第34話 タワーのてっぺんを目指して

「うナ~、敵がいっぱいだニャ!」


「ミィシャンは正面をお願いします、後ろは私が!」


「任せテ!」


 こちらソーラの本体。

 ゴミクズを倒すために、現在タワーのてっぺんに向かって進行中……なんだけど。

 敵が多い、多すぎる!

 そこら中から青色の気持ち悪いエイリアンが湧いてくる。


 多少の騒ぎは仕方ないと思ってたけど、これは多すぎるでしょ。

 レーダーが意味ないくらい、次から次へとうじゃうじゃ湧いてくる。

 チコタンとミィシャンのおかげで対処出来てるけど、先に進める気がしないよ。


 流石にこの数の敵は予想外だったな。

 それと、予想外の問題がもう一つ。


「ふぅっ、きっつ……」


 想定以上に私自身が消耗しちゃってる。

 さっきから息が上がって、ダークマターも上手く使えない。


 変身して、心を読んで、どこでもいけるドアを作って、分身して。

 一気に色々やりすぎたのかな? ダークマターの使い過ぎは疲れるんだね、はじめて知った。


「ソーラは休んでテ! ここはボク達の出番だニャ!」


「そうです、こんな連中は私達だけで十分ですから!」」


 凄い、ミィシャンの作った武器、一度に何本もビームが出てる。

 確かオートマルチロックなんとかって言ってたかな、チコタンでも扱えるように自動で次々ビームを撃ってくれる銃なんだって。

 チコタンも凄い活躍だ、動けない自分が情けないよ。


「ゴメンね、ありがとう……」


「謝る必要はありませんよ、いつも助けて貰っているお返しです!」


「その通りだニャ! たまにはボク達に任せてソーラはゆっくり休んでるニャ!」


「うん、ホントにありがとう……!」


 二人の思いが伝わってくる。

 私を助けるために一生懸命に頑張ってくれてる。


 ミィシャンの武器が無かったら、今頃とっくに捕まってるよ。

 チコタンは戦いが苦手なはずなのに、必死に私を守ってくれてる。


 二人がいてくれてよかった、私ひとりだったら作戦は失敗してたね。

 ダークマターでなんとか出来るって思ってたけど、とんだ思い違いだった。


 二人がいるから私も頑張れるんだ。

 だから二人の為に、私ももっと頑張らなくちゃ。


「……あれ?」


 なんだか元気が出てきた気がする。

 それに、ダークマターが集まってきてる?


 さっきまでだるくて動けなかったのに、今は体が羽みたいに軽い。

 チコタンとミィシャンのおかげかな、力を分けて貰えた気がするよ。


 よし、いくよダークマター!

 邪魔な敵は全部吹き飛ばしちゃえ!!


「ぐああぁぁっ」


「これはっ、敵が一斉に倒れちゃいました!」


 ふう、上手くいった。

 いつもより調子がいいくらいだ。


「今のはソーラがやったノ? 体はもう大丈夫なノ?」


「うん、二人のおかげで元気が出たからね!」


「やっぱりソーラは凄いですね」


 それは違うよチコタン。

 凄いのは二人の方だよ。


「二人のおかげで私も頑張れたの。さあ、先に進もう!」


「はい! いきましょう!」


「いくニャ!」


 もうすぐだ、この先にゴミクズがいる。

 待ってなさいゴミクズ!

 ユイタソちゃんの敵、必ずとらせてもらうんだから!!

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