第101話 虹色の光

 スプリィムをやっつけてから……どれくらい経ったかな?

 そろそろ次どうするか、真剣に考えないとね。


 なんて思いながら、今日もブラブラ本部を散歩中。

 平和すぎて、次のことを考える気になれないよ。

 ずっとこのまま平和だったらいいのになぁ……。


「うニャアァ~ッ!?」


 えっ!? 今のは……ミィシャンの声だ!

 この先の倉庫みたいな所から聞こえたけど、何かあったの!?


「どうしたのミィシャン! 大丈夫!?」


「ふニャウゥ……ソーラ……」


 ギョッ!? ミィシャンが号泣してる。

 一体どうして──。


「おや? お嬢ちゃんではないか」


「おじいちゃん? こんな所で何を……って、まさか!」


 エロジジイめ、ついに本性を現したか!


「ミィシャンに酷いことをして、許せない!」


「おいっ、何を言うておる! 違うぞい!」


「ならどうしてミィシャンは、こんなに泣いてるの!」


「……ソーラ……これ見テ……」


「うん? 見るって何を──」


 ──あぁ、なるほど。

 ミィシャンが泣いている理由はこれか。


 エロジジイじゃなかったね……。

 おじいちゃんゴメン!


「これって私達の宇宙船だよね?」


「そうじゃ、部下に指示して破片を回収させておったのじゃ。それを猫のお嬢ちゃんに見つかってしまってのう……」


 大きな穴に、真っ二つに割れた胴体、そして大量に飛び散った機械。

 あれだけ激しい突入をしたら、こうなっても仕方ないよね。

 UFOっていうか、もはやガラクタの山だよ。


「うニャ……ソーラ様号……壊れちゃったヨ……」


「ミィシャン……」


 そうだよね……悲しいよね……。

 大切に操縦してきた、特別な宇宙船だもん。


「おじいちゃん、どうにか修理出来ないかな? この宇宙船はミィシャンにとって、凄く大切なものなんだよ」


「修理してやりたいのは山々じゃが……難しいじゃろうな」


「ふニュ……元には戻らないノ……?」


「うっ……残念ながら厳しいのう。この宇宙船は核となる部品を破損しておる、修理は恐らく不可能じゃ」


「ふミュゥ~……ソーラ様号ゥ……」


「泣かないでミィシャン……」


 なんとかしてあげたいけど、私は機械の修理なんて出来ないし……。

 いい方法はないかな……あっ!


「ねえ、ダークマターで修理って出来ないのかな?」


「ダークマターで修理じゃと?」


「この宇宙船を最初に動かした時ね、ダークマターを補給したら一瞬でピカピカになったんだよ。それと同じやり方で、修理って出来ないかな?」


「ほう、それは興味深い現象じゃな。試してみる価値はありそうじゃ」


「ソーラ……お願イ……」


 はうぅっ!?

 泣いてるミィシャン可愛すぎ!


 よし、集まれダークマター!

 何がなんでも宇宙船を復活させるよ!!


 さあ、この虹色の光で──。


「──って、あれ? 虹色?」


 前は暗くて明るい光だったのに、今は虹色の光になってる。

 そういえば私の体と戦ってた時も、バリアーを出したら虹色だった。

 もしかして私のダークマター、カビてる?


「なんで虹色なんだろう……」


「ほう……どうやらお嬢ちゃん、一つ上のステージへと進んだようじゃな」


 うん? 上のステージ?


「……何それ?」

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