転生先は宇宙人!? ～魔法を超えた宇宙の力で、カワイく無双しちゃいます！～

第86話 チコタンの考え！

　やる気も十分！　気合いもバッチリ！

　よしやるぞ!!

　まずは……。

「ダークマター！　皆を癒して!!」

「あぅっ……温かいです！」

「傷が治っていくニャ！」

「ワタクシも、心の奥からポカポカしてきますわ」

　うん？　心の奥からポカポカ？

　傷だけ癒そうかと思ったんだけど、もしかして心まで癒しちゃってる？

　なんだろう？　もしかして私のダークマター、強くなってるのかな？

　これもチコタンとミィシャン、エルリンと一緒だからだね！

　やっぱり四人一緒だと、無敵で最強だ!!

　次は──。

「お嬢ちゃん達ぃ～！　ワシはもう限界じゃぁ～!!」

　あっ！

「ゴメンおじいちゃん、すっかり忘れてた！」

「そろそろ交代しておくれぇ～」

「待ってて、すぐに代わるから」

　おじいちゃんとバトンタッチだ。

　ダークマター！　バリアァー!!　

　……ってあれぇ？　何これ？

「うえぇ……なんかグニャグニャしてる……」

　いつもは透明のバリアーなのに、今回のは表面に虹色の模様がグニャグニャ動いてるよ。

　うーん……気持ち悪い……。

「いつものバリアーとは違うナ……虹色がウニャってるニャ？」

「でも凄いですよ！　ビームを軽々と弾いています！」

「こんなに強力なバリアー、今まで見たことないですわ!!」

　確かに凄い、ビームの台風に全然負けてない！

　やっぱり私のダークマターは強くなってるみたい。

　友情パワーなのかな？　そうだよね！　絶対そう!!

「ほぉ……このバリアーはまさか……」

「おじい様、このバリアーについて何か知ってますの？」

「うむ、これはじゃな──」

　──っ！　強力なダークマターの気配！

　今は話をしてる場合じゃないみたいだ。

「強力な防御バリアーを確認しました、攻撃出力を最大化します」

「話はあとで！　今は私の体をなんとかしよう！」

「うナ？　スプリィムじゃないニャ？」

「あれは！　ソーラの本来の体ですよ!?」

　あ、そっか。

　二人は気を失ってたから、事情を知らないよね。

「事情は後で話すけど、スプリィムはもう片付いたの。今は私の体を止めるのに協力して！」

「うナナ？　よく分からないけど分かったニャ！　どうやって止めるのニャ？」

　う……そうなんだよね。

　肝心の止める方法を思いついてないんだよ……。

　うーん……。

「……私に考えがあります！」

「チコタン！」

　出た！　“チコタンの考え”だ！

　チコタンの考えは、いつも悪い状況をなんとかしてくれるからね。

　ちょっと危険な考えも多いけど……自分を犠牲にしちゃったりとか……。

「あの体は、地球人だったソーラのものですよね。ということは、地球人だった時のソーラの弱点を突くのはどうでしょうか？」

「ソーラの弱点ナ？」

「ソーラにとっては自分の体ですから、弱点も知り尽くしているはずです」

　なるほど、弱点を突くのはいい作戦かも。

　でもそんなに効果的な弱点ってあったかな？

「何かありませんか？　ヒントになる情報をください」

　ヒントって言われても……なんだろう……？

　えっと……えっと……。

「酸っぱいものは苦手でしょ、数学は苦手でしょ、ムカデは見ることも出来ないでしょ、おばあちゃんのお家は不気味で苦手でしょ、あとは……」

　ダメだ、関係ないことばっかり浮かんでくるよ。

「あとは……うなじを触られると、くすぐったくて動けなくなるとか？　でもそんなのじゃ──」

「それです！　うなじです!!」

「えぇっ!?」

「ソーラの弱点はうなじです！　そこを突きましょう！」

　いやいやチコタン、流石にうなじは──。

「いいアイデアですわ！　それでいきましょう!!」

　ちょっと!?　エルリンまでどうしちゃったの？

「うなじナ……面白いニャ！」

　ミィシャン……面白がられても困るんだけど……。

「あれはソーラの体なのですから、くすぐったいという感覚も残っているはずです」

「そうですわね！　確かに『感覚器は正常に機能している』と言っていましたわ」

　確かに言ってた気はするけど……。

　それでうなじ攻撃をするの？

「ですが、うなじまで到達すること自体、かなり難しいですわよ？」

「作戦を立てましょう、まずは私達で──」

　ホントに私のうなじ狙いでいくの!?

　なんだか勝手に作戦会議もはじまってるし。

「──という作戦でどうでしょうか？」

「なるほど……全員作戦ですわね！」

「いい作戦だニャ！　“ソーラのうなじを狙え”作戦ニャ！」

　あぁ……いつの間にか作戦名まで決まってるよ。

「ソーラもしっかりお願いしますね！」

　うーん……うん！　分かった!!

　もの凄く不安だけど、三人を信じるよ！

　こうなったら、なるようになれだ!!

　作戦は決まった！

　狙うは……私のうなじだ!!