転生先は宇宙人!? ~魔法を超えた宇宙の力で、カワイく無双しちゃいます!~

ゆにこーん

第一章 ~第三ウェーブ~

第1話 不審者との遭遇

「ふぅ、遅くなっちゃった」


 日の暮れた午後八時。

 高校からの帰り道、家に向かって歩く私。

 人気のない路地は薄暗くて不気味だけど、涼やかな夜風が体を癒してくれる。


 うん? 誰かいる?


「お前がアケミネ・ソーラだな?」


 うわぁ……不審者だ……。

 確かに私は明峰空あけみね そらだけど、なんでこの人は私の名前を知ってるのかな?

 こんな時間に薄暗い路地で女子高生に話しかけてくるって、結構ヤバめの不審者でしょ。

 シンプルに気色が悪い。


「ふむ、アケミネ・ソーラで間違いないようだな。待っていたぞ」


 え? 何? 「待っていたぞ」ってどういうこと?

 もしかして私、この人に付きまとわれてる?

 つまりこの人は私のストーカー?


「おいっ、先ほどから気色悪いだのストーカーだのと、失礼な娘だな!」


 うわっ、なんでバレてるの!?

 口に出して喋っちゃってたかな?


「なるほど、やはりダークマターへの覚醒は未だのようだな。宇宙最強の特異点とはいえ、今はただの小娘ということか」


 はい? 宇宙最強の……なんて言ったの?

 ヤバいヤバい、この人言ってることが完全に意味不明だ。

 とりあえず分かったことが一つだけ、関わっちゃダメなタイプの人だということは確定。

 よし、警察を呼ぼう。


「警察? それは困る、騒ぎになるのは面倒だからな」


 うえぇ! だからなんでバレてるのよ!

 私また喋っちゃってたの? いやいや、今回は絶対喋ってないし!

 まさか心でも読まれてる? テレパシー的な?

 よく分かんないけど、だったらこっちも強硬手段にでちゃうから。


「お巡りさーん! 不審者です! 変態が出ました! 助けてくださーい!!」


「なっ、変態だと!?」


「変態ストーカーですー! 誰か助けてくださいー!!」


「貴様!」


 よし、あとはご近所さんが通報してくれると信じよう。

 私は全力ダッシュでエスケープあるのみ!


「逃げられるわけにはいかぬな、手荒な真似はしたくなかったが、致し方ない」


 あれ?

 変態の指が光って……る……?

 

「やはりダークマターへの耐性も持っておらぬか、手間取らずに済みそうだ」


 なんか……意識が……。


「さて、そろそろ十分か?」


 ヤバ……足がフラフラする……。

 息が……苦しい……体が……しびれる……。

 私……どうなっちゃ……う……の……?


「では共に来てもらおう。特異点の娘、アケミネ・ソーラよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る