第80話 激戦! スプリィム

「フフフッ……友情ごっこは終わりかしら?」


 こいつ……やっぱりムカつく。

 でもここは冷静に……エルリンと約束したもんね。


「お待たせ、休憩はもう終わりだよ?」


「あら? 休憩させてくれてたの? 優しいわねぇ……」


「まあね、でももう終わり……」


 ダークマター、私と繋がって。

 もっともっと……深く……広く……。

 一緒にスプリィムを倒すよ!!


「いくぞスプリィム! ダークマター!!」


「甘いわ! ダークマター!!」


 ──っ! 強いっ!!

 直接ぶつかると改めて実感するよ。

 スプリィムのダークマター、とんでもない強さだ。


 でも私だって負けてない!

 エルリンとの特訓の成果、見せてやる!!


「もっと強く! もっともっと強く!!」


「くぅっ、やるわねぇ……だったら、これはどうかしら?」


 気配が変わった!

 これは……ビームだ!

 しかも、エルリンを狙ってる!?


「きゃあぁっ!?」


「エルリンを守って! バリアー!!」


 危ないっ、ギリギリでバリアーは間にあった!

 でも許せない! 私じゃなくてエルリンを狙うなんて!!


「よくもエルリンを!」


「お友達を守ったのね、偉いわぁ……でも自分の防御はガラ空きよ?」


 しまった、今度は私を狙ってる!

 さっきよりも強いビームだ!


「ダメだ、よけられないっ──」


 ──なんちゃって、ね。

 今だ! スプリィムの後ろにワープ!!


「なっ、一体どこに……後ろ!?」


 残念でした。

 どんな攻撃も、ワープしちゃえば当たらないよ。

 動揺してる、隙だらけだ!!


「今度はこっちの番!」


 おじいちゃんの技、参考にさせてもらうね!

 ダークマター! 爆発だ!!


「どうだ!」


「……フフフッ、甘いと言っているのよ!」


「なっ、無傷?」


 なるほど、自分の体をダークマターの膜で覆ってるんだ。

 いちいちバリアーを張らなくても、あれで全部防御しちゃうってわけだね。

 あれを破らないと、スプリィムにダメージを与えられない。


「ダークマターを使ったワープ、厄介ねぇ……なら次の手よ!」


 また何かしてくる気だ、でもそうはさせない!


「ダークマター! バリアー展開!!」


「これはっ、私の周りにバリアーを!?」


 これでどう?

 何をしてくる気か知らないけど、バリアーで覆われてたら、下手なことは出来ないはず。


「舐めないでほしいわねぇ……はあぁっ!」


 えぇっ! 嘘でしょ!?

 バリアーを破られた、しかもパンチで!

 ダークマターパンチ? そんな力技、想定してないよ!


「終わりよぉ!」


 マズい!

 ビックリしている間に、スプリィムが目の前まで迫ってる。

 もうダメだ──。


「と、見せかけて?」


「消えた!?」


 残念だったねスプリィム。

 そこにいる私は、ダークマターで作った幻だよ。

 まんまと騙されたな、そして──。


「弾けろ! ダークマター!!」


「ぎゃっ! 目がぁっ!?」


 目くらまし成功! 宇宙人には効果テキメンだ!!

 怯んでる間に、一気に勝負を決める!


「トドメだ!!」


「ふうぅ……甘いと言っているのよぉっ!!」


「なっ!?」


 何?

 急にダークマターの圧力があがった!?


「はぁ……はぁ……流石は特異点ね……いいわ……」


 凄く嫌な感じ……。


「奥の手を見せてあげる……っ」

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