第35話 突入!

 ついに到着、タワーてっぺん。

 一際大きい金属の扉、この扉の先にゴミクズがいる。


「いよいよです、ユイタソの敵討ちです!」


「準備はバッチリミャ!!」


 二人ともやる気十分だね。

 私もずいぶん回復させて貰ったし、ダークマターも問題なく使える。


「それじゃあ作戦その五に移ろう」


 作戦その五は対ゴミクズ専用の作戦。

 ここが一番の勝負どころだから、しっかり準備しなくちゃ。


 よし……集中……集中……。

 ダークマター、私達を──。


 ──。


「これハッ……!」


「いい感じです、訓練の成果ですね!」


 ふぅ、我ながら上出来!

 これで作戦の第一段階はクリアだ。


「私の準備も整った、いこう!」


「はい!」


「いつでモ!」


 さあ、ここからが本番だ。

 気合入れていくぞ!


「まずはダークマター、目の前の扉を開いて!!」


 むむ……複雑なロックが掛かってる……。

 けど私には関係ないけどね、ダークマターで無理やりこじ開けちゃう!


「頑張ってくださいソーラ!」


「開くっていうより、へし曲がってる感じだけどナ」


 凄い音、金属が歪むとこんなに嫌な音がするんだ。

 だからって手を抜く気はないけどね!


「開きました、中に入れます」


「よし、突入だ!」


 扉の先、部屋の中は二十メートルくらいある円形の空間だ。

 小さいホールみたいな部屋で、壁と天井はツルツルした銀色の金属。

 そして、部屋の中央には見覚えのあるゲス顔が!


「なんだっ!?」


 久しぶりだねゴミクズ。

 ホントは顔も見たくなかったけど、ユイタソちゃんの敵討ちにきてあげたよ。


「くそっ、警備は何をしている?」


 狙い通り、私達の突入に驚いてるみたい。

 まあ、これだけ派手に突入したら驚くに決まってるよね。

 とにかくチャンスだ、今のうちにやっつける!


「貴様等は……そういうことか! だが甘い、オペレーションコントローラー起動!」


《オペレーションコントローラー起動しました。ゲスーチ様、ご指示を》


 もう冷静になってる、司令官なだけはあるってことか。

 ここは面倒なことをされる前に──。


「ドローンビット展開、大至急だ!」


《ドローンビット、展開します》


 うわっ、壁から何か飛び出してきた。

 銀色の小さなUFO? が沢山飛び回ってる、これはちょっとマズいかも!


「殺さない程度に出力を抑えろ、一斉射撃だ!」


《一斉射撃、開始します》


 ダメだ、先に攻撃されちゃった!

 一斉にビームが飛んでくる、こんなに数が多いと避けることも出来ないよ。

 チコタンもミィシャンもビームに打たれて穴だらけだ。


「フハハハッ、たわいもない!」


 二人ともあっという間にボロボロだ……。

 あぁ、私の体にもビームが……。

 もう……ダメ……。


「なんちゃって、ね」


「なんだ? 小娘共の姿が消えていく!?」


 残念だったねゴミクズ。

 そこにいるチコタンとミィシャン、そして私はダークマターで作った幻だよ。

 分身と違って喋ったり戦ったりは出来ないけど、そのかわり少ないダークマターで作れる優れものだよ。


 そしてこの幻には、もう一つ仕掛けをしてあるの!

 今だ! 弾けろダークマター!!


「なっ!? ぐああぁぁっ! 目があぁっ!!」


 よし、目くらましも成功だ!

 幻を囮にして、相手が注目したタイミングで仕掛けを発動。

 地球の閃光弾をイメージしてみたけど、効果はてきめんだね!


 作戦通り、これでゴミクズの動きは封じた。

 今度こそ本物の私達が突入だ!


「覚悟しろ、ゴミクズ!!」

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