第19話 惑星ラハル

 宇宙を航行すること一週間。

 ついに見えた私達の目的地!


「あれが惑星ラハルです。第三ウェーブで最も発展していると言われている惑星です」


「おぉ~、大きい星ニャ」


「あそこにヴェーゼの本部があるんだね」


 確かに発展してそう、敵の本拠地っていう感じだ。

 星の表面が全部金属で覆われてて、所々チカチカって光ってる。

 映画で見たことのあるデスっぽいスターにそっくり。

 ザ・SFの惑星っていう感じだね。


「真ん中の光が集まっている場所が首都です。あそこにヴェーゼ本部があります」


「そこに私の体がある……そしてゴミクズがいるんだね」


「首都以外の場所はどうなってるのかナ?」


「首都以外の場所には誰も住んでいません。惑星全体が採掘場になっていて、誰も住めない状態なのです」


「大きな星なのに、住民は少ないんだね」


「それじゃあ早速着陸しよウ!」


 ミィシャンの目が輝いてる。

 初めての別の星だからワクワクしてるんだね。

 でも着陸はちょっと早いんじゃないかな?


「待って、このまま着陸しちゃって大丈夫なの?」


「ン? 何がニャ?」


「ヴェーゼ本部がある星なんだよ? 悪い宇宙船がこないか監視してたり、怪しい宇宙船を攻撃したり、そういう防御みたいなのってない?」


 どこかの国が他の国の領土に無断で入ったりすると、地球でもニュースになってたし。

 星も同じで勝手に着陸したらダメなんじゃないかな?


「大丈夫だと思うけどナ……チコタン、どうなんだロ?」


「私にも分かりません。いつもヴェーゼの宇宙船で出入りしていたので、他の宇宙船がどういう扱いをされるのかまでは……」


「でも私達は怪しくないから、きっと大丈夫だニャ!」


 いやいや、けっこう怪しいと思うけど……。

 乗ってる宇宙船だって骨董品みたいなUFOだしね。


「かなり不安なのですが……大丈夫でしょうか?」


「大丈夫大丈夫、とにかく着陸するニャ。何かあったらその時に考えヨ」


 行き当たりばったりだなー。

 でもまあ、いざという時はダークマターでなんとかすればいいよね。

 生身で大気圏突入も出来なくはないしね、チコタンは絶対に嫌がるだろうけど。


「考えたって仕方ないか、着陸してみよう!」


「任せておいてニャ!」


「ひゃわわ、心配ですぅ……」


 いざ、惑星ラハルに着陸。

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