。それでも鈴流は負けじと氷の剣で攻撃したり、蹴りを放ったりと青年を照彰達から遠ざけようとしている。
「くそっ!気をつけろよ!!」
ここでは何もすることができないと分かっている照彰は、悔しそうな表情で春太の手を引いてその場を離れる。
しかしここで鈴流はある違和感を覚える。
「お前…熊神の子どもを狙ってるんじゃないのか…?」
「……」
夢幻屋である彼が、簡単に照彰達を逃したことが鈴流には意外だった。
そしてここで、あるもう一つの疑問が浮かび上がった。
その疑問とは、夢幻屋とは黒い忍者のような格好をしていたはず、というものだ。
だが今目の前にいる青年は、鈴流の見たことのない服を纏っている。
「……自分の相手は君。ただの足止め役だよ」
「っ!?まさかっ…!!」
鈴流が気づいた時には既に遅かった。
照彰達が向かっている方向から、無慈悲な銃声が響いたのだった。
「くそっ!」
銃声が聞こえたことにより、鈴流はすぐさまそちらに駆けつけようとするが、足止め役の青年はそれを許さない。背を向けてしまえば確実に負ける。襲いかかる刀の攻撃を受け止める手を休めるわけにはいかなかった。
「妖霊の氷でも、簡単に壊せる」
「なっ…!」
勢いよく刀が振られ、鈴流の首を斬ろうと刀身が迫るが、鈴流は何とかその攻撃を抑えることができた。
しかし、その重い衝撃によりヒビが入り、それを狙って青年は次々と攻撃を加えてきた。
「やばっ」
特殊な氷でできている為、普通の氷よりも簡単に砕けることも溶けることはない。だが、ついに氷の剣は粉々に砕け散り、青年の力の強さを鈴流は思い知った。
「…おやすみ」
武器の無い今のうちに仕留めようと、青年がもう一度鈴流の首を狙って刀を振る。
万事休す、かと思いきや。
「…お前、俺のこと舐めすぎだぞ?」
「…っ?…これは……」
鈴流の首を跳ねようとした刀の動きが、途中でピタリと止まる。
何故なら、青年の刀を握る手や、地についている両足が、いつの間にか氷によって固められていたからだった。
「こんなことも簡単にできるんだ。俺の剣を砕くのにも時間がかかったんなら、これから抜け出すのも苦労するだろうぜ」
「……」
青年の手も足も氷で固められ、身動きが取れない。表情はそれでも一切変わらないが、抜け出すのに時間がかかるのは事実だ。その隙に何とか照彰達の側に向かえば、まだ間に合うはずだ。
「じゃあな」
青年から離れ、鈴流は急いで音のした方向へ走る。
どうか無事でいてほしい。
それは、誰に対して思っているのか、鈴流自身も分かっておらず妙な気分だった。
今の鈴流は焦りと不安でいっぱいだが、とにかく急ぐしかない。
木々の間を通り抜け、細い枝が顔に傷をつけようと、土に足を取られようとも、鈴流は足を止めない。
やがて前方に照彰達の姿が見えてきた。銃で撃たれたかと思ったが、誰も死んではいない。
しかし、誰も怪我をしていないわけではなかった。
春太は地面に腰をつけ、ぎゅっと強く瞳を閉じ、力いっぱいにきのこを抱き締めている。きのこを守るような体勢だが、春太自身は、恐怖で震えるばかり。きのこも、そんな春太に小さな手でしがみついている。
そして、春太ときのこを背にして立ち、両手を横に広げて何かを睨む照彰の姿。右腕には、銃で撃たれたのか、照彰のジャージを赤く染め上げていた。
その姿に目を見開き、思わず立ち止まってしまった。その姿を、鈴流は昔に見たことがあるような気がする。
背に庇われていたのは、まだ幼かった自分と、数多の妖霊達。立ち姿も、視線も雰囲気も、何もかもが“あの時”と同じだった。
「ふぅー…関係のない人間を殺すのは、したくないのですが」
「へっ、だったらこのままどっかいっちまえよ」
「それはできませんね。僕達にも生活がありますから」
照彰の視線の先の影が動いた。右腕だけで銃身の長い銃を照彰に向けた、先程の少年よりかは少し年上に見える青年。深い緑のサラリとした短髪に、茶色い瞳は細められて笑っている。黒い忍装束に身を包んでおり、春太が言っていた忍者とはこの青年のことだろう。彼も夢幻屋の人間だということは確実だ。
「照彰!」
「鈴流…?無事だったのか…!…つっ!」
「おい!」
鈴流がすぐさま照彰に駆け寄る。鈴流の姿に照彰は安心したかのような笑みを浮かべ、痛む右腕を押さえてその場に膝をついてしまった。
重傷ではないが、出血を止めなければならない。しかし、敵が目の前にいるため、悠長に手当てをしている場合ではない。それに、鈴流達妖霊が人間の血に触れるのは良いこととは言えない。
「照彰さん!」
「おいお前、これでそいつの傷押さえてろ」
「え、う、うん!」
泣きそうな表情をしている春太に、鈴流は持っていた白い布を渡す。今はそれくらいしかできないが、何もしないよりはマシだろう。
「ふーむ…君がここにいるということは、
銃を一旦下ろし、首を傾げる青年に、今度は鈴流が照彰達を背にして立つ。
「誰のことを言ってるのか知らねぇが、変な服着た刀を持ってた奴なら、俺の氷で今は動けねぇぜ」
「…なるほど。…なら、誰も来ないうちに早く用を済ませてしまいましょうか」
下ろした銃をまっすぐ鈴流に向ける。鈴流は両手に冷気を纏わせ、氷をいつでも出せるように構える。
どちらも気を抜けない状況の中、徐々に霧が立ち込め、全員がそれに気づいた。しかも普通の霧ではなかった。
「黒い…霧…?」
照彰の言う通り、その霧は黒い色をしており、まるで黒煙のようだった。
「なんだ?これは…」
青年もその霧がただの霧ではないことに、何かがいるのではないかと警戒する。
「…お前ら、じっとしとけ」
「なんなんだ?この霧は…」
「……“あいつ”が来たんだ」
「あいつ…?」
鈴流が静かに照彰達にそう言うと、すっとその場にしゃがんだ。その様子から、鈴流はこの霧の正体を知っているようだ。
「夢幻屋の
声が聞こえたのは、青年の後ろからだった。
その姿に、照彰は「ああっ!」と、痛む腕のことも忘れて指をさす。
青年も銃はそのままで、首を後ろへと振り返らせる。
「夜楽…ですか」
霧の中から姿を現したのは夜楽だった。彼の登場に、二哉と呼ばれた青年は少しばかり雰囲気が冷たくなった。殺気すらも感じられる。
「手を引くわけないでしょう。また邪魔をしに来て…ここで始末しておいた方が、これからの活動には最適ですよね?」
「それはやめておいた方が良い」
「それはなぜでしょう」
二哉は攻撃体勢に入っているが、夜楽は余裕な態度で笑う。それを不審に思いながらも、二哉は銃をいつでも撃てるように引き金に指をかけるが、その手は夜楽の側に現れた麗雅によってピタリと止まる。麗雅の小脇に、鈴流が先程まで戦っていた青年が抱えられていたからだ。
「六深弥…!なぜ…!」
「あちらの方で寝ていたので、連れて来ました」
小脇で眠っている仲間の姿に焦りを隠せない二哉は、銃を慌てて下ろす。
麗雅の発言に、照彰は「寝てた?」と、どういう状況で寝ていたのか疑問に思った。
「鈴流の氷からは抜けていたけど、草の上でぐっすりしていたよ。いつもこうなのかい?」
「ああもうまたか!!」
夜楽は苦笑しているが、二哉は頭を抱えて嘆いているのか怒っているのかよく分からない。
「またか」と言っていることからこれが初めてではないらしい。余裕からなのか単に眠たかったのか。どちらにせよこの状況は二哉にとっては不利だ。
「…分かりました。今日は帰りましょう」
「そうしてくれ」
二哉はため息をついた後、銃を黒い袋に仕舞うと背中に背負う。
すると黒い霧がモワモワと濃くなり、やがて周りが何も見えなくなる。
黒い霧が全てを包むと、不安からか春太が照彰の腕にしがみつく。そんな春太の背を照彰は撫で、霧が目に入らないように固く瞼を閉じた。
音が無くなり、腕を掴まれているはずなのにその感覚もなくなる。
次第に眠気にも襲われ、照彰は瞼は閉じたまま、そのまま意識を手放した。
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