第18話 大宇宙へ出発だ!

 いよいよ宇宙船だ。

 とりあえずヌシにはどこかにいってもらって、私達は宇宙船まできたんだけど。


「凄いニャ! 動いてるニャ! 浮いてるニャ!」


「ミィシャン、楽しそうだね」


「当たり前ニャ! ずっと夢だったんニャ! これで宇宙へいけるニャ!」


 ミィシャンがとにかくカワイイ……。

 テンションが上がりすぎて、さっきからニャーニャー言ってる。

 うちゅカワイイ……最高……!


「ところでミィシャン、これはどうやって乗るのですか?」


「宇宙船の下に立てばいいんだヨ、見てテ!」


 宇宙船の下に立つ? 

 確かに宇宙船はちょっと浮いてるから、下に立てるスペースはあるけど、そこからどうやって乗るんだろう?


「いくヨ!」


 お、宇宙船の底から光が降りてきた。


「「おお~!」」


 光と一緒にミィシャンが吸い込まれちゃった!

 なるほど、これって宇宙人が牛とかを誘拐する時のアレだ。

 ちょっとやってみたいかも。


「チコタン、私達も乗ろう」


「はい、でもちょっと怖いので、手を繋いで一緒に乗ってもらえますか?」


 ふわあぁ……。

 カワイイ……。

 カワイイが凄すぎる……。


 手に限らずどこでも繋ごうよ。

 抱き合っててもいいんだから!


「ソーラの手はあたたかいですね」


 チコタンの手の方があたたかいよー!!

 ああ、そして柔らかい。体中がポカポカしてきた。


「ドキドキしますね、さあ乗りましょう」


 ドキドキ!? え、それってもしかして私に恋しちゃって……?

 あ、宇宙船に乗るからドキドキしてるのか。

 ヤバい、情緒が落ち着かない。

 とりあえず冷静になって宇宙船に乗ろう。


「お? お? おおぉ~!」


 体が吸い込まれるって不思議な感覚。

 でもあんまり気持ちのいいものじゃないね。


「お、きたきタ! 待ってたヨ」


 あ、もう着いた。

 吸い込まれる時にちょっと気持ち悪かったけど、大したことなかったかな。


「うナ? 二人はどうして手を繋いでるんニャ?」


「あっ、なんでもないですよ?」


 チコタン! そんなに慌てて離れなくてもいいじゃない!

 あ、きっと照れちゃったんだね。そういうことか、なら仕方ないね。

 ……そういうことだよね?


「ところで、ちゃんと宇宙にはいけそうなのですか?」


「もちろんだヨ! そこら辺の宇宙船より高速で飛べそウ」


 へえ、あんなにボロボロだったのに高性能なんだ。

 あ、もしかしてこれもダークマターの影響?

 宇宙船の性能まで上げられるとしたら、ダークマターってどこまで好き放題に出来る力なんだろう。


「準備も出来てるし、出発していいかニャ?」


「はい、もちろんです!」


「あ、ちょっと待って」


 出発するのはいいんだけど、私達三人の門出なんだから、ちゃんとしなくちゃね!


「ミィシャン、これからよろしくね! そらからチコタン、これからもよろしくね!」


「はい! もちろんです!」


「こちらこそニャ!」


 よし! もう思い残すことはない。


「さあ、大宇宙へ出発だ!」

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