第66話 作戦開始だ!!

「ゴミ捨て場みたい……」


 真っ暗な宇宙空間に、沢山の壊れた機械が漂ってる。

 まるで宇宙のゴミ捨て場だ。


「ソーラの言う通り、ここはゴミ捨て場ですの。フローンで出た産業廃棄物を、投棄している場所ですわ。これらの廃棄物を、まとめて“宇宙デブリ”と呼んでいますの」


「宇宙デブリ……これを作戦に使うんだね」


 エルリンの案内で、フローンから少し離れた場所までやってきた。

 静かな宇宙にゴミだけ散らばってる、なんだか寂しい場所だね……。


「ソーラ、準備はよろしいですの?」


 おっと、寂しがってる場合じゃない。

 いよいよ作戦なんだから、しっかり集中しなくちゃ。


「もちろん、いつでもいいよ!」


「ソーラ、頑張ってください」


「応援してるミャ!」


 さあ、はじめよう!

 まずはダークマターと繋がるところからだね。

 特訓を思い出して……。


 集中……集中……。


 ……。


 ……だんだんと意識が広がっていく。

 漂ってる宇宙デブリも、しっかり感じることが出来る。

 あれは宇宙船の残骸かな? あっちは壊れた人工衛星だ。あそこにあるのは──。


「ぷぴゃっ!?」


「ソーラ! どうしましたの!?」


「ソーラが鼻血を吹いちゃったニャ! 何事かニャ?」


「だ……大丈夫……気にしないで……」


 もう! なんでこんなところにエッチィな本が捨ててあるの!!

 まったく、変なことに気を取られてる場合じゃないんだから。

 落ち着いて……集中して……。


「うん……いけそう!」


「いい調子ですわ、ではお願いしますの」


「任せて! すぅ……はぁ……」


 いくよ……ダークマター!

 宇宙デブリを──。


 ──。


「うナナ!? 船が揺れてるミャ!」


「凄い衝撃です、船が壊れちゃいそうですぅ」


 大丈夫だよ、ちゃんとダークマターで守ってるからね。

 このまま一気にやっちゃおう! ダークマター!!


「ひゃわぁっ!?」


「ミシミシ鳴ってるニャ……ちょっと怖いニャ……」


「ソーラ、そろそろ十分ですわ」


 ストップ! ダークマターはそのまま……そのまま……。

 ふぅ……これは集中力を使うな……。


「素晴らしいですわ! ダークマターを完璧にコントロール出来ていますわね」


「結構大変だけど、エルリンの特訓のおかげだね」


 ダークマターと繋がる、そしてダークマターを操る。

 特訓の成果はバッチリだ。


「準備完了、いつでもいけるよ!」


「うナ! ボクも準備オッケーだミャ!」


「緊張してきました……」


「いよいよですわね……」


 いくぞ! 作戦開始だ!!

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