第102話 よみがえれ! ソーラ様号!!

「一つ上のステージ? 何それ?」


「そうか、お嬢ちゃんはダークマターの到達ステージを知らんのか」


 ダークマターの到達ステージ……。

 うん、聞いたこともないね。


「どうやら知らぬようじゃな、では教えておこう。到達ステージとは、ダークマター使いの実力を分ける階級のことじゃ。下から第一ステージ、第二ステージ、第三ステージまで存在しておる」


「へぇ、三つのステージね……」


 ゲームでいうレベルみたいなものかな?

 あっ、プロスポーツのリーグ分けみたいなものかも!

 うーん……やっぱり違うかも……よく分からないや。


「お嬢ちゃんのダークマターを見るに、第一ステージから第二ステージへと進んだのじゃろうな」


「え? 私ってずっと第一ステージだったの? 特異点なのに一番下のステージ?」


「宇宙に存在する大半のダークマター使いは、第一ステージなのじゃよ。ワシやスプリィムも第一ステージじゃな」


「ユニオンマスターでも第一ステージなの!?」


 ということは、第二ステージはユニオンマスターを超える実力者ってことだよね?

 それって相当強いんじゃ……。


「第二ステージに到達しておる者は、現在の宇宙には三人しかおらん。先日戦ったグランドマスターと、二人のユニオンマスターのみじゃ」


 たったの三人……つまり私で四人目っていうことだね。


 あれ? でもちょっと待ってよ。

 グランドマスターってゴミのラスボスだよね?

 それなのに第二ステージっておかしくない?


「だったら第三ステージって一体誰なの?」


「第三ステージとは、完全覚醒した特異点のみを指すのじゃよ」


「特異点のみ? ということは……」


「そうじゃ、現在の宇宙に第三ステージは存在しておらん。しかしお嬢ちゃんならば、いずれは到達するかもしれんのう」


 だからゴミラスボスも、第二ステージ止まりなんだね。

 そして特異点である私だけは、ゴミラスボスを超える可能性を持っているってことだ。


「おじいちゃん、第三ステージまで進む方法は──」


「ねえネェッ! 早くソーラ様号を直してヨ!」


「あっ、ゴメン忘れてた」


 危ない危ない、色々と気になるけど、先に宇宙船を直さなくちゃ。

 よし、第二ステージにパワーアップした力、見せてやろう!


「いくよダークマター! 宇宙船を直して!!」


 ……。


 集まってくる……。


 これが第二ステージの力……。


 今までのダークマターも十分凄かったけど、けた違いの力を感じるよ。


「うニャニャッ!? 眩しいナ~」


「これぞ第二ステージの輝きじゃ! 美しいのう……」


 いける!


 この力なら、宇宙船を直すことも出来る!

 もっともっと宇宙船に集まれ!!


 さあ! 


「よみがえれ! ソーラ様号!!」



 ──!



「ほおぉ……見事なものじゃな」


「キレイに直ったニャ!やったよソーラ!!」


「ふぅっ、こんな感じかな?」


 完成! 新ソーラ様号だ!!


 形はUFOのままだけど、色は銀色から金色に変わっちゃったね。

 なんだかパワーアップしたって感じ!


 あとは細かいところを調整して……ついでにダークマターを補給して……。


「凄いニャ! 凄いニャ! ソーラありがとうニャ~!!」


「ミィシャわわわっ!?」


 ちょっ、ミィシャン!?

 いきなりペロペロは止めて!


 あっ、あふっ……そこはペロペロしちゃダメェ……。


「ペロペロ……ソーラ大好きだニャ~! ペロペロ……」


 あうぅ……ミィシャン、ちょっとストップ!


 あっ……あっ……あふぅ~……。

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