第2話 目が覚めるとそこは……
「う……ん……んん!?」
目が覚めるとそこは、一面銀色の不思議な空間でした。
はて、ここはどこ? 私は誰……。
いやいや、流石に自分のことは覚えてるか。
うん、とりあえず記憶喪失とかではなさそうかな。
でもここがどこなのかは全く分からない。
壁も天井も床も、どこを見ても銀色の不思議な部屋。
なんで私、こんなところで寝てるんだろう?
よく分かんないけど……とりあえず起きた方がいいよね。
「っとっと……とおぉ?」
ビックリした、何これ?
フワフワして体が軽くて、まるで宙に浮かんでるみたい……って、ホントに体が宙に浮かんでる!?
私そんなに体重軽くないよ? むしろ最近ちょっと増えたよ! 結構悩んでるよ!
そんなこと今はどうでもいいか……ホントはどうでもよくないけど、今は一旦置いておこう。
それよりこの状況だよ。
これってきっと無重力っていうやつだよね?
ヤバい、ちょっと混乱してきちゃってる。頭の中が真っ白になりそう。
こういう時こそ冷静にならないとね。落ち着いて私!
あ、窓がある。
ちょうどいいや、外の景色でも眺めてリラックスしようかな。
わぁ! すっごく綺麗な星空だ。満天の星が宝石みたいにキラキラ輝いてる。
でもこれ、よく見たらホントに目の前に星があるよ。星空じゃなくてただの宇宙だこれ。
無重力に、銀色の部屋、そして窓の外は宇宙……なるほどね。
つまり私は今、宇宙空間にいるわけだ。ということは、この銀色の部屋は宇宙ステーション的な何かの一室ということかな……?
「いやいや! 無いから、流石にそれは無いから!!」
あり得ないでしょ! だって私、ただの女子高生だよ?
宇宙とか無縁の一般人だし!
「意味が分かんない……なんでこんなことに……」
ん? あれ?
なんか私、声がおかしくない?
私らしくない、やたらカワイイ声だったけど。
それに顔も体も、ちょっと違和感がある気がする。
特におっぱいの辺り、Fカップはあるはずなのに軽すぎない?
とりあえず確認しよう、どこかに鏡とかないかな?
えっと……あぁ、洗面台がある。
蛇口も洗面器も銀色で、銀色じゃないのは鏡に映ったカワイイお顔だけ。
白くて綺麗で透き通るようなお肌。うーん、羨ましい!
へぇ、水色の髪って個性的だね。フシャフシャの緩いヘアスタイルがとってもカワイイよ。
目はキョロキョロっとキュートな感じで、耳はツンツン尖ってて。まるで宇宙人みたいな顔。
うちゅカワイイって感じかな?
うん。
私。
うちゅカワイイ!
「って! なななっ、何これ!?」
え? は? 宇宙人? これ私!?
嘘でしょ! もしかして私、宇宙人になっちゃってるの?
あり得ないから! 宇宙人とかホントにあり得ないから!!
はぁっ、動悸がしてきた……胸が痛くて苦しい……胸が……。
あれ? ちょっと待ってよ。
おっぱいがない! 私のおっぱいがツルツルでペッタンコになってる!?
ん? でもこれはこれで控えめな感じがカワイイのかも……?
いやいや! 落ち着いて私、今そういう問題じゃないから。
とりあえずどうしよう、えっと……。
「ひゃわっ……あの……どうして……?」
突然のカワイイ声。
振り向くとそこには。
別の宇宙人ちゃん、登場。
そう、宇宙人ちゃんが……。
宇宙人……。
「宇宙人ーッ!?」
「ひゃわわぁっ!?」
いや、なんで私より向こうの方がビックリしてるの?
色々とよく分かんないけど、言えることが一つ。
どうやら私、宇宙人になっちゃったみたいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます