第4話 ショップ機能
やはり物騒なジョブだった。
ていうか何だよ万物に恐れられる存在って。俺って基本世界に優しい存在よ? 人にだって迷惑とかかけないし。ていうか存在感もそうないから、誰にも認識されないしさ。
あ、嫌われてるってそういうこと? つまり世界レベルで嫌われてるから認識されてないの俺? だったらすっげえ悲しいんですけど。
いや待て、それだってステータスを得る前だ。関係ない……はず。関係ないよね?
何だか真実を知るのが怖くなってきたので、次のコアモンスターという項目に移った。
どうやらこのコアモンスターとやらは、ダンジョンの要であるらしい。
ダンジョンが生まれると同時に誕生し、ラスボスとして君臨するとのこと。
「おいおい、つまりあのショッピングモールは、いつの間にかダンジョン化したってことか?」
コアモンスターを討伐できれば、ダンジョンクリアとなって、モンスターや罠などもすべて消失するという。
「そういやドラゴンを倒した時に、レベルアップと同時に、コアモンスター撃破成功って出てたよな」
それにダンジョンクリアとも出ていたことを思い出す。
つまりはあのドラゴンこそがコアモンスターだったというわけである。
「それを俺は知らず知らずスキルを使って倒した……と」
なるほどね。こうやって筋道を立てていけば納得できるものばかりだ。
やはりこうした分析は必須のようである。
どうやらコアモンスターを撃破すると、少しだがスキルポイントをもらえるらしい。
また面白いのは、この討伐数に応じた特典をゲットできることだ。
ステータスには〝アイテムボックス〟もあって、一定の討伐数に達すると、自動的にアイテムボックスにプレゼントが送られるらしい。
何そのゲームみたいなシステム。いやまあステータスがある時点でそうなんだけさ。
何だか深くツッコまない方が楽に生きれそうなので無視することにした。
「ならこの《討伐ポイント》とやらは……」
どうやらこれは各々のモンスターに振り分けられているポイントのようだ。
討伐すれば、それに応じたポイントが加算されるらしい。
そしてこのポイントは驚くことに〝ショップ〟で買い物ができるという。
ステータスには〝ショップ欄〟まであるのだ。
そこを開くと、確かに幾つか項目があった。
その中に《Tポイント》というのがあり、押してみると、まるでネットショッピングのような映像が出てきたのだ。
「へぇ、これはいろいろあるなぁ。面白え」
ここには食料や武器などがあって、ポイントを消費することで購入することができるようだ。
他に《Sポイント》という枠もあるが、これにはスキルポイントを消費すれば、それに応じたスキルを取得できるようになっているらしい。これまた便利だ。
一気にレベルアップしたお蔭でスキルポイントも貯まっているので、あとで利用させてもらおう。
「次はこのアイテムの欄だな。……お、何か入ってる?」
アイテム画面が開くと、そこにはすでに幾つか見知らぬアイテムが入っていた。
どうやら全部で三十個のアイテムを収納することができるようだ。
その中には《グランドドラゴンの牙》、《グランドドラゴンの爪》、《グランドドラゴンの皮》など、ドラゴン系の素材らしきものが入っていた。
十中八九、俺が倒したドラゴンのものだろう。討伐すれば、こうしてモンスターの素材をゲットできるみたいだ。
そして《スキルポイント引換券》というのがある。説明を見れば、これが討伐数に応じた特典らしい。
とりあえず使えるようなので、選択して使用の文字を押してみた。
〝スキルポイント20 を獲得しました〟
おお、これでスキルポイントは全部で179になったぞ。儲けた儲けた。
アイテムボックスについては、収納と廃棄の欄があり、ここにある物でも好きに収納することができ、同時にいつでも捨てることだって可能らしい。
以上がアイテムに関することだな。
次にいよいよ〝ショップ〟利用に移るとしようか。
さらに強くなるためには、スキルの増強や武器などの確保が欠かせないだろうから。
特に気力回復とかあれば、【死線】だって何度も使えるし、最優先にゲットしたい。
幸いかなりのスキルポイントや討伐ポイントがあるので選びたい放題だ。
俺は頭を悩ませて、今必要だと思うスキルやアイテムなどを購入していく。
そして一時間ほどかけて出来上がったステータスがこれだ。
鈴町 太羽 レベル:38 スキルポイント:10
体力:124/1470 気力:1880/1880
筋力:125 耐久性:107
特攻:G%?S 特防:156
敏捷:144 運:70
ジョブ:死神(ユニーク)
スキル:死眼(ステージⅠ【死線】)・気力自動回復S・鑑定B・状態異常耐性A・気配感知B・アイテムボックス拡張B・鷹の眼C
コアモンスター討伐数:1
討伐ポイント:1000
称号:魔眼持ち・ドラゴンスレイヤー
基本的に生存率優先でスキルを獲得しておいた。
スキルにはランクが存在し、例えば《気力自動回復S》は、最初は《気力自動回復C》から購入するのだが、B、Aと続き、最上位がSだ。
当然ランクが上がる度に消費されるポイントは多い。Sに辿り着くまでに消費したポイントは85。かなり奮発したが、俺にとっては死活問題になりかねないので優先した。
そのお蔭もあって、一分間で10%も回復するので、たとえ気力がゼロになっても十分間でフルに回復することができる。これは大きいメリットだ。
《鑑定》に関しては、モンスターの名前や体力ゲージなどの基本的なステータスを確認することができる。ランクを上げれば、弱点なども見ることができるらしいが、ポイントが足らなかった。
続いて《状態異常耐性》は、特に必須にしたスキルである。これさえあれば毒や麻痺などの状態異常はもちろん、精神的にも強くなるようなのでAにまで上げておいた。
《気配感知》もCから一つ上げてBにして、自分以外の生物が近くにいれば気配を察知できるようにしたのだ。これで不意打ちとかを防げれば良いと思う。
次に《アイテムボックス拡張》だが、初期限度が30と少ないので、二つほどランクを上げて80まで所持できるようになった。
またアイテムも必要性のあるものを購入しておいたので、結構頼もしくなったと思う。
最後に《鷹の眼》だが、これは極端な話、視力を上げるスキルだ。Cでも100メートル先の看板の文字が読めたりする。俺は目に関してのスキルを持っているので、便利だから取得しておいたのだ。
さらに魅力的なスキルもあったのだが、どれもバカげたポイント消費数なので、今は手が出せそうになかった。
今後もっとレベルを上げてから獲得していこうと思う。
「とまあ、今できることはこれでし終わったと思うけど……」
テレビもスマホも使えないとなると、こうも手持無沙汰になってしまうものなのか。
「そういや、実際に今の実力ってどんな感じなんだろうな」
スキルを使えば一撃で倒せるとしても、気力を無駄にできない戦いも出てくるだろうし、それを確かめておいた方が良い。
このまま家に引きこもるという選択肢もないことはないが、いずれは京都に向かい家族の安否も知りたいしな。
そもそも電車や飛行機が運行しているのかさえここでは分からないのだ。
「……そうなるとやっぱ足を動かして情報は確かめねえとな」
ということで、俺は情報収集を目的に外へ出ることにしたのである。
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